【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第10章:ルクシアの町と女を忘れたギルド団長編

第14話:冒険者ギルド総団長とルクシアギルド団長

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「よし!!」
「やった!!」
 地に落ちたドラゴンゾンビの首を見て、勝利を確信する俺とハルカ。
 ——だが!
「いや、まだだ!! 手応えがなかった!!」
 スタークが苦い顔をする。
 首元にあったはずの水色の玉が無い。
 すると、今度は腐乱竜の尻尾付近が水色に光りだす!
「スターク! レオ君、ハルカ君!! ドラゴンゾンビから離れるんだ!!」
 カーネルが後方から指示を飛ばしてくる。
 それを聞いて、俺たち三人がドラゴンゾンビから距離をとる。
「どういうことだ!?」
「おそらく、首元の玉を、体内を通じて尻尾まで移動させたんだ……」
 俺の疑問に、スタークが答える。
「そんな……滅茶苦茶な!! こんなの、どうすれば……!!」
 ハルカが困惑の表情を浮かべる。
 腐乱竜の首元がもぞもぞと動き、新たな首が生え始める。
 クソ……!! こんなの、もう、どうしようも……!!
 そう思った瞬間——!!
「『ヘビーショット』……連発だよぉ~……!!」
 ドウン!! ドウン!! ドウン!! ドウン!!
 上空から爆弾のような弾丸が降ってきて、ドラゴンゾンビにぶち当たっていく!!
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアズ!!」
 すさまじい断末魔を上げながら、ドラゴンゾンビが燃え盛りながら暴れる!!
「あれは……ギンガとアリスさんか……!!」
 カーネルが上を見て、ニヤッと笑う。
 上空から落ちてきたのは、ダンディな白髪の老紳士と脇に抱えられて半泣きになってる赤髪の女の子。
 老紳士の右腕には巨大な大砲が取り付けられた籠手がはめられている。
 二人はそのまま、俺たちの目の前に降り立ってきた。
「ふぅ、何とか間に合ったみたいだねぇ……ね、アリスくん」
「馬鹿者ー!! グリフォンから飛び降りるとか、なんちゅうことしてんじゃー!! お、おしっこ漏らしそうだったじゃろーが!!」
「あっはっはっは、まあ、いいじゃない、いいじゃない。若いうちに色々と経験しておくもんだよ、アリスくん」
 愉快そうに笑う老紳士に蹴りを入れながら、抗議する女の子。
「さて、トドメ……刺さないとねぇ……!! 『ウィークショット』!!」
 老紳士が大砲筒を構えて、ドラゴンゾンビの尻尾に発射する。
 バリイイイイン!!
 尻尾で光っていた水色の玉が粉々に砕け散った。
「あ、あの……あなた達は、いったい?」
「ああー、君がレオくんだね~? 噂は聞いてるよー、適正SSSが二つの見込みある冒険者って。僕はギンガ。冒険者ギルドのー、総団長やってるオジサンだよ」
「私はアリス。ここルクシアとアルバイン王国王都で冒険者ギルドの団長をしている者なのじゃ」
 戸惑う俺をじっと見て、何ともない顔をしてニカッと笑う老紳士。
 女の子の方は、ふふんと鼻を鳴らし得意げだ。
「冒険者ギルドの……総団長……って……」
「王国中の冒険者ギルドの一番偉い人よ」
 俺の呟きに、ハルカが答えてくれる。
「久しいな。ギンガ」
「いやはや、助かったよー、カーネル。みんなで腐乱竜にダメージを与えてくれてたから一撃で仕留められたもんだしねぇ」
「私を無視するなー!!」
 温和な笑みを浮かべるカーネル卿に、ケロッとした笑顔で返すギンガ総団長。
 アリス団長は不服そうだ。
 ドラゴンゾンビは複数の砲弾を受けて黒焦げになっている。
 復活する気配は無いようだ。
 絶対絶命の危機からの突然の勝利で、俺とハルカはまだ放心状態だ。
「アリスくん。瘴気の中和、お願いするよ」
「うむ……解っておる。『クリア・アトモスフィア』!!」
 ギンガ総団長の呼びかけに、コクリと頷き呪文を唱えるアリス。
 同時に、彼女の辺りから澄んだ心地よい風が巻き起こる。
 ルクシアの町の瘴気が、だんだん薄くなっていく。
「すごいわね……流石、王都のギルド団長……」
「だが、根本の解決にはならん。ひとまず、この濃すぎる瘴気を息ができる程度に薄くしただけじゃ」
 感激するハルカに、アリス団長は険しい顔で応える。
「えっと、怪我人は……ゼルフィアくんだね。どれ」
 ギンガ総団長がゼルフィアの顔色を見る。
「解毒剤は?」
「最高級のポイズンポーションを与えた」
「そっか」
 短いやり取りでカーネル卿とギンガ総団長が話す。
「喋れる? ゼルフィアくん?」
「は、はい……失態をさらして申し訳ないです。ギンガ総団長」
「なーに。人間、生きてたら、それだけでいいんだよ」
 紳士的な笑みを浮かべるギンガ総団長。
「あ、あの……!! 私たちは、どうすれば?」
 ハルカがギンガ総団長に訊く。
「あー、ハルカくんもレオくんもよくやったね。危険度けっこう高い相手だったけど、臆せず戦ってたみたいだし。あとは僕たちに任せて、ゆっくり休むといいよ」
「は、はい! 分かりました!」
 普段緊張しなさそうなハルカが緊張している。
 それほどまでに、ギンガ総団長の放つオーラはすごかった。
 ……とりあえず、リズたちのもとに——そう思った、その瞬間!!
 ビイイイイイン!!
 ドラゴンゾンビの死体がある後方から、眩しい光線が飛んでくる。
 それはリズたちのいる教会に直撃して……。
 ドオオオオオオオオオオオン!!
 跡形もなく吹き飛ばした。
 え……? 嘘だろ……?
 リズ……? シレイド……? キアラ……? セーラ……? ロウナ……?
 サマンサ……? ラズベリー……? ミレーユ……?
 彼女たちがいる教会が……消えてなくなった。
 後ろを振り返ると、そこには……。
 怪しい笑みを浮かべるオレンジ色のくせっ毛をした、見慣れない男が立っていた。
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