25 / 31
TIPS/コ タ エ ア ワ セ
TIPS 4
しおりを挟むそんな疑問よりもまず口にしなければならない事があった。カラカラの喉で、必死に文字を、空気の振動に乗せて捻り出す。
『…アイツが…いなくなった…』
本当は、その表現だと、正解は半分だけだった。
◆◇◆◇◆
昨日のあの様子だと風邪引いてても来そうな感じだったし、さすがに不安になった。
先生は休んだ理由を知っているだろう。思い切って隣のクラスへと向かう。先生は…いた。
隣のクラスに入るというちょっとした緊張を感じながら、先生に挨拶をして本題を切り出した。
『先生、あの…』
◆◇◆◇◆
責められる覚悟はしたつもりだった。私が傷付くのは耐えられる。
でも、おばさんは何の覚悟も出来ていない。
そんな人をきっと傷付ける事になる。
…それがとてつもなく恐ろしかった。
「はーい。あら桃ちゃん、どうしたの…って、なにその顔!? えっ、血!? やだそのオデコどうしたのよ!!?」
『あ、あの! おばさん、それよりも…その…』
私は、意を決して紫音のメガネを見せた。
『あの、その…、し、紫音が…紫音が…!』
◆◇◆◇◆
「「「 ───それ、誰の事? 」」」
(《TIPS 4 【B】【R】【P】/コ タ エ ア ワ セ》へ続く)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる