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第八章【旅の果て】
第百四十二話 お城での生活
お城での生活は、とても充実していた。乗馬もダンスも拙いながらできるようになった。
畏れ多いことなのだが、エリオネルの両親のことを、お父さまお母さまと呼ばせてもらっている。お二人との関係はすごく順調だ。気になっていた第一王子は体が弱いらしく、結構初めの方に挨拶に行った。優しくて良い人だった。
キリッシュさんはあまり会っていない。これからも、あまり会うことはないんじゃないかなとエリオネルが言っていた。
毎日の日課に、《再生》を人々に掛けるというのがあって、これは俺の仕事だと思っている。聖者のみが使える魔法で、欠損を修復することができる。1日4~5人がMAXなので、各国から順番に人々が城にやってきた。国同士の国益もあるので治す人は決められている。
他国からの欠損者を受け入れることによって、俺が伴侶を複数作らなくてもいいようにとの意味合いもあるらしい。
だから、この仕事をすることで、キリッシュさんも含めて、俺に求婚する人は減るだろうとのことだった。ゼロじゃないんだ~とちょっとゲンナリしたけど、仕方ないか。
お城に来てしばらくした頃、結婚式を挙げるという話になる。準備はずっとしていたらしいのだが、日取りがやっと決まったということだった。
10ヶ月後に決まった結婚式の準備は目まぐるしかった。最初に参列者への招待状を書いたのだが、またこれが膨大な量になって大変だった。嫌だったけど、バルカスにも書かなくちゃいけなくて、すごく悩んだ。当たり前だけど、出席するに丸がついてて、すごく憂鬱だ。
折角の一世一代の大舞台なのだから、楽しもうと決意する。お世話になった人たちも呼んでいるし。神父さまとアイシャさんももちろん呼んだ。アイオライトくんにアーサーくん、ユリアーノさん、嘉伯くんに紫炎陛下も呼んだのだが、紫炎陛下は場所が遠すぎるということもあって欠席するという返事が来た。嘉伯くんは王太子なので、黒曜国側からしたら充分だろう。
この面々に、国外の王族と国内の貴族たちを列席に加えたのと、エリオネル側の友人が参列者になる。因みに、国内の貴族家は4219家に登った。代筆無かったら死んでる。
忙しくも充実した日々を送って、俺は先日18歳になった。旅の時にもささやかながらお祝いしてもらったが、今回は誕生日会を開いてもらった。
沢山の令息や令嬢が集まってくれて、とても楽しかった。エリオネルがずっと張り付いているものだから、全員緊張していたけど。
ーーーーーー
今日は、結婚式。
ここまで来るのに目まぐるしすぎて、あっという間だった。
(本当に、エリオネルと結婚するんだ)
感慨深くて泣いてしまいそうになる。
「マリヤ、本当に綺麗だな」
「ありがとう」
護衛についてくれているビオルナさんが褒めてくれた。ビオルナさんもちょっと泣きそうになっている。
俺が着ているのは豪奢な王族の服装で、飾りが華美なものの、男性用だった。ドレスを着る強者も居るらしいのだが、拒否した。色はキラキラしているものの白に近く、沢山のレースがあしらわれている。
ビオルナさんのエスコートで会場まで行く。やばい、めっちゃ緊張してきた。
長い長い廊下を歩いて、エリオネルの待つ壇上まで行く。
遠くからでもカッコいいのがわかる。近づいていくと、とても幸せそうに笑っていて、俺も気づいたら笑っていた。
間違いなく、人生で一番幸せな日だ。
沢山の人に祝ってもらって、その隣には愛する人が居る。
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