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第六章 戦乱の京
第21話 再生
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8つの頭を持つ蛇の怪物へと変貌を遂げた元老院は己の本能のまま暴れ始める。
特徴的なその頭は見た目よりもよく伸び、逃げ惑う人々を捕食する。腹部まで含めると100mを超すそのリーチからは、常人では逃れられない。
「陰陽京守護隊聞こえるか! 全員緊急招集だ!!」
興亀は急いで仲間を招集する。
今こうしている間にも一人、また一人と犠牲者が出ているためその表情は必死だ。
「こちらも出来る限りの陰陽師を呼んだ。じきに来るだろう」
「あたしも人命救助に行かせたわ。とてもあたしたち以外にあいつの相手は出来ないでしょうしね」
「ぼ、僕も呼んだけどあんまり来ないと思うよ」
四象家の面々が陰陽師に伝わる連絡魔道具で仲間を呼ぶ。
ものの数分で援軍は来るだろうが彼らでは蛇の化け物にダメージを与えることも出来ないだろう。
今ここにいる四人でやらなければならない。
「せめて虎鉄がいてくれりゃあな……」
「は? なんであいつの名前が出てくんだよ!?」
興亀の言葉に雀長が反応する。
「あいつはもうここの人間じゃない。陰陽京の平和を守るのは陰陽師達の仕事だ!」
そう言って雀長は魔力を練り始める。
彼の操る属性は火。瞬く間に灼熱の火が彼の周りに発生し空気が揺らめき始める。
「火行・火鳥飛刃《かちょうひじん》!!」
雀鳥の手から放たれるのは鳥の形をした火の刃《やいば》。
羽ばたきながら蛇の化け物へと飛んでいくその魔法は見事8つある頭の1つに命中し、頭を切り落とす。
しかし……
「おいおいマジかよ……!」
切り落とした断面はものの数秒でぐじゅぐじゅと気持ち悪い音を立てながら再生を始める。
そして時間にして1分も立たない内に頭部は完全に再生を遂げてしまう。
「ちょ、こんなに早く再生されたらキリがないじゃないか!」
「だけど何かしら弱点があるはず……龍々家、何か分かるか?」
渾身の攻撃が効果なく焦る雀長をよそに興亀は龍々家へ助言を求める。
「うむ、少し見てみるか」
一歩前に出た龍々家はカッ!! と閉じていた眼を見開き蛇の化け物を観察し始める。
青松院家に伝わる秘技『龍眼』は魔力の流れを視覚情報で感じとることが出来る。龍々家はこの技を使い敵の魔力の流れを見極め強力すぎる再生能力の秘密を暴くつもりなのだ。
「……成程。これは厄介だ」
「何かわかったのか!?」
眉をしかめる龍々家に興亀が詰め寄る。
「うむ。あの蛇の化け物の頭部、その一つ一つが強力な魔力を持っている上に他の頭部と太いパイプで結ばれている。そのせいで一つの頭部を破壊したところで他の頭部よりすぐに魔力が供給され回復してしまう」
「じゃ、じゃあどうすれば奴を倒せるんだ?」
「全ての頭部の破壊。しかもそれを再生するまでの一瞬のうちにやらなければならない」
特徴的なその頭は見た目よりもよく伸び、逃げ惑う人々を捕食する。腹部まで含めると100mを超すそのリーチからは、常人では逃れられない。
「陰陽京守護隊聞こえるか! 全員緊急招集だ!!」
興亀は急いで仲間を招集する。
今こうしている間にも一人、また一人と犠牲者が出ているためその表情は必死だ。
「こちらも出来る限りの陰陽師を呼んだ。じきに来るだろう」
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今ここにいる四人でやらなければならない。
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「は? なんであいつの名前が出てくんだよ!?」
興亀の言葉に雀長が反応する。
「あいつはもうここの人間じゃない。陰陽京の平和を守るのは陰陽師達の仕事だ!」
そう言って雀長は魔力を練り始める。
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「火行・火鳥飛刃《かちょうひじん》!!」
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羽ばたきながら蛇の化け物へと飛んでいくその魔法は見事8つある頭の1つに命中し、頭を切り落とす。
しかし……
「おいおいマジかよ……!」
切り落とした断面はものの数秒でぐじゅぐじゅと気持ち悪い音を立てながら再生を始める。
そして時間にして1分も立たない内に頭部は完全に再生を遂げてしまう。
「ちょ、こんなに早く再生されたらキリがないじゃないか!」
「だけど何かしら弱点があるはず……龍々家、何か分かるか?」
渾身の攻撃が効果なく焦る雀長をよそに興亀は龍々家へ助言を求める。
「うむ、少し見てみるか」
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