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第五章【機械都市】
第八十三話 記述
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エリオネルは、図書館で調べ物をすると言って俺を王立図書館まで連れて行ってくれた。
バーデンさん宅に置いて行かれたら、めっちゃ怖かったので有難い。
朝調べ物をして、お昼を一緒に食べ、エリオネルはまた調べ物に戻って行った。俺の入れない所での調べ物なので、一人になるのは仕方ない。
魔王についての記述を探す。
必死で背表紙を追っていたら、人にぶつかった。
「あ、ごめんなさい」
「こちらこそ、すみません」
そこには、銀色の髪のイケメンがいた。
エリオネルもインテリな雰囲気があるが、もっとインドアな感じの男前である。眼鏡もすごく似合っている。
「………」
「何かお探しでしたか?」
「はっ!魔王について書かれた物を探していて……」
魅入っていた。俺ってインテリ好きだったんだな。
「そうですか。何冊かお渡ししましょうか?」
「え?ありがとうございます」
イケメンは冷たそうな見た目に添わず、めっちゃ優しかった。
一緒について回って、ひょいひょいと5冊渡される。
「とりあえず簡単な物をお渡ししますね。もっと読みたければ、明日も来ますので、声をかけてください」
「ありがとうございます。助かります」
本をみると4冊は絵本で、残りの1冊も簡単そうだった。
「あの、お名前教えてもらえますか?俺はマリヤって言います」
「ユリアーノ・ヴァンプフィルドです」
「ヴァンプフィルドさん」
「ユリアーノでいいですよ」
にこっと笑ったユリアーノさんの笑顔は破壊力抜群だった。
「ユリアーノさん」
いかん。エリオネルが居なかったら落ちてたかもしれん。危ない。
「また、明日」
そう言って、ユリアーノさんは居なくなった。
ユリアーノさんが渡してくれた本は非常にわかりやすく、共通していたのが『魔王を封印したとされる聖者が異世界から来た』という部分だった。
異世界から来た聖者ってまんま俺のことで笑う。
最後に渡された本には、もう少しでちょうど千年経つという記述がされていた。偶然とは思えない。
魔王は倒すことができず、封印することしかできないらしい。人間の悪感情で悪魔や魔族が生まれ、そして魔王が復活するのだそうだ。
復活したらどうなるのか、そういう細かいことは書かれていなかった。
バーデン邸にエリオネルと帰ってくる。バーデンさんはエリオネルの前では猫を被っているのか大人しかった。
できるだけ二人になりたくなかったけど、エリオネルのトイレについて行くのは憚られて、また、二人になってしまった。
「当てつけか?」
「何がですか?」
できるだけ距離を取ったが、バーデンさんは手を出すつもりは無さそうだった。
「朝ヤッてたろ」
「ごほっ」
咽せた。聞こえてたん?!
でも、当てつけってどういう意味なんだろうか。この場合、エリオネルのことが好きって聞こえるんだが。
「エリオネルのこと好きなんですか?」
バーデンさんが片眉を上げる。どういう表情?
「お前はいいよな、ネコで愛されてて」
ネコ?あ、立場のことかな。前読んだBLの本に書いてあった。
逆の言葉はタチだったっけ。バーデンさんはタチなのかな。エリオネルもタチだもんな。タチとタチの場合は、恋愛に発展しないもんなんだろうか。
「俺は元々、男の人は範囲外ですけど」
「ハッ、あんなにラブラブで何言ってんだか」
「本当です。女の子としか付き合ったことないし」
「本当か?」
バーデンさんが神妙な顔をする。
そこへエリオネルが帰ってきた。
「二人で何話してたの?」
「エリオネルのこと」
「私のこと?変なことじゃないよね?」
「あ!てか、エリオネル!バーデンさん朝聞いてたって!本当気をつけて!」
「え………」
エリオネルが赤面する。おい、可愛いか。
エリオネルのことを襲いたくなったけど、ぐっと我慢した。
バーデンさんの顔を見ると、多分同じこと考えてたと思う。
バーデンさん宅に置いて行かれたら、めっちゃ怖かったので有難い。
朝調べ物をして、お昼を一緒に食べ、エリオネルはまた調べ物に戻って行った。俺の入れない所での調べ物なので、一人になるのは仕方ない。
魔王についての記述を探す。
必死で背表紙を追っていたら、人にぶつかった。
「あ、ごめんなさい」
「こちらこそ、すみません」
そこには、銀色の髪のイケメンがいた。
エリオネルもインテリな雰囲気があるが、もっとインドアな感じの男前である。眼鏡もすごく似合っている。
「………」
「何かお探しでしたか?」
「はっ!魔王について書かれた物を探していて……」
魅入っていた。俺ってインテリ好きだったんだな。
「そうですか。何冊かお渡ししましょうか?」
「え?ありがとうございます」
イケメンは冷たそうな見た目に添わず、めっちゃ優しかった。
一緒について回って、ひょいひょいと5冊渡される。
「とりあえず簡単な物をお渡ししますね。もっと読みたければ、明日も来ますので、声をかけてください」
「ありがとうございます。助かります」
本をみると4冊は絵本で、残りの1冊も簡単そうだった。
「あの、お名前教えてもらえますか?俺はマリヤって言います」
「ユリアーノ・ヴァンプフィルドです」
「ヴァンプフィルドさん」
「ユリアーノでいいですよ」
にこっと笑ったユリアーノさんの笑顔は破壊力抜群だった。
「ユリアーノさん」
いかん。エリオネルが居なかったら落ちてたかもしれん。危ない。
「また、明日」
そう言って、ユリアーノさんは居なくなった。
ユリアーノさんが渡してくれた本は非常にわかりやすく、共通していたのが『魔王を封印したとされる聖者が異世界から来た』という部分だった。
異世界から来た聖者ってまんま俺のことで笑う。
最後に渡された本には、もう少しでちょうど千年経つという記述がされていた。偶然とは思えない。
魔王は倒すことができず、封印することしかできないらしい。人間の悪感情で悪魔や魔族が生まれ、そして魔王が復活するのだそうだ。
復活したらどうなるのか、そういう細かいことは書かれていなかった。
バーデン邸にエリオネルと帰ってくる。バーデンさんはエリオネルの前では猫を被っているのか大人しかった。
できるだけ二人になりたくなかったけど、エリオネルのトイレについて行くのは憚られて、また、二人になってしまった。
「当てつけか?」
「何がですか?」
できるだけ距離を取ったが、バーデンさんは手を出すつもりは無さそうだった。
「朝ヤッてたろ」
「ごほっ」
咽せた。聞こえてたん?!
でも、当てつけってどういう意味なんだろうか。この場合、エリオネルのことが好きって聞こえるんだが。
「エリオネルのこと好きなんですか?」
バーデンさんが片眉を上げる。どういう表情?
「お前はいいよな、ネコで愛されてて」
ネコ?あ、立場のことかな。前読んだBLの本に書いてあった。
逆の言葉はタチだったっけ。バーデンさんはタチなのかな。エリオネルもタチだもんな。タチとタチの場合は、恋愛に発展しないもんなんだろうか。
「俺は元々、男の人は範囲外ですけど」
「ハッ、あんなにラブラブで何言ってんだか」
「本当です。女の子としか付き合ったことないし」
「本当か?」
バーデンさんが神妙な顔をする。
そこへエリオネルが帰ってきた。
「二人で何話してたの?」
「エリオネルのこと」
「私のこと?変なことじゃないよね?」
「あ!てか、エリオネル!バーデンさん朝聞いてたって!本当気をつけて!」
「え………」
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バーデンさんの顔を見ると、多分同じこと考えてたと思う。
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