スキル「共感覚」のおかげで最強の魔法使いになったので魔人を集めて魔王になることにしました 〜最恐魔王の手さぐり建国ライフ!〜

熊乃げん骨

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第二章 ○○世界における魔王国の建国

第1話 月の鏡

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「さて、まずは何から始めたもんか」

 やるべきことがあり過ぎる。
 何から始めるべきか見当もつかないので俺はマーレに知恵を借りる。

「はい。まずは労働力の確保が最優先かと」
「労働力ねえ、欲しいのは山々だがそんな簡単に手に入るものじゃないだろ」
「ふふ、いないのなら増やせばいいのですよ♪」
「?」

 意味深なことを言うマーレに対して俺はどういうことだ? という風に頭をかしげる。

「いいですか? ゴニョゴニョゴニョ……」
「!? そんなことが出来るのか!?」

 マーレが俺に耳打ちした内容は驚くべきものだった。
 確かにそれが可能なら作業効率がグンとあがるだろう。

「よし! 悩んでても仕方ない、一丁やってみるか!」
「はい♡」



 ◇



「出来た……!!」
「はい♪流石です♪」

 俺の目の前には100人にも及ぶ人物がズラリと並んでいる。
 しかもその顔は俺と瓜二つだ。

「まさか『自動操作人形《ゴーレム》』まで作れるとはな。何でもありか俺の能力は」

 そう、これらは全部『自動操作人形ゴーレム』。俺が作り出した魔道具だ。

「素材は贅沢に神の遺骸を使用。ジーク様の魔道具作成能力にわたくしのサポートが合わさり最高の仕上がりですね」
「ああ、まさか俺と同じ思考能力まで搭載できるとはな。どっちが本物だか分からなくなりそうだ」
「わたくしは匂いで分かりますよ?」
「怖いわ」

 難点は常に本体である俺が大量の魔力を供給し続けなければいけない事だが、現在この地には神力が充満している。それらを使えば十分まかなえる。

「で? 次はどうすればいい?」
「はい。まずは全員で神の遺骸を山頂から山のふもとまで運びます。その後国の土台を作る班と魔道具作成班に分かれます」

「ほう。まずはしっかり準備をするんだな?」

「はい。受け入れ態勢完了の目処がある程度立ってから住民を誘致します。心苦しいのはお察ししますがこうされた方が成功率が高いです」

 今から助けに行きたい気持ちは強い。
 だがそうすれば俺たちの事は世界中に知れ渡り攻撃を受けるだろう。
 俺とマーレがいくら強いとはいえ今の状態で民を守りながら戦うのは無謀だ。まずは防衛機構を整える必要があるってことか。

「その案に乗ろう、さっそく行動開始だ。幻影自己人形《ドッペルゴーレム》起動!!」

 100人の俺の目に赤い光が宿る。
 何とも壮観だ。

「ああ……ジーク様がたくさん……♡♡」
「………」

 相変わらずしまらない俺たちだった。


 ◇


 幻影自己人形《ドッペルゴーレム》達はすごくよく働いてくれた。
 マーレも自身の分身を作れるので国の土台作りはそっちに任せ本体である俺は最も重要な魔道具を作っていた。

 それは俺の装備だ。

 俺が死んでしまったらこの国は終わりだ。
 最強の代物を作らねば。

「うーむ、中々いい出来だ」

 俺と4人の幻影自己人形《ドッペルゴーレム》の前に鎮座するのは黒く禍々しい鎧。
 まだ作成途中だが神の遺骸をふんだんに使ってることもあり凄い魔道具になりそうだ。

「これは凄い……しかし大きすぎませんか」

 様子を見に来たマーレが疑問を口にする。
 俺の背は170cm程だがこの鎧は軽く2mを超えている。当然の疑問だ。

「まあ見てろって」

 俺が鎧に手を触れると自動的に鎧は分解され俺の体に装着される。
 ものの数秒で鎧は全て装着され、そこには2mを超す大男がいた。

「威圧感を出すためわざと大きくしたんだ。そのためにサイズ調整の能力を付けた」

 この他にも所持者が偉大に見える魔道具「威風堂々《グレイテストオーラ》」を作ったりした。
 これでいつ住民が来ても安心だ。

「そんな事しなくても大丈夫だと思いますが……」
「念には念をだ」

 マーレの俺に対する評価は無駄に高いので当てにならん。

「それより作業もだいぶ進んだな。そろそろアレをやってもいいんじゃないか?」

 既に国づくりを始めてから1週間が経っている。
 城は完成し街も大まかに出来ている。細かいところは住民に任せればいいのでこんなもんでいいだろう。
 食糧問題もある生き物のおかげで問題なさそうだ。
 ボチボチ住民を増やしてもいい筈だ。

「そうですね……私も問題ないと思います。今夜にでも『月の鏡作戦』を開始しましょう」
「くく。やっと本番か、少し興奮してきたぞ」

 今夜、世界は俺たちを知ることになる。
 不安もあるが、今は高揚感の方が強い。魔王が少しは板についてきたかな?


 ◇


 そして夜。

 俺とマーレは分身体に仕事を任せ二人で富士山頂まで来ていた。

「大丈夫か? 兜ズレてないか?」
「はい、いつものかっこいいジーク様ですよ♪」

 俺は全身に鎧を着こみ、魔王スタイルになっていた。
 手には大きめの手鏡を持っている。これこそ魔道具『月の鏡ムーン・ミラー』。
 今回の作戦の要になる魔道具だ。

「いくぞ!『月の鏡ムーン・ミラー』起動!!」
「ふふ、わたくしゾクゾクします♪」

 鏡より放たれた一筋の青い光は、夜空に輝く月に向かって一直線に伸びていく。
 やがて光は月に届きその効果を発現させる。

『やあ諸君。初めまして、私は魔王国ゾロ・アスト首領クリーク・O・ジークだ。以後よろしく頼むよ』

 夜空に輝く月は俺を映し出す鏡となり、世界中に俺の姿と声を届けた。
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