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学園編
160. 魔眼の能力
魔眼とは何か。
いまは、魔眼の子に何が見えて、何が見えないのかを確認する実験の真っ最中。
ちなみに、オレが勝手に「魔眼」と言っているだけで、その能力に名前はない。フェゴの言葉を借りるなら、祝の能力かな。
魔眼の子の前には、二枚の同じ柄の絵が描かれた紙が置かれている。
「この二枚の絵に違いはありますか?」
「こちらは、この部分の線だけ盛り上がって見えます」
「おお、見えるのか」
「そこだけ、普通の絵ではなく魔法陣と同じ魔力を込めた描き方です」
正確に魔力が込められた線を指でなぞる魔眼の子に、教師たちが感嘆の声をあげた。
次はポーション。
「この二つには、何か違いがありますか?」
「右のほうが、すこし色が濃く、瓶の中で動いているのか揺らいで見えます」
「ではこちらはどうですか?」
「二本目と同じようですが、そちらはポーション自体が光っています」
「二本目は魔力をたくさん込めたポーション、三本目は特殊なポーションです」
マダム先生が、ちらっとウィオに目をやった。
輝いて見えるのは、少しだけ混ぜたオレの神力だろう。これはウィオとマダム先生しか知らない実験内容。記録にも残さないと決めている。
「やはり、魔力が見えているようですね」
「魔力の量や質で見え方に違いはあるのか?」
「そこは時間をかけて、詳しく調べたいな」
紹介されたときにはあまり興味を示していないように見えた教師たちが、いまは魔眼の能力を解明しようと意気込んでいる。身を乗り出して、見え方の違いを質問している教師に、魔眼の子が少し逃げ腰になっているから、ほどほどにね。
ちょっと試したいことがあるので、机に飛び乗ってふわふわの尻尾を動かすと、実験結果が書かれた書類がばさばさと床に落ちた。机の上に置かれた紙が、突然宙を舞ったことで、注目が集まる。
「あらら」
「手伝います」
マダム先生と魔眼の子が床に散らばった紙を集めている目の前を、抜き足、差し足、忍び足。紙を踏まないように、だけど視界に入るところを、うろうろ、ちょろちょろ、ふりふり。
「ルジェ、何をしている……」
『キャン』
オレの加護があるウィオには見えているけど、マダム先生や魔眼の子には、オレの姿が見えていない。
ウィオの肩に乗って透明化を解いてから、ネタばらし。
『オレの魔法も見破られると思われてたみたいだから、実演しただけ。本気になれば、見えないでしょ』
「そのようだな」
マダム先生がオレを見て、少しだけ目を細めた。そんなふうにしなくても、今はちゃんとみんなに見えてるよ。
「もしかして、イタズラしたのルジェちゃん?」
『キューン』
イタズラではないのだけど、注目を集めるためにやったのはオレ。ごめんね、マダム先生。
「今回予定している実験は、以上です。カミラさん、ありがとうございました」
「学科長、今後追加で確認をすることはできますか?」
「カミラさんは明日王都に戻られますので、いずれ機会があれば」
「ぜひ作ってください」
「公表したばかりですから、しばらくはゆっくり休ませてあげましょう」
細かい違いが見えるのかなど、まだまだやりたい実験があると教師は乗り気だが、これ以上は魔眼の子が疲れてしまう。
マダム先生は魔眼の子の気持ちも考えて、未知のことを解明することへの情熱を前面に押し出す教師をいさめている。頼りになる学科長だ。
「カミラさん、この結果は魔術塔にも伝えます。模様に交ぜた魔法陣は見破ることができると分かりましたので、あちらから質問があるかもしれません」
「は、はい……」
「無理を言われたら、『学園のゴベールに聞いてほしい』と言っていいですからね」
すでに部屋の隅で魔法学科の教師が、魔眼の子に見破られない隠ぺいの仕方を議論しているけど、この能力は権力者にとっては脅威だ。
『王宮の防御魔法も見破れちゃう?』
「どこに魔法が施されているかは、近衛騎士にもすべては公開していないと聞いたことがある。魔術塔の所属にしないと、どれが見えるのか聞くこともできないだろう」
『ってことは、将来が決まっちゃった?』
「おそらくな。だが公爵家がついているから、無理は言われないだろう」
公爵家の縦ロールお姫様の友だちだから、妹に甘いあの次期公爵が、魔眼の子のことは守ってくれる。ウィオやマダム先生もいるし、使い潰されるような未来にはならない。
そう思いたいけど、フェゴの滅んだ一族っていうのがちょっと不穏なんだよね。そこは、王子様の情報待ちかな。そして、魔眼の子の狙われた理由もまだ分かっていない。誘拐をそそのかしたのがどこの国の人なのかもわからないから、調べようがないのだ。その用意周到さが不気味だ。
オレたちが魔眼の子の将来に思いをはせているあいだも、教師たちは魔眼の子を取り囲んで質問攻めにしている。か弱い少女を寄ってたかっていじめているみたいに見えるよ。
「先日王都にドラゴンが現れたらしいが、見たか?」
「遠くから少しだけ」
「君の目にはどう映った?」
「ドラゴンのいるあたりの空気が震えているように見えました」
「色は?」
「遠すぎて、ただ光っているとしか見えませんでした」
やっぱりみんなドラゴンには興味津々だ。「見てみたい」と口々に言っている。
実はすぐ近くに鱗があるんだけど、それは教師たちには知らされていない。そのうち実験に使うなら知らせる必要があるけど、学園祭と入学試験が終わるまでは棚上げ中。
だけど、この様子だと教えないほうがいいかも。子どもたちの指導や仕事も放りだして熱中しちゃいそうだ。
------------
長らく間が空きましたのに、お読みいただきましてありがとうございます。
今後は一週間に一回の更新を予定しております。よろしければ、お付き合いくださいませ。
いまは、魔眼の子に何が見えて、何が見えないのかを確認する実験の真っ最中。
ちなみに、オレが勝手に「魔眼」と言っているだけで、その能力に名前はない。フェゴの言葉を借りるなら、祝の能力かな。
魔眼の子の前には、二枚の同じ柄の絵が描かれた紙が置かれている。
「この二枚の絵に違いはありますか?」
「こちらは、この部分の線だけ盛り上がって見えます」
「おお、見えるのか」
「そこだけ、普通の絵ではなく魔法陣と同じ魔力を込めた描き方です」
正確に魔力が込められた線を指でなぞる魔眼の子に、教師たちが感嘆の声をあげた。
次はポーション。
「この二つには、何か違いがありますか?」
「右のほうが、すこし色が濃く、瓶の中で動いているのか揺らいで見えます」
「ではこちらはどうですか?」
「二本目と同じようですが、そちらはポーション自体が光っています」
「二本目は魔力をたくさん込めたポーション、三本目は特殊なポーションです」
マダム先生が、ちらっとウィオに目をやった。
輝いて見えるのは、少しだけ混ぜたオレの神力だろう。これはウィオとマダム先生しか知らない実験内容。記録にも残さないと決めている。
「やはり、魔力が見えているようですね」
「魔力の量や質で見え方に違いはあるのか?」
「そこは時間をかけて、詳しく調べたいな」
紹介されたときにはあまり興味を示していないように見えた教師たちが、いまは魔眼の能力を解明しようと意気込んでいる。身を乗り出して、見え方の違いを質問している教師に、魔眼の子が少し逃げ腰になっているから、ほどほどにね。
ちょっと試したいことがあるので、机に飛び乗ってふわふわの尻尾を動かすと、実験結果が書かれた書類がばさばさと床に落ちた。机の上に置かれた紙が、突然宙を舞ったことで、注目が集まる。
「あらら」
「手伝います」
マダム先生と魔眼の子が床に散らばった紙を集めている目の前を、抜き足、差し足、忍び足。紙を踏まないように、だけど視界に入るところを、うろうろ、ちょろちょろ、ふりふり。
「ルジェ、何をしている……」
『キャン』
オレの加護があるウィオには見えているけど、マダム先生や魔眼の子には、オレの姿が見えていない。
ウィオの肩に乗って透明化を解いてから、ネタばらし。
『オレの魔法も見破られると思われてたみたいだから、実演しただけ。本気になれば、見えないでしょ』
「そのようだな」
マダム先生がオレを見て、少しだけ目を細めた。そんなふうにしなくても、今はちゃんとみんなに見えてるよ。
「もしかして、イタズラしたのルジェちゃん?」
『キューン』
イタズラではないのだけど、注目を集めるためにやったのはオレ。ごめんね、マダム先生。
「今回予定している実験は、以上です。カミラさん、ありがとうございました」
「学科長、今後追加で確認をすることはできますか?」
「カミラさんは明日王都に戻られますので、いずれ機会があれば」
「ぜひ作ってください」
「公表したばかりですから、しばらくはゆっくり休ませてあげましょう」
細かい違いが見えるのかなど、まだまだやりたい実験があると教師は乗り気だが、これ以上は魔眼の子が疲れてしまう。
マダム先生は魔眼の子の気持ちも考えて、未知のことを解明することへの情熱を前面に押し出す教師をいさめている。頼りになる学科長だ。
「カミラさん、この結果は魔術塔にも伝えます。模様に交ぜた魔法陣は見破ることができると分かりましたので、あちらから質問があるかもしれません」
「は、はい……」
「無理を言われたら、『学園のゴベールに聞いてほしい』と言っていいですからね」
すでに部屋の隅で魔法学科の教師が、魔眼の子に見破られない隠ぺいの仕方を議論しているけど、この能力は権力者にとっては脅威だ。
『王宮の防御魔法も見破れちゃう?』
「どこに魔法が施されているかは、近衛騎士にもすべては公開していないと聞いたことがある。魔術塔の所属にしないと、どれが見えるのか聞くこともできないだろう」
『ってことは、将来が決まっちゃった?』
「おそらくな。だが公爵家がついているから、無理は言われないだろう」
公爵家の縦ロールお姫様の友だちだから、妹に甘いあの次期公爵が、魔眼の子のことは守ってくれる。ウィオやマダム先生もいるし、使い潰されるような未来にはならない。
そう思いたいけど、フェゴの滅んだ一族っていうのがちょっと不穏なんだよね。そこは、王子様の情報待ちかな。そして、魔眼の子の狙われた理由もまだ分かっていない。誘拐をそそのかしたのがどこの国の人なのかもわからないから、調べようがないのだ。その用意周到さが不気味だ。
オレたちが魔眼の子の将来に思いをはせているあいだも、教師たちは魔眼の子を取り囲んで質問攻めにしている。か弱い少女を寄ってたかっていじめているみたいに見えるよ。
「先日王都にドラゴンが現れたらしいが、見たか?」
「遠くから少しだけ」
「君の目にはどう映った?」
「ドラゴンのいるあたりの空気が震えているように見えました」
「色は?」
「遠すぎて、ただ光っているとしか見えませんでした」
やっぱりみんなドラゴンには興味津々だ。「見てみたい」と口々に言っている。
実はすぐ近くに鱗があるんだけど、それは教師たちには知らされていない。そのうち実験に使うなら知らせる必要があるけど、学園祭と入学試験が終わるまでは棚上げ中。
だけど、この様子だと教えないほうがいいかも。子どもたちの指導や仕事も放りだして熱中しちゃいそうだ。
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