感染恐慌

みかん

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親友の死

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 つとむが死んだ。
 今、勉の葬式が行われている。
 その葬式の席の中に勉の大親友であった、健二けんじの姿もあった。
 健二は勉、親友の死にまだ実感がわかずにいた。
 健二の目から涙が流れることはなかった。
 数時間後、葬式が終わった。
 葬式が終わり、健二は自宅へと帰った。

 健二はあまり頭が働かず、茫然としたまま、スマホを開いた。
 スマホの中には、勉との通話履歴が複数件表示されていた。
(もう、連絡しても誰も出ない)
 そんな考えが急に健二の脳内に現れた。
 その時だった。
 一瞬にして健二は、勉が死んだという実感が体中へと駆け巡った。
 勉の死による影響を理解したからだろうか、今まで呆然として考えていなかった分を取り戻すかのように悲しみが止まることなく沸いてきた。

 勉の死因は不明だった。自宅で倒れているのを勉の親が発見し、病院へ運ばれたが、その場で死亡が確認された。
 その後、警察の捜査も入ったが、不明のまま、捜査は終わってしまった。
 勉の両親も、死因はわからず、泣き寝入りしている状態らしい。
 葬式で健二が両親の姿を見た時も、まだ現実を受け止め切れていない様子が一目でわかる状態だった。
 
 勉は健二にとってたった一人の親友であった。
 健二はそんな親友の死因も自分で解明することができない無力さに泣きそうになっていた。
(このままでいいのか?)
 健二は自分に問いかける。
 自問自答を永久に布団の中で繰り返しているうちに、健二は決意した。
(僕が勉の死因を解明する)
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