初心者女子

nim

文字の大きさ
2 / 22
第一章  吸収期女子編

第二話  準備

しおりを挟む
目が覚めて、はや二ヶ月・・
約二年、動かなかった身体のリハビリを毎日せっせとこなす毎日

初めはおぼつかない足取りだった僕も、今は歩く程度な一人で出来るようにまで回復した

ふと、リハビリホールの大きな姿見鏡に目をやる


スラッとした手足に日を浴びていないせいか、透き通るような白い肌
シュッとした眉に吊り目がちでクリっとした瞳が、今のセミロングの髪によく似合っている

・・・

完全に女子だ・・・


目が覚めた日の午後、僕は病院の先生から自分の体に起こった症状を説明された

起きた頭で何を言っているかわからないところが多かったが、すぐに理解出来たことは

僕は、生物学的に女性だった
病名は【性分化疾患】
という事・・

今は落ち着いて思い返せるが、聴いた当時は気が狂いそうだった
だって・・14歳になるまで自分は男だと信じて疑わなかったから・・・
おまけに寝ていて、知らない間に年齢が16歳になっている・・・

これからどうしたらいいのか・・

途方に暮れたが、周りの助けもあり今の状況まで来れる事が出来た

ただ、問題も山積みだ、まずは僕は学校へ行っていない、しかも受験という人生の山場を寝て過ごしてしまった為に、高校に行けていない
ただ有り難いことに、智秋がいつの間にか作った彼女が理解者で、毎日夕方になると勉強を教えに来てくれる
同年代で、三水紗良さみずさらと言う彼女はどうやら大学教授の娘のようだ
人間生物学が専門の父親の影響で、僕のこともすんなり受け入れてくれた
「みんなで同じ高校行こうよ!」とか張り切っている

もう一つは、身体の変化
先生の話によると、僕の身体は不幸中の幸いか、生殖機能が女性としてしっかり備わっているそうだ
なので子供も産めると言っていた
それもかなり衝撃だったのだが、一ヶ月前だっただろうか・・・
お腹の下辺りの激痛で気が飛びそうになったことがあった
あまりの激痛に、お母さんに助けを求めたらアッサリと言われたこと・・

「当たり前じゃない?あなた女の子でしょ?それは生理ってやつだね、そんな事で助け呼ばれても毎月これこらくるんだから、慣れなさい」

この痛みが毎月・・
有り得ない・・・
初めてでこの痛み、毎月あったら死んじゃうよ、とか叫んでみたけど、その時のお母さんはどこか嬉しそうな顔をしてた・・

だけどそんな事は小さくもないけど、慣れればいいだけだ、もっとこの先乗り越えないと行けない事・・

それは紗良が放った言葉

「やっぱり千秋は美人よね~、外出たら何人振り向くかな?楽しみ~!」

とか言ってた事・・
そうか・・
見る立場から、見られる立場になるのか・・・
すでに耐えられそうもない・・

病院内で歩いていても、誰かに見られる視線は感じていた・・
始めは僕が患者だから、関係者が見守ってくれてるんだくらいにしか思わなかったのだが、この間お母さんに連れられてでた病院の庭

院内より人がいて、病院では見かけない人もいた
お母さんは気にしてないようだったが、すれ違うたびに、私に向けられている男の視線をひしひしと感じたのだ

身を持って経験したことで、あれから一度も庭には出ていない
お母さんからは何故かしつこく散歩を誘われるが、丁重にいつも断っている


「はぁ~・・・先が思いやられる・・」

深いため息をつき、自分の身に起こったことを少し呪った

「おーい千秋~!」

リハビリで疲れたから、窓際のベンチに腰掛けたところで、紗良がやってきた

「今日は早いね?どうしたの?智秋はまだ見かけてないよ?」

いつもより早い紗良の登場に、少し身が引き締まる

何故かと言うと高校の夏休み前に、私の編入が認められて、晴れて七月の半ばから高校生になることが決まったからだ
もちろん、紗良や智秋が通う同じ高校
県内でもなかなかの上位校で、編入試験は地獄だった
元々頭は悪くないから、紗良のマンツーマンの勉強のおかげで、どうやら高校二年生程度の学力がついていたみたい
事情が事情だけに、学校側も対応に苦労したみたいだが、良心的な判断をしてくれて嬉しい限りだ

「今日の目当ては智秋じゃないよ?わかってるくせに・・それより千秋!初登校は7月15日で決まったよ!」

嬉しそうに僕の手を握ってブンブンと振ってくる

「ちょ・・そこまで喜ばなくてもいいよ
そうか~僕が高校生か~」

しみじみと天を仰ぎながら神に感謝をする

「あっ!僕はダメだって言ったじゃん?千秋は女の子のでしょ?いい加減直さないと!」

そう言われて無理やり現実に戻される

「そうだっけ?いいじゃん僕でも・・それともボクの方がいい?ボクっ娘でも目指すかな?」

面倒臭くて紗良の注意を適当に流してやる

身体が変わったんだから、これくらい許してよ・・

「まぁいいわ!千秋!今日から初登校の日までみっちり女の作法を教えてあげる!覚悟しなさいね!」

女に作法なんかあるの?と思ったのもつかの間、ボクは紗良に引っ張られるように病室へ連れて行かれた



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

清掃員と僕の密やかな情状

MisakiNonagase
恋愛
都心のオフィスビルで働く会社員の26歳・高城蓮(たかぎれん)。彼の無機質な日常に唯一の彩りを与えていたのは、夕方から現れる70歳の清掃員・山科和子だった。 青い作業服に身を包み、黙々と床を磨く彼女を、蓮は「気さくなおばあちゃん」だと思っていた。あの日、立ち飲み屋で私服姿の彼女と再会するまでは――。 肉じゃがの甘い湯気、溶けゆく氷の音、そして重ねた肌の温もり。 44歳の年齢差を超え、孤独を分かち合った二人が辿り着いた「愛の形」とは。これは、一人の青年が境界線の向こう側で教わった、残酷なまでに美しい人生の記録。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...