85 / 143
第五章 氷獄に吠ゆ
第6話 発見
しおりを挟む
「ええっと、グリゴリーさん……だったかな? 危ない所をありがとう。たいした戦車だな」
俺は差し出された手を握り返しながらそう称賛する。
ちなみにここで自らの名を明かすような愚行はしない。ロシアと敵対する気は無いが、別に友好を結ぶ気もないからな。
「そうだろう!我がロシア軍の技術力は世界一だからな! あの魔王国にだって負けはしない、いや上回っている事だろう!」
まるでこちらを嘲るかのようにそう言い放つグリゴリー。
こいつカマかけてやがんな?
そんな見え見えの罠に引っかかるわけ……
「ア゛ア゛ン?」
いたわ。
しかも身内に。
思いっきりガン飛ばしてるじゃないか……勘弁してくれ。
「少し黙っててください」
「ふぐっ!!」
俺の胸中を察してくれた火凜の肘うちによりヴォルクは腹を押さえその場に崩れる。
よくやった。
「ん? そちらの御仁はどうされたのかな?」
「気にしないでくれ。変なものでも食べたのだろう」
「そうか……可哀想に」
勝手に可哀想な奴扱いされてるのは可哀想だが自分で蒔いた種だ。
反省してくれ。
「ところでこの後時間はあるかな? よければ基地に案内させて欲しいんだ」
「基地?」
「ああ。ここより北東に進んだところに我らの基地がある。たいしたおもてなしは出来ないが暖かい食事と寝床ぐらいは用意できるぞ」
予想外の申し出に思わず腹がグゥと鳴ってしまう。
ここ数日は大したものを食えてないからな……
久しぶりにゆっくりしたい、だけど
「申し訳ないが遠慮させていただくよ。先を急いでいてな、すまない」
先をい急いでいるのも事実だが、何より彼らを信用できない。
一見悪い人間には見えないが人間はどこまでも残酷になれる生き物だ。こいつらも裏でどんなことをやってるか分かったもんじゃない。
考えすぎかも知れないが、俺の選択ミスは仲間の生死にも直結する。
迂闊な事は出来ない。
「そうか……ならば引き留めまい。もし何か困ったことがあればいつでも訪ねてくるといい、私にできることなら力になろう」
そういうとグリゴリーは地図を取り出し基地の場所を書き込むと俺に手渡してくる。
義理堅い奴だ。もしかしたら悪い奴じゃないのかもしれないな。
「これはどうも。何かあったら遠慮なく頼らせてもらうよ」
俺がそう言うとグリゴリーはニカッと白い歯を輝かせ、再び俺と固い握手をする。
こういうのも悪くないな。
城に引きこもっていては出来ない経験だ。
「じゃあな、また会おう」
「ああ、待ってるぞ」
俺たちとロシア軍の連中はそう言葉を交わすと別れる。
そして、この時の約束は意外な形で果たされるのだった…………
◇
「くそっ! まだ追いつけないのか!?」
俺たちはロシア軍と別れた後必死に銀狼の去って言った方向を走っていた。
「視界も悪くなった来たましたね。本当にこっちであってるのでしょうか?」
「方向は間違いねえ。あのヤローの匂いならばっちり覚えたからな」
ヴォルクが自慢げに自分の鼻を指さす。
頼もしい限りだ。
「ぞれにしても偶然かは分からないが……この方向、最果ての村がある方向と一致している」
俺は懐から出した古めかしい方位磁針を出してそう結論付ける。
『魔導路針《まどうじしん》』と呼ばれるこの魔道具は古くから使われている魔道具らしく、今回の旅にあたりテレサに借り受けた物だ。
目的地を記録させると針はその位置を指し示し続ける便利なアイテムで、何より素晴らしいのは魔力を供給しなくても効果を発揮してくれるところだ。
おかげで魔道具の使えない俺でも問題なく使うことが出来る。
「あの銀狼はとてつもなく強い……いくら魔法使いの村だとしても危ないですね」
「そうだな」
テレサの話では最果ての村の魔法使いは外界との交流をほとんどせず、独自の魔法文化を築いているらしい。
もっと詳しい事も知りたかったのだが、なにぶん100年以上前に一回行っただけらしくあまり細かい事は覚えていなかった。
「ここでいくら悩んでも仕方ない。ひとまず村に向かうとしよう。進路はあまりズレないはずだ」
村が襲われているなら助けなくてはいけない。
例え友好的でなかったとしても困っている魔人は助けなければならない。
それが俺の存在理由なのだから。
もし無事なら銀狼追跡を再開すればいいだけだしな。
「んっ? 大将!! 人の匂いがするぜ!!」
銀狼との距離はまだ離れているはずだが、確かに吹雪の向こうに村のようなものが見えてきた。
時間的に考えて銀狼が村を襲ったとは考えにくい。これなら村は無事そうだな。
「よかった……」
俺はそう呟くと胸をなでおろす。
もう魔人が傷つくのを見るのはたくさんだ。
「よし! ならば予定通り銀狼追跡を第一目標に……」
「いや、ちと様子がおかしいぜ大将」
「ん?」
吹雪を抜け視界が良好になった瞬間、俺はヴォルクの言った意味を理解する。
「何だよこれ……」
それは壊滅した村の姿だった。
立派であっただろう入り口の門は崩れさり、ほとんどの家屋は穴だらけになっている。
数少ない田畑も酷く荒らされており、このままでは生活も困難であろう。
「くそっ……!! ここでもそうなのかよ!!」
人里離れた秘境ですら魔人《おれたち》は平穏に暮らせないのか!?
「大将!! どうしますか!?」
「愚問だ!!」
「へへ、その言葉を待ってましたぜ!」
こうして俺たちは急ぎ最果ての村に突入するのだった。
俺は差し出された手を握り返しながらそう称賛する。
ちなみにここで自らの名を明かすような愚行はしない。ロシアと敵対する気は無いが、別に友好を結ぶ気もないからな。
「そうだろう!我がロシア軍の技術力は世界一だからな! あの魔王国にだって負けはしない、いや上回っている事だろう!」
まるでこちらを嘲るかのようにそう言い放つグリゴリー。
こいつカマかけてやがんな?
そんな見え見えの罠に引っかかるわけ……
「ア゛ア゛ン?」
いたわ。
しかも身内に。
思いっきりガン飛ばしてるじゃないか……勘弁してくれ。
「少し黙っててください」
「ふぐっ!!」
俺の胸中を察してくれた火凜の肘うちによりヴォルクは腹を押さえその場に崩れる。
よくやった。
「ん? そちらの御仁はどうされたのかな?」
「気にしないでくれ。変なものでも食べたのだろう」
「そうか……可哀想に」
勝手に可哀想な奴扱いされてるのは可哀想だが自分で蒔いた種だ。
反省してくれ。
「ところでこの後時間はあるかな? よければ基地に案内させて欲しいんだ」
「基地?」
「ああ。ここより北東に進んだところに我らの基地がある。たいしたおもてなしは出来ないが暖かい食事と寝床ぐらいは用意できるぞ」
予想外の申し出に思わず腹がグゥと鳴ってしまう。
ここ数日は大したものを食えてないからな……
久しぶりにゆっくりしたい、だけど
「申し訳ないが遠慮させていただくよ。先を急いでいてな、すまない」
先をい急いでいるのも事実だが、何より彼らを信用できない。
一見悪い人間には見えないが人間はどこまでも残酷になれる生き物だ。こいつらも裏でどんなことをやってるか分かったもんじゃない。
考えすぎかも知れないが、俺の選択ミスは仲間の生死にも直結する。
迂闊な事は出来ない。
「そうか……ならば引き留めまい。もし何か困ったことがあればいつでも訪ねてくるといい、私にできることなら力になろう」
そういうとグリゴリーは地図を取り出し基地の場所を書き込むと俺に手渡してくる。
義理堅い奴だ。もしかしたら悪い奴じゃないのかもしれないな。
「これはどうも。何かあったら遠慮なく頼らせてもらうよ」
俺がそう言うとグリゴリーはニカッと白い歯を輝かせ、再び俺と固い握手をする。
こういうのも悪くないな。
城に引きこもっていては出来ない経験だ。
「じゃあな、また会おう」
「ああ、待ってるぞ」
俺たちとロシア軍の連中はそう言葉を交わすと別れる。
そして、この時の約束は意外な形で果たされるのだった…………
◇
「くそっ! まだ追いつけないのか!?」
俺たちはロシア軍と別れた後必死に銀狼の去って言った方向を走っていた。
「視界も悪くなった来たましたね。本当にこっちであってるのでしょうか?」
「方向は間違いねえ。あのヤローの匂いならばっちり覚えたからな」
ヴォルクが自慢げに自分の鼻を指さす。
頼もしい限りだ。
「ぞれにしても偶然かは分からないが……この方向、最果ての村がある方向と一致している」
俺は懐から出した古めかしい方位磁針を出してそう結論付ける。
『魔導路針《まどうじしん》』と呼ばれるこの魔道具は古くから使われている魔道具らしく、今回の旅にあたりテレサに借り受けた物だ。
目的地を記録させると針はその位置を指し示し続ける便利なアイテムで、何より素晴らしいのは魔力を供給しなくても効果を発揮してくれるところだ。
おかげで魔道具の使えない俺でも問題なく使うことが出来る。
「あの銀狼はとてつもなく強い……いくら魔法使いの村だとしても危ないですね」
「そうだな」
テレサの話では最果ての村の魔法使いは外界との交流をほとんどせず、独自の魔法文化を築いているらしい。
もっと詳しい事も知りたかったのだが、なにぶん100年以上前に一回行っただけらしくあまり細かい事は覚えていなかった。
「ここでいくら悩んでも仕方ない。ひとまず村に向かうとしよう。進路はあまりズレないはずだ」
村が襲われているなら助けなくてはいけない。
例え友好的でなかったとしても困っている魔人は助けなければならない。
それが俺の存在理由なのだから。
もし無事なら銀狼追跡を再開すればいいだけだしな。
「んっ? 大将!! 人の匂いがするぜ!!」
銀狼との距離はまだ離れているはずだが、確かに吹雪の向こうに村のようなものが見えてきた。
時間的に考えて銀狼が村を襲ったとは考えにくい。これなら村は無事そうだな。
「よかった……」
俺はそう呟くと胸をなでおろす。
もう魔人が傷つくのを見るのはたくさんだ。
「よし! ならば予定通り銀狼追跡を第一目標に……」
「いや、ちと様子がおかしいぜ大将」
「ん?」
吹雪を抜け視界が良好になった瞬間、俺はヴォルクの言った意味を理解する。
「何だよこれ……」
それは壊滅した村の姿だった。
立派であっただろう入り口の門は崩れさり、ほとんどの家屋は穴だらけになっている。
数少ない田畑も酷く荒らされており、このままでは生活も困難であろう。
「くそっ……!! ここでもそうなのかよ!!」
人里離れた秘境ですら魔人《おれたち》は平穏に暮らせないのか!?
「大将!! どうしますか!?」
「愚問だ!!」
「へへ、その言葉を待ってましたぜ!」
こうして俺たちは急ぎ最果ての村に突入するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる