ゾンビ世界侵略

みかん

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三話 初めての任務 病院

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 浩は十九歳になった。
 軍隊の中の一つのグループに配属された。
 グループは五人で構成されており、浩のほかに四人いる。
 上中正樹、細窪司、森崎春人、七瀬隆義だ。
 全員十九歳だ。

 三日後、浩たちのグループの出撃命令が来た。
「お前ら! 準備をしろ!」
 五人は準備が完了した。
「任務はゾンビの数を減らすこと。そして物資を取りに行くことだ」
 司令が声を張って言った。
 正樹が車を運転してその目的地に向かった。
 車にはゾンビ用の仕掛けがなされている。
 基地を出るとゾンビが車に集まってきた。
 ゾンビが群がってくるのは予測済みだ。
「喰らえ!」
 正樹が言った。
 車の前面に針が出た。
 ゾンビを車で轢いて針にゾンビが刺さっていく。
 車は轢いた衝撃に耐えられる特別仕様だ。
 目的地は基地の一キロ先にある病院である。
 病院の駐車場に着いた。
 駐車場はゾンビの数が少ない。
「よし! 車を出るぞ!」
 司は言った。
 五人は車を出た。

 周りのゾンビを銃で倒していく。
 銃にはサプレッサーが取り付けられている。
 発砲音でゾンビが群がるリスクは少ない。
 病院の中にもゾンビが複数いた。
 銃で倒していく。
「ここに薬品があるぞ」
 春人は受付の裏に薬が並んでいるのを見つけた。
 薬をバッグに詰めていく。
 任務、生きるためとはいえ、やはり悪いことをしているような気持ちは拭えない。
 五人、一塊になり、離れないように行動する。
 薬をバッグに詰め終わった。
 廊下を先に進んでいく。
 廊下にも何体かゾンビがいた。
 部屋をみつけた。
 扉は閉まっている。
 扉の上には病室と書いてあった。
「せーので開けるぞ」
「せーの!」
 司は扉を開けた。
 鍵は閉まっていなかった。
 そこには五つのベッドがあった。
 奥にカーテンが閉まっており、もう一つ、ベッドがあるのが確認できた。
 奥まで進む。
 ベッドが少しずつ見えてくる。
 そしてベッドの上に何かあるのが見えた。
「なんだ?」
 人の足だ。
 五人は銃を構えてベッドの上を見た。
 そこには体右半分が無くなった遺体があった。
 患者さんがゾンビにやられたのであろう。
 司は手を合わせた。
 一通り、包帯など使えそうなものを集めた後、廊下を出て先に進んだ。
 大きな扉を見つけた。
 扉の上の文字はかすれており何と書いているのかわからなかった。
「入るぞ」
 扉を開けようと司は手をかけた。
 扉は重い、三人がかりで扉を開けた。
 中を見てすぐ何の部屋か分かった。
 そこは手術室であった。
 中にゾンビはいない。
 手術台の上も特に何もなかった。
 手術室の中を見て回っている、その時だった。
 突如機械の音が鳴り響いた。
「なんだ!?」
 なぜ音が鳴ったのかはわからない。
 音に反応し、ゾンビが集まってきた。
「走れ! 病院を出るぞ!」
 隆義は声を荒げて言った。
 五人は走って目の前のゾンビを倒しながら病院の外へ出た。
 車の周りに、ゾンビが群がっている。
 五人はアサルトライフルで倒していく。
 弾薬が切れた。
 拳銃に、持ち替えて倒していく。
 数が減少して間が空いたその隙に五人は車に飛び乗った。
「出るぞ!」
 基地に戻るため車を発進させた。
 う"ーーー
 車の後ろで妙なうめき声が聞こえた。
 車のカーゴスペースからゾンビが飛び出してきた。
 ゾンビは司に襲い掛かった。
「うわぁあああ」
 司がゾンビにかみつかれる……その直前に浩が拳銃でゾンビの頭を撃った。
 ゾンビの動きは止まった。
 気味が悪くなり、窓を開け、そこからゾンビを外に投げた。
 無事、五人は基地に戻った。
 基地の切れかかっていた薬品の数が補充された。
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