打倒!魔物討伐

みかん

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最終話

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「政府のところに行くにはどうしたらいいんですか?」
 ハーライは聞く。
「どうやら、政府の中にはトップがいるらしい」
 政府批判機関のリーダー、モンローは言う。
「トップ?」
「あぁ」
「どういうことですか?」
「政府は色々俺達に対して取り決めを行っているだろ?」
「はい」
「どうやらそれはトップ、一人だけで決めているようなんだ」
「一人だけで?」
「あぁ」
「でもどうして政府の人はそのトップの言うことを聞くんですか?」
「破ればすぐに処刑されるからな……まさに独裁だな」
「この情報もスパイとして潜入しているときに?」
「あぁ……」
「すごいですね……」
「じゃあ政府の場所も知っているんですか?」
「もちろんだ」
「だが準備が足りない」
「準備?」
「あぁ」
「どのような?」
「政府の場所まで行くにはたくさんの魔物がいるんだ」
「なるほど」
「たどり着くまでには戦力が必要になる」
「……それなら任してください!」
 ハーライは言う。
「頼もしい仲間がいます」

「―――ということなんだ。協力してくれるか?」
「もちろん!」
 セテチーたちは事情を聞き、うなづく。
「なんのために今まで訓練してきたと思っているんだ?」
「行くぞ!」

 政府のトップを倒すための準備が整った。
 目的地までの行路は皆の頭に入っている。
 舗装されていない、荒れた土地を進んでいく。
 見たことのない土地。
 本当に合っているのか、不安になってくる。

 歩き始め二日ほど経ったときだった。
 初めて野生の魔物が現れた。
 その時、魔物の存在を久しぶりに皆は思い出した。
「くっ」
「なかなかに強いな……」
「なんだか街で出た魔物より強くなってないか」
「ああ、そうだな」
「怯むな! 目的地まであと少しだ!」
「一気に突破するぞ!」
「はい!」

 それからも何体もの魔物に遭遇した。
「……やっと……たどり着いた……」
 ハーライは言う。
「おい! 出てこい!」
 リーダーは言う。
「……よくここまでたどり着いたな」
 どこからか声がする。
「お前らの行動はすべて見ていたぞ」
「なかなかやるな……だが……」
 すると目の前の遺跡がゆれ、崩壊し始めた。
 そして、声の主、政府機関のトップがハーライたちの前に現れた。
「お前が……ボスか……」
 モンローは言う。
「俺の敵にはならない!」
 ボスは言う。
 その時だった。
「ぐわぁ!」
 カーラス先生の声が響く。
「カーラス先生!」
 四人はカーラス先生の方を向く。
 カーラスは遠くへ吹き飛ばされている。
「お前ら四人はこいつと戦え!」
 政府批判機関のメンバーは言う。
「カーラスは俺達に任せろ!」
「くっ」
「先生の受けた傷を無駄にはできない!」
「行くぞ! みんな!」
 ハーライの掛け声とともに、トップの方へ四人は突撃した。

「そういえば……俺の名がまだだったな」
 政府機関、『トップ』は言う」
「俺の名は、サンスだ」

「くっ……」
 四人は後ずさる。
「弱い……弱い弱い弱い!」
 サンスは叫ぶ
「なんだ? 仲間の力があれば勝てるとでも思っていたか?」

「考えが甘いな……」
「ため息も出ない」
 その瞬間、ハーライの体が後ろへと飛ばされる
「ぐわぁ!」
「ハーライ!」
「おい、てめぇ!」
「フッ」
「な……」
 セテチーの体が宙に飛ぶ。
「グッ」
「セテチー!」
「哀れだねぇ」
「力が弱ければ何も成し遂げられない」
「お前は……なんでこんなことができるんだ?」
 ガラッタは言う。
「ふっ……お前らがなんでずっと気弱で、何も変えることができないかわかるか?人を信じるからだよ」
 ガラッタは黙り込む。
「余計に……友情とか、いらない無駄な情を! もつから……! 邪魔が入って負けるんだ!」
「くわぁ!」
 ガラッタの体が吹き飛ぶ。
「く……」
「無様だ……」
「もういい……ここで消えろ……」
 サンスはガラッタに手のひらを向ける。
 サンスが攻撃を放つ。
 強い光がガラッタに迫る。
「くっ……」
 ガラッタは地面に目を向ける。
「……何だ?」
 サンスが叫ぶ。
「先生!」
 ガラッタは言う。
 目線の先にはカーラス先生が立っている。
「この世にいらない情なんて……ない!」
 カーラスは叫ぶ。
「まだ生きていたか!」
 サンスは言う。
「だぁ!」
 カーラスは後ろへ飛ばされた。
「先生!」

「……よくも……先生を……」
 ガラッタはいう。
「もういい……終わりだ!」
 サンスは攻撃の構えをする。
「なっ!?」
 攻撃を放ったが攻撃がかき消された。
 砂煙とともに、姿を表す。
 ハーライとセテチーだ。
 セテチーのガード魔法は今まで見たことがないくらい分厚くなっている。
「お前ら……いくぞ」
 ハーライは言う。
 その声には怒りの感情が混ざっているように、ガラッタには聞こえた。
「あぁ」
 セテチーは言う。
 ガラッタも立ち上がる。
「何だ?」
 サンスは状況を把握しきれていない。
「はぁ!」
 ハーライ、セテチー、ガラッタは同時に攻撃を構える。
「ふっ……結局単純な同時攻撃か……」
 サンスはいう。
「こんなものこれで簡単に……」
「なっ!」
 ただの同時攻撃ではない。三人の魔法が融合している。融合は胆汁な掛け算ではない、威力は累乗される。
「はぁあああああ」
 攻撃の威力がましていく。
「まずい! 破られ!」
 サンスは焦る。
「はぁあああああああ」
「はぁあああ!」
「くっ!……ぐわぁああああ!」
 ガードが割れると同時にサンスの体は朽ち果てた。

「……やった……か?」
 ハーライはひどい砂煙に咳き込みながら言う。

「やったぞ!」
 セテチーは喜ぶ。
「先生! 先生!?」
 後ろからヘレンの声がする。
「早く! 処置を!」
 ガラッタは言う。

 政府批判機関の医療担当、カナタは応急処置を試みる。
 倒れたカーラスの脈を測る。そして、首を振った。
 セテチーはその場で膝から崩れ落ちた。
 その場では砂煙とともに、ハーライたちの泣く声が響き渡った。

 それから一年たった。
 魔物の影響がなくなったことにより、建物の復旧も終わり、時代も進みつつある。
 今日は、カーラスの命日である。
 四人はカーラスの墓の前に来ていた。
「……ありがとう……先生……」
 ハーライは言う。
「僕達は先生から学んだことを絶対に忘れないよ……」
 セテチーは言う。
「自分と他人との関わり方を……ね……」
 ガラッタがそう言ったあと、四人は目を閉じ、静かに手を合わせた。
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みんなの感想(1件)

2025.01.25 ユーザー名の登録がありません

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2025.01.25 みかん

ありがとうございます!
頑張ります!

解除

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