【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第2章:ルクシアの森と奴隷暗殺者編

第9話:女神との交信・ラズベリー編

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 チュンチュンチュン……。
 朝、小鳥の声を聴きながら、俺は目覚めた。
「三人目か……」
 隣で静かな寝息を立てるクールビューティ、ラズベリーを見ながら呟く。
 異世界に転生されて今日で一ヵ月ほど経っただろうか。
 元の世界で非モテ童貞だった俺は、三人目の彼女ができ、三人目の朝チュンを迎えていた。

『あのー、レオさん? 確かに、エンジョイしちゃえとは言いましたけど、ペース早くないですか? 前回の交信から、まだそんなに経ってないですよ? 転生して一月足らずで三人目ですよ? さすがに引くわー、女神メルヴィーナ、引くわー』
 アホ女神が頭の中で煽ってくる。
「自分でも節操のない男になったと思ってますよ。だが、仕方ないでしょう? 元の世界では彼女はおろか友達すらいなかった俺が、ここじゃあ、多くの出逢いがあり、好意を向けられて、我慢できるとお思いですか? 女神様」
『こやつ、開き直りおった……まあ、そうしろと言ったのは私ですし、実際、アルティナではイイ男にたくさん女性が寄ってくるのは普通のことですからね』
 俺のどうしようもない能弁に、メルヴィーナは少し考えこむように答える。
「にしても、モテすぎじゃないか? 自分でも、驚いているんだが」
 冗談はさておき、俺は女神に疑問を呈した。
『そりゃあ、一応『女神の加護』ついていますからね』
「女神の加護……? ああ、俺のプロフィールのパッシブ項目にあったスキルだな。どういうことだ? 異界人ってことを証明するためのものじゃないのか?」
『もちろん、概ね合ってますよ。厳密には『女神の加護』のパッシブスキルは転生によって生じる元の世界との齟齬を無くすものなのですよ』
「というと?」
『例えば、その世界の言語は正確には日本語とは全然違います。それでも、レオさんが他の住人と普通に会話したり、字が読めたりするのはこのスキルのおかげなのですよ』
 なるほど、元いた世界からここに転生して、コミュニケーションが全く取れなかったら、何もできない。
 最悪、野垂れ死にだ。
 それを防ぐための最低限の処置というわけか。
『あと、その人の持つ魅力を最大限に高める効果も持ちます』
「魅力を最大限に……? どうしてそんな効果をつける?」
『普通、人間は自分たちと違うもの『異端者』や『よそ者』を排除する気持ちがあります。あなたがいた世界でも、仲間外れとかあったでしょう』
「確かに、あったな」
『それを考えた上で想像してください。『違う世界から来ましたー』なんて言う人と出逢ったら、どう思いますか?』
「まあ、不審に思って、近づかないようにするよな」
『転生者は、そんな感じで普通は受け入れられません。最悪、怪しまれて殺されるかもしれません。だから、女神の聖典に『異界人は怖くないよ』と書いた上で、転生者自身の魅力を最大限に高めて、他者が好意的な感情を持ちやすいようにしているのです』
「なるほど……つまり、今までモテモテだったのは俺の力ではないと……」
『あわわわわ、ち、違います!! ショックを受けないでください!!』
 肩を落とす俺に対し、女神が言う。
『女神の加護の効果は、あくまでその人が『本来持っている』魅力を最大限に引き出すものです。まったくの悪人だったりすると、効果はありません。つまり、レオさんは元々の魅力がそれだけ高かったというわけですから! 自信持ってください!! ええ!! 転生後一月足らずで彼女が三人もできるくらいですもの!!』
 女神がこれでもかというくらい励ましてくる。
 にわかには信じがたかった。
 元の世界にいた時の俺と比べると雲泥の差だ。
「俺は、ただ……品行方正に生きてたいと思っているだけなのにな」
『人間、それを実行するのは、なかなか難しいことですよ……』
 なんだか、しんみりしてしまった。
『まあ、とにかくパッシブスキルの『女神の加護』は色んなスキルの要素を詰め込んだ、いわば転生者への餞別。お得パックなのですよ』
「ん? ということは、女神の加護はまだ他に何か効果はあるのか?」
『えっと……まあ、それなりには、あはは……でも、いちいち説明するのもめんどくさいので……』
「女神がめんどくさいとか言っていいのかよ……まあ、いいけど」
 少し、言いよどんだのが気になるが……。
「そうだ。もうひとつ質問があるんだ。パッシブというのは、後天的に増やすことができるのか?」
『はい! 道具屋に置いてある『技術書』を読めば、『魔導書』と同じで増やしていくことができます。中には、持っていると超お得なパッシブスキルもあるので、ぜひぜひ買うことをお勧めしますよ! パッシブだけじゃなく、武技など戦闘に使えるアクティブスキルも『技術書』で増やすことができます! まあ、アクティブスキルは各ジョブのレベルを上げていって覚えるのが普通なんですけどね』
 なるほど、活用しない手は無いな。
『まあ、とにかく! 三人目の彼女、おめでとうございます! この調子でバンバン増やしてハーレムを満喫してくださいませ! あっ、魔物や賊を倒すことをお忘れなく! それでは、ハブ・ア・ナイスライフ!!』
 女神の声が途切れた。

「誰かと話してましたか……? レオさん……?」
 目をこすりながら、ラズベリーが起き上がる
「いや、何でもない」
「そうですか……では、おはようございます……ちゅっ」
 ラズベリーが俺の頬に軽く口づけを落とす。
「紅茶を入れますね……」
「ああ、そうだ。これ、ラズベリーにあげるよ。酒場でずいぶん気に入ってたみたいだからさ」
 俺は余分に採取していた『黄色蜂蜜』の瓶を差し出した。
「いいんですか?」
「もちろん、そのために確保した分だからな。プライベートでも使うといい」
 複数の彼女を持つことには、もはや抗わない。
 だが、彼女にしたからには、その子は絶対に幸せにする。
 そう心に決めたのだ。
 釣った魚にもバンバン餌をやる所存である。
「ありがとうございます。では、早速、紅茶に入れてみますね」
「いいアイデアだな」
 二人で蜂蜜入りの紅茶をすすりながら、まったりと隣り合う。
「レオさん……私、レオさんに気に入ってもらえるように、彼女として、たくさん尽くします」
 決心したように宣言するラズベリー。
「ああ、ありがとう。よろしくな」
 俺は静かにその肩を抱いてやった。

 ラズベリーがギルドに仕事へ向かうのと同時に家を出て、俺は宿に戻る。
 女将さんは全てお見通しのようで「色男は大変だねえ」と言われた。
 三階にある、俺たちが泊まっている部屋に入るとリズが駆け寄ってくる。
「あっ!! レオ!! 朝帰りなんて、どこ行ってたのよ? 帰って来ないから心配したわよ」
 困ったような顔で迎えてくれるリズ。
「あ、ああ、ちょ、ちょっと……ラズベリーの家に……」
 正直に言う。
 元いた世界では許されない行為だったから、俺も未だにこういうのに慣れない。
「ラズベリーの家に……そうか……ぐぬぬ、ラズベリー……やはり、レオのこと気に入っていたか……前々からそうだとは思っていたけど……くっ、また第一彼女の座を争うライバルが増えてしまったわ……」
 リズが、なんだかブツブツ言っている。
「あ、あのー、リズさん?」
「なぁに? レオー、だーいすき!」
 ビビりながら声をかけると、不敵な笑みを浮かべて頬にキスしてくるリズ。
 異世界の常識は、やはり良い意味でぶっ飛んでいる。
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