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第三章 恋愛編

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ロイドは大きな深呼吸をひとつすると何かを堪えるように天を仰ぐ‥


「わかった‥‥‥
今日のことは忘れるから‥

でもアル‥‥‥俺の気持ちは忘れないでほしい…」




アルはロイドの言葉にコクンと頷く‥‥


そして二人は無言のまま家の前までくるとおやすみの一言だけをかわし別れをつげた‥‥‥





家に戻るとティムが真っ先に聞いてくる


「アル遅かったな!兄ちゃんと仲直りできたのか!?」


「‥っ‥//」

‥仲直り以上のことをしてしまった……


アルは再び自己嫌悪に陥る‥


「仲直りできなかったのか!?」


黙り込むアルを気にかけティムは心配そうに聞いてくる
仕方なく、アルは笑顔を無理に作った


「大丈夫!何だかお互い変な誤解してたみたい‥‥仲直りはできたから
ティムも心配かけてごめんね」


「なんだそうか!?
それならよかった!!

じゃあオイラ達はもう部屋行くからな」



‥あ、‥‥そうか…
気にかけて待っててくれたんだ‥‥‥


「皆ありがと‥‥
心配かけてごめんね!」


ティム達が部屋に入るのを見送ると何故だかユリアだけがその場に残っている…




「‥ユリアはまだ部屋にいかないの?」


アルが話しかけるとユリアは急にニヤニヤしだした


「何‥その顔は?」


「アル達どこ行ってたの?」

「‥っ‥ど、どこって公園で話ししてたって‥」


「うっそ~ん?
ねぇねぇ。
ティーセット置いてどこ行ってたの?」


‥ティーセッ?‥あっ、忘れてたっ…



ユリアに言われて思い出したアルは慌ててティーセットを取りに行こうとする。ユリアはそんなアルの服の裾を掴んだ。

そしてユリアはキッチンを指さした


「さっき遅いから迎えに行ったら公園には居なかったも~ん」


「……っ!?…」


ユリアの指さした方に目をやると公園に置いてけぼりを喰らったティーセットがある

そしてユリアは狼狽えるアルに更に追い討ちをかけた

「アル‥
おっきい蚊に血ぃ吸われちゃったの?‥‥ニヤ‥」


意味深な笑みを浮かべ、自分の首をチョンチョンと指差しながら指摘するユリアにアルは慌てて自分の首を隠した


「他にもいろんなトコ吸われてたりしてぇ~…なんてね!」


「…っ…///…な、なに言ってっんの!?」


ユリアは何かを思い出したように真っ赤になるアルを背に一言だけ残して部屋に入っていった‥‥‥






‥アル‥‥



ロイドは自室のテーブルに腰掛け一枚の絵を見つめていた…

疼く胸を押さえながら愛しい人のことを考える‥

目を閉じればさっきまでのアルの体温が思い出され、体が熱くなった。




‥‥‥欲しくて堪らなかった‥‥‥




気持ちを伝えただけで感情が高ぶった‥‥

やっと想いを伝えられたのに‥‥‥‥
あの後もアイツは俺と目を合わせなかった‥‥‥

正直、明日もアルに避けられたら俺は‥‥

‥‥‥でも、そんなことに怯えて距離を置いたら又、同じことの繰り返しになっちまう‥‥



体中に残るアルの感触‥そして、耳に残る切ない声‥
自分の愛撫で激しく乱れる呼吸も全部が愛しい!


‥‥アル!愛してる!!

絶対に誰にも渡したくない!触れてほしくない!!


お前を想うだけでなんでこんなに苦しい!?


不安でしょうがない!!


くそっ!!意地を張っても上手くいかない!
気持ちに素直になっても上手くいかない!!

自分の気持ちがコントロールできない!!



ロイドは自分自身に苛立ちを覚え頭を抱えた



アルに会えなかっただけですごく辛かった…
あんな思いは二度とごめんだ‥

ロイドは瞳を閉じてアルのことを想った…

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