寮長の恋~ふわふわボディのSub、とろあまDomが溺愛中♡

切羽未依

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#副寮長

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 オーガスがライの部屋に入り込むと、夕食のオニオンスープの匂いがした。

 部屋の中は暗かったが、寮は全室、二人部屋で、2つ並んだ机の間に棚があり、その向かいに2段ベッドがあるのは同じで、住み慣れた体は、あかりがなくても動き回ることができる。
 オーガスは浮遊魔術で浮かび上がり、2段ベッドの上の段に寝ているライを覗き込んだ。

 副寮長が言っていた「お里帰りで疲れている」というのは、本当らしい。

 ライの寝顔を見たら、おとなしく帰ろうと、オーガスは自分で自分に言い聞かせる。
――ちゅーくらいはしてもいいかな、と思って、眠るライが目を覚ましてしまないほどの、ほのかな灯りを、ぽっと、元素魔術の火でともす。


「何だよ…この顔……」

 わくわく、期待していたお里帰り太りの、ぷりんぷりんした顔ではなかった。

 仰向けに眠るライの額には包帯が巻かれ、鼻にはガーゼが貼り付けられ、口にはマスクを着けていた。おそるおそるオーガスは、ライのマスクを取り、灯りで照らして、覗き込んだ。上唇に、切れた傷跡があった。


 オーガスは、Domの本能で全てを悟る。


「Knee跪けl」
 命令コマンドひざまずかせ、後頭部を足で踏み付けにして、顔を床に叩きつけたのだ。


 胸にき付くオーガスの怒りに呼応して、元素魔術の火で灯した灯りは激しく燃え上がった。
 慌ててオーガスは消したけれど、ライが目覚めてしまった。

「ん…?オーガス?」
 暗闇の中、ライはオーガスの名前を呼んで、唇に痛みを感じる。――ライはブランケットを頭の上まで引き上げて、自分自身に言い聞かせる。

 オーガスの顔が一瞬、見えたような気がするのは、夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ

「ライ、その顔、」
「転んだんだ!転んだ!転んだだけだ!転んだんだよ!」


 ライが叫ぶ声は結界魔術に封じられて、隣の部屋には聞こえていなかったが、オーガスの結界魔術の動揺は伝わっていた。

「ぅぅんっ」
 すんなりと長い褐色の脚を開いた「そこ」を、ほぐしていた舌先が離れ、副寮長は、しなやかな腰を反らして、甘い声を上げ、かれた長い黒髪が、さらさらと流れる。
「やだ。やめないで」
 脚の間で、顔を上げるパートナーの頬を包み込む。
「結界が揺らいだの、感じなかったか?今なら、破れるかもしれない」
「やだ。ぼく以外のこと、感じないで」
「助けに行った方がいいよ」
 パートナーがとてもやさしくて、副寮長は、とてもうれしくなる。

 しまった腹の底を、副寮長は上書きしてもらいたくて、空間移動魔術で、パートナーを隣の部屋に連れ込んでいた。パートナーは、ライと副寮長の隣の部屋の寮生だった。
 明るい部屋で、机と2段ベッドの狭い間にブランケットを敷いて、副寮長はパートナーの「Strip脱いで」の命令コマンドで服を脱ぎ、パートナーの服を脱がせて、
『Presen見せてt』の命令コマンドで、両脚を開いた。

 魔術学校中等科生からの同級生で、その頃から、欲求不満の不調がひどいDomであるパートナーのために、プレイはしていて、大学生になり、そういう関係になった。

 入学当初は同室だったのだが、副寮長に任命されて、寮長のライと同室になった。
 部屋を移ることが嫌で、副寮長の任命を断ろうと思っていた時、パートナーが首輪を贈ってくれたのだ。


 魔術なんかで編み上げたんじゃない、彼の指が編み上げてくれた深紅の革の首輪。



 同性でプレイすることも、恋人になることも、婚姻も、王国では認められている。けれど、王族と貴族は、血筋を保つため、子をせない関係を忌避きひし、同性のパートナーがいたとしても、隠して認めない。


 パートナーが首輪を贈ってくれたのは、
「部屋が離れたって、だいじょうぶだよ」
 と、安心させるためだったが、二人の関係を公表する決意だったことも、副寮長は理解している。それでも、まだお互いの親に、二人の関係を話す決心はついていない。


 東寮の寮生と西寮の寮生が、寮長たちの関係に気付いていながら、知らんふりを続けているのは、二人が仲の悪いふりをしているせいだろうかと、副寮長は思う時がある。

 東寮の寮長だから。西寮の寮長だから。それだけじゃなく、二人が自分たちの関係を認められない理由があることを知っている寮生たちの、無意識の思いやりなのではないだろうか。

 副寮長はパートナーに言った。
「ぼくたちじゃ助けられないと思う」
「それは、」
 副寮長は長い褐色の両脚で、パートナーの背中を引き寄せ、自分のそこに唇を当てさせた。
「んぶっ」
 突然、そんなことをされて、パートナーは声を上げたが、ぬちゅぬちゅと音を立てて、舌先で副寮長のそこをほぐす続きを始める。


――どれほど心配しても、できることは自分たちには何にもないことを、わかっていた。
 里帰りから戻った寮長ライは、「転んだ」と言い張った。
 ライは運動神経が、どちらかといえばにぶい方であったが、転んで手もかずに、顔の全面をケガするほど、どんくさくはない、と思う。
 そう思っても、東寮の寮生の誰も「本当のこと」を、ライに聞けなかった。


「そこぉ、舌で溶かされるの、好きぃ、大好きぃ、」
 副寮長は声を押し殺す。舌先で押し開かれる、というよりは、溶かされるように解されるのが、副寮長は大好きだった。
「ねえ、挿入れて。ここ、突いて」
 副寮長は、腹の底に両手を重ね合わせる。両手を重ね合わせたすぐ下には、自身の艶やかな褐色の物が先端から雫を垂らして、勃ち上がっていた。

 副寮長の脚の間からパートナーは起き上がり、眺めた。
 濃い褐色の肢体。長い手足。長い黒髪。美しい彼を飾る、自分が贈った深紅の革を編み上げた首輪。

 パートナーの物も、先端から雫を滴らせて、ブランケットに染みを、ぽたぽたと落としていた。
 パートナーは、副寮長に覆いかぶさり、そこに、ひたんと、熱くてぬるぬるした先端を当てた。けれど、当てただけで、挿入れてくれない。

「フェブ」
 副寮長は、パートナーの首に両腕を掛けて、名を呼んだ。
Comeおいで、ユアリィ」
「いじわるっ」
 副寮長――ユアリィは長い両脚を、フェブの腰に絡み付かせて、腰を上げ、自分の中へフェブの物を挿入れてゆく。

「大きぃい、熱ぃい、硬ぃい、」
 もう何度も挿入れているのに、フェブの物の大きさと熱さと硬さに、いつもユアリィは体が震えてしまう。

 一生懸命、ユアリィが腰を上げても、腹の底までは届かない…

「もっとぉ、もっとぉ、もっとぉ、」
 ねだって声を上げるユアリィの両足が絡み付く自分の腰を、フェブは沈め、ユアリィの中に自分の物を深く埋め込む。
「ぅくっ、」
 腹の底を先端で突かれた瞬間、快感が脊髄を駆け上り、脳天へ突き抜ける。
「ユアリィ、『ここ』、好きだよね?」
 ブランケットの上にユアリィを強く押し付け、フェブの全体重と全力を込めて、腹の底に激しく突き入れる。

「はくっ、っく、ぅくっ、くぅっ、んくっ、」
 ぶぢゅっ、づぢゅっ、ぢゅづっ、どぢゅっ、ずぢゅっ、
 こすれる濡れた音を立てて、突かれるたび、ユアリィの物は精を放ち、「ここ」までフェブの物が挿入はいっている自分の腹を汚している。

 フェブは笑う。
「俺のちんこの先、ちゅっちゅっ、吸い付いちゃって、そんなに好き?」
「ぁふっ、ぅんっ、ふぁっ、ぁんっ、ぁあっ、」
 綺麗な青い瞳孔ひとみを見開き、涙をこぼしながら、ユアリィは甘やかな声を上げるばかりで、中はろけるように熱く、Subサブ Spaceスペースに入ってしまっている。

 フェブは命令した。
Say言って、ユアリィ」
「出して、ぼくの中、いっぱい、フェブの精子、ぼくのお腹、いっぱい、出して、」
 ユアリィの体も心も支配して、フェブは体を震わせて、精を幾度も放った。
 フェブに体も心も支配されて、ユアリィは、しあわせに微笑んだ。
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