110 / 112
89 最終決戦 ~鎮魂曲~
しおりを挟む
――ブオォォン!
「「……!?」」
「危ない。今のは一瞬ヒヤリとしたわ。流石私を封印した3神柱の力だけあるわね」
「速いな」
「力は健在の様ね」
見事捉えたかに思えたフーリンとハクの攻撃であったが、寸での所でアビスがそれを躱してしまった。
だが。
「まだまだぁ!」
『いけグリム』
皆に続き俺も間髪入れずアビスに剣を振るう。奴はフーリンとハクの攻撃を避けた直後。コレは躱し切れないだろ。
――ガキィィィン!
「ちッ、それはヴィルの……」
「中々の攻撃の連続ね。正直驚くばかりだわ」
その言葉が何処まで真意かは定かじゃないが、まだアビスは余裕そうな表情を浮かべている。俺の剣は後僅かというところでアビスの出した『神剣ジークフリード』によって受け止められてしまった。しかし俺は更にもう片方の剣でアビスの体を狙う。
――ガキィン、ガキィン、ガキィィン!
「くそ。鬱陶しい剣だな」
「お互い様じゃない?」
俺は持てる力を駆使してアビスに連続で剣を振るったが、何処からともなく瞬時に現れる神剣ジークフリードによって攻撃が全て防がれてしまった。本当にふざけた能力だ。反則じゃないかコレ。
――ガキィン、ガキィン!
「直ぐそこにいるのに届かない……!」
更なる追撃も儚く、次の手を考える為に俺は一旦アビスと距離を取った。そこには地面に倒れるカルの姿も。
「畜生。厄介な相手だぜ。おい、大丈夫かカル!」
「あ、ああ……。これしき問題ない」
俺の呼び掛けに反応したカルはゆっくりと立ち上がり再び波動を練り上げた。それを見たフーリンとハクも俺達の所へ。
「相当の強者だぞアイツ」
「ああ。これは思った以上にヤバい相手だった」
「大丈夫よ。確かにアビスは強いけど、絶対に貴方達なら勝てる」
誰も諦めた訳ではない。しかし目の前の深淵神アビスという強大な力の存在に安心出来ないのも事実。コイツを倒すイメージがまるで湧いてこない。
「フフフフ。思った以上に刺激は感じたけど、それもここまでかしらね。その程度の実力では到底私には勝てないわよ」
「精霊魔法、“エルフズ・ギガボルト”!」
次の瞬間、強力な雷攻撃がエミリアからアビス目掛けて放たれた。天より放たれた雷はバチバチと激しい音を鳴らしながら一瞬でアビスを捉える。
――ドゴォォォン!
「うお! やったか!?」
凄まじい衝撃音と閃光によって反射的に視界を覆った俺達であったが、エミリアの雷攻撃がアビスに直撃したのを確かに横目で確認出来ていた。
今の攻撃が入っていたとしたら……。
自然とそんな事が頭を過りながら一瞬閉じた目を開けた俺は、期待と現実をほぼ同時に目の当たりにした。
「やはり3神柱の力を与えられたと言っても、人間レベルではこの程度が限界のようね。もう飽きたわ」
「「……!?」」
エミリアの雷攻撃を受けたアビスはまるで無傷と言わんばかりに当たり前に言葉を発すると、直後今までよりも更に強力な魔力を練り上げたアビスは凄まじい魔法攻撃を繰り出してきた。
「さようなら。邪魔だから消えてくれるかしら。“ロスト・デス”――!」
アビスから繰り出された黒い魔力の玉。その玉は悍ましい程の魔力が圧縮されており、玉を見た瞬間全員の本能が“逃げろ”と脳に訴えかけていた。
「逃げろォォッ!!」
――ブオォォォォォォォォン!!
「「ッ……!!」」
物凄い衝撃と飛ばされる体。
言葉に出来ない程の強烈な衝撃波が発せられたと同時、俺達はアビスの攻撃によって瞬く間に吹き飛ばされた。
元々壊滅的状態であった王都の街並みを更に一掃してしまうかの如く驚異的な範囲と威力を誇ったアビスの攻撃は、気が付けば俺達を王都からかなり離れた位置まで散り散りに辺り一帯に飛ばされていた。
「……ぐッ……み、皆……大丈夫か……?」
何処をどう打ちつけられたのかも分からない。
ただ全身のあらゆる箇所から痛みが。
耳鳴りもして頭がクラクラしている。
だが幸いと言うべきか酷い怪我はない。徐々に耳鳴りも弱まりゆっくりと視界もクリアになってきた。
「痛ッつ……。何処だここは……」
『大丈夫かグリムよ。どうやらアビスの攻撃でかなり吹き飛ばされた様だ』
何気なく辺りを見渡した俺は何処となくこの場所に見覚えがある感覚に陥っていた。
「ん……もしかしてここ辺境の森か?」
『ああ。我らが1番遠くへ飛ばされたな。他の者達も皆王都から大分飛ばされた様だが、辛うじて魔力を感知出来る。死んではいないだろう』
やはり辺境の森だったか。所々焼け野原になっているから分かりづらかったな。それにしてもここが辺境の森って、どんだけ飛ばされたんだよ俺。そんな事を思っていた刹那、突如遠くから“何か”がこちらに勢いよく飛んできた。
――ズザァァッ……!
「え、おい……! カルじゃねぇか!」
そう。突如飛んできたのはカル。しかもカルは気を失っている。
「おい、大丈夫かカル! どうしていきなり飛んできたんだよ!」
俺が倒れるカルを抱きかかえながら声を掛けていると、次の瞬間事もあろうか再び幾つかの物体が勢いよく俺の所へ飛んできた。
――ズザァァ、ズザァァ!
「なッ!? ハク……! フーリン! イヴ! エミリア……!」
矢継ぎ早に飛んできたのは呼吸を荒くし苦しそうな表情を浮かべたハク達だった。
「お、おいッ! どうしたんだよお前ら!? 一体何がッ……『奴だ。グリム――』
俺の声を遮る様にそう言ったのはドラドムート。
俺はそのドラドムートの言葉と同時に視界の奥から不気味な気配を感じ取った。
「アビス……!」
木々の間からゆっくりと姿を現したのは他でもない深淵神アビス。俺は奴がうっすらと笑みを浮かべる表情を見て事態を一瞬で把握した。皆を攻撃をしたのは間違いなくアビスだ。
「フフフフ。どうしたのかしら、そんな怖い顔をして。全員私を見るなり襲い掛かって来たから正当防衛したまでよ」
「テメェッ……!」
「次は貴方かしら?」
『挑発に乗るでないグリムよ! ここで感情のままに動けば奴の思惑通りだ』
「そんな事言ったってアイツが皆をこんな目に遭わせたんだぞ!」
「だ、大丈夫よグリム……私達はまだ動ける……」
倒れていたエミリア達は皆フラつきながらもゆっくりと体を起こし始めた。
「何言ってるんだ。そんな状態じゃ無理だろ!」
「無理でもやらなくちゃ……! 絶対にアビスは私達で倒さないと」
「よく言ったぞエミリア。俺もまだ戦える。奴はここで確実に仕留めなければならん強者だグリム……」
ボロボロになりながらもエミリアとフーリンの心は決して折れていなかった。それはハクとイヴとカルもまた同様。
「こんな邪神に思うがまま操られていたと思うと腹立たしい」
「皆まだ戦えるわね……? 諦めなければ絶対に勝機は生まれるから」
「ヒッヒッヒッ。3神柱ともあろう私らが情けないねぇ全く。私に関してはもうほぼ魔力が残っていない。いいかいアンタ達、もう後にも先にもアビスを倒せるのはアンタ達しかいないんだよ。どんな卑怯な攻撃でも構わないから奴を始末しな」
再びイヴの喝で気が引き締まった俺達は、言葉通り最後の力を振り絞った。イヴはあからさまに体力の限界が違い。ハクも徐々に力が弱まっている。それに俺達だって限界が近い。ここで勝負をかける――。
「これで終わらせるぞ。エミリア、フーリン!」
「うん!」
「ああ!」
俺も最後の力を振り絞り再度ドラゴンソウルを使用する。
俺達3人が戦闘態勢に入りアビスに攻撃を仕掛けようとしたまさにその刹那、突如頭の中から声が響いてきた。
<全員よく聞きな――>
「イヴ……?」
響いてきたのはイヴの声。しかも俺だけでなくエミリア、フーリン、ハク、そしてカルにまで同じ事が起こっている様だ。
<これは私の“念話”だ。私らにしか聞こえていない>
「あら、まさかやる気だけ出して怖気づいたかしら」
反射的に動きを止めてしまった俺達を見て、アビスが一瞬訝しい表情を浮かべながら冗談っぽくそう言った。
<念話がバレたら最後だ。奴にバレない様に兎に角攻撃を仕掛けな>
イヴに言われるがまま、俺達は全員でアイコンタクトを取ると一斉にアビス目掛けて攻撃を仕掛けた。
「うらッ!」
「はッ!」
「また馬鹿の一つ覚えみたいな攻撃ね。それじゃあ私は倒せないわよ」
<いいかい? 森羅万象、この世に存在するものには必ず“急所”がある。ラグナレクの核の様にねぇ。それは私ら3神柱も同じであり、奴もまた然りなのさ。
私がアンタ達にエネルギーの流れを会得させたのはこの時の為。全員で連携して僅か一瞬でいいからアビスの隙を生み出し核を狙うんだ。私が完璧なタイミングでアンタ達をそこへ導いてやるから、それまで死に物狂いで攻撃し続けな――!>
イヴの念話をしかと受け止めた俺達は全員自然と頷くとと共に、そこから息つく間もなく怒涛の連続攻撃を展開した。
俺が剣を振るってはフーリンが槍を突き、エミリアが後方から防御と攻撃を的確に魔法でサポート。更にカルが拳と蹴りを交えてハクの剣も振るわれる。四方八方から繰り出す連続攻撃。だが無数の神器を同時に出現させるアビスの強力な魔法によって中々決定的なダメージを与えられずにいた。
――ズガガガガガガガ!
俺達の絶え間ない攻撃がことごとくアビスの神器によって防がれては攻撃を放ってくる。繰り出しては躱し繰り出しては躱しの連続。その間も念話でイヴから的確な指示が入っている。
そして。
終わりが来ないのではないかと錯覚さえしてしまうこの激しい攻防に、遂に“その瞬間”が訪れる――。
「「……!?」」
「危ない。今のは一瞬ヒヤリとしたわ。流石私を封印した3神柱の力だけあるわね」
「速いな」
「力は健在の様ね」
見事捉えたかに思えたフーリンとハクの攻撃であったが、寸での所でアビスがそれを躱してしまった。
だが。
「まだまだぁ!」
『いけグリム』
皆に続き俺も間髪入れずアビスに剣を振るう。奴はフーリンとハクの攻撃を避けた直後。コレは躱し切れないだろ。
――ガキィィィン!
「ちッ、それはヴィルの……」
「中々の攻撃の連続ね。正直驚くばかりだわ」
その言葉が何処まで真意かは定かじゃないが、まだアビスは余裕そうな表情を浮かべている。俺の剣は後僅かというところでアビスの出した『神剣ジークフリード』によって受け止められてしまった。しかし俺は更にもう片方の剣でアビスの体を狙う。
――ガキィン、ガキィン、ガキィィン!
「くそ。鬱陶しい剣だな」
「お互い様じゃない?」
俺は持てる力を駆使してアビスに連続で剣を振るったが、何処からともなく瞬時に現れる神剣ジークフリードによって攻撃が全て防がれてしまった。本当にふざけた能力だ。反則じゃないかコレ。
――ガキィン、ガキィン!
「直ぐそこにいるのに届かない……!」
更なる追撃も儚く、次の手を考える為に俺は一旦アビスと距離を取った。そこには地面に倒れるカルの姿も。
「畜生。厄介な相手だぜ。おい、大丈夫かカル!」
「あ、ああ……。これしき問題ない」
俺の呼び掛けに反応したカルはゆっくりと立ち上がり再び波動を練り上げた。それを見たフーリンとハクも俺達の所へ。
「相当の強者だぞアイツ」
「ああ。これは思った以上にヤバい相手だった」
「大丈夫よ。確かにアビスは強いけど、絶対に貴方達なら勝てる」
誰も諦めた訳ではない。しかし目の前の深淵神アビスという強大な力の存在に安心出来ないのも事実。コイツを倒すイメージがまるで湧いてこない。
「フフフフ。思った以上に刺激は感じたけど、それもここまでかしらね。その程度の実力では到底私には勝てないわよ」
「精霊魔法、“エルフズ・ギガボルト”!」
次の瞬間、強力な雷攻撃がエミリアからアビス目掛けて放たれた。天より放たれた雷はバチバチと激しい音を鳴らしながら一瞬でアビスを捉える。
――ドゴォォォン!
「うお! やったか!?」
凄まじい衝撃音と閃光によって反射的に視界を覆った俺達であったが、エミリアの雷攻撃がアビスに直撃したのを確かに横目で確認出来ていた。
今の攻撃が入っていたとしたら……。
自然とそんな事が頭を過りながら一瞬閉じた目を開けた俺は、期待と現実をほぼ同時に目の当たりにした。
「やはり3神柱の力を与えられたと言っても、人間レベルではこの程度が限界のようね。もう飽きたわ」
「「……!?」」
エミリアの雷攻撃を受けたアビスはまるで無傷と言わんばかりに当たり前に言葉を発すると、直後今までよりも更に強力な魔力を練り上げたアビスは凄まじい魔法攻撃を繰り出してきた。
「さようなら。邪魔だから消えてくれるかしら。“ロスト・デス”――!」
アビスから繰り出された黒い魔力の玉。その玉は悍ましい程の魔力が圧縮されており、玉を見た瞬間全員の本能が“逃げろ”と脳に訴えかけていた。
「逃げろォォッ!!」
――ブオォォォォォォォォン!!
「「ッ……!!」」
物凄い衝撃と飛ばされる体。
言葉に出来ない程の強烈な衝撃波が発せられたと同時、俺達はアビスの攻撃によって瞬く間に吹き飛ばされた。
元々壊滅的状態であった王都の街並みを更に一掃してしまうかの如く驚異的な範囲と威力を誇ったアビスの攻撃は、気が付けば俺達を王都からかなり離れた位置まで散り散りに辺り一帯に飛ばされていた。
「……ぐッ……み、皆……大丈夫か……?」
何処をどう打ちつけられたのかも分からない。
ただ全身のあらゆる箇所から痛みが。
耳鳴りもして頭がクラクラしている。
だが幸いと言うべきか酷い怪我はない。徐々に耳鳴りも弱まりゆっくりと視界もクリアになってきた。
「痛ッつ……。何処だここは……」
『大丈夫かグリムよ。どうやらアビスの攻撃でかなり吹き飛ばされた様だ』
何気なく辺りを見渡した俺は何処となくこの場所に見覚えがある感覚に陥っていた。
「ん……もしかしてここ辺境の森か?」
『ああ。我らが1番遠くへ飛ばされたな。他の者達も皆王都から大分飛ばされた様だが、辛うじて魔力を感知出来る。死んではいないだろう』
やはり辺境の森だったか。所々焼け野原になっているから分かりづらかったな。それにしてもここが辺境の森って、どんだけ飛ばされたんだよ俺。そんな事を思っていた刹那、突如遠くから“何か”がこちらに勢いよく飛んできた。
――ズザァァッ……!
「え、おい……! カルじゃねぇか!」
そう。突如飛んできたのはカル。しかもカルは気を失っている。
「おい、大丈夫かカル! どうしていきなり飛んできたんだよ!」
俺が倒れるカルを抱きかかえながら声を掛けていると、次の瞬間事もあろうか再び幾つかの物体が勢いよく俺の所へ飛んできた。
――ズザァァ、ズザァァ!
「なッ!? ハク……! フーリン! イヴ! エミリア……!」
矢継ぎ早に飛んできたのは呼吸を荒くし苦しそうな表情を浮かべたハク達だった。
「お、おいッ! どうしたんだよお前ら!? 一体何がッ……『奴だ。グリム――』
俺の声を遮る様にそう言ったのはドラドムート。
俺はそのドラドムートの言葉と同時に視界の奥から不気味な気配を感じ取った。
「アビス……!」
木々の間からゆっくりと姿を現したのは他でもない深淵神アビス。俺は奴がうっすらと笑みを浮かべる表情を見て事態を一瞬で把握した。皆を攻撃をしたのは間違いなくアビスだ。
「フフフフ。どうしたのかしら、そんな怖い顔をして。全員私を見るなり襲い掛かって来たから正当防衛したまでよ」
「テメェッ……!」
「次は貴方かしら?」
『挑発に乗るでないグリムよ! ここで感情のままに動けば奴の思惑通りだ』
「そんな事言ったってアイツが皆をこんな目に遭わせたんだぞ!」
「だ、大丈夫よグリム……私達はまだ動ける……」
倒れていたエミリア達は皆フラつきながらもゆっくりと体を起こし始めた。
「何言ってるんだ。そんな状態じゃ無理だろ!」
「無理でもやらなくちゃ……! 絶対にアビスは私達で倒さないと」
「よく言ったぞエミリア。俺もまだ戦える。奴はここで確実に仕留めなければならん強者だグリム……」
ボロボロになりながらもエミリアとフーリンの心は決して折れていなかった。それはハクとイヴとカルもまた同様。
「こんな邪神に思うがまま操られていたと思うと腹立たしい」
「皆まだ戦えるわね……? 諦めなければ絶対に勝機は生まれるから」
「ヒッヒッヒッ。3神柱ともあろう私らが情けないねぇ全く。私に関してはもうほぼ魔力が残っていない。いいかいアンタ達、もう後にも先にもアビスを倒せるのはアンタ達しかいないんだよ。どんな卑怯な攻撃でも構わないから奴を始末しな」
再びイヴの喝で気が引き締まった俺達は、言葉通り最後の力を振り絞った。イヴはあからさまに体力の限界が違い。ハクも徐々に力が弱まっている。それに俺達だって限界が近い。ここで勝負をかける――。
「これで終わらせるぞ。エミリア、フーリン!」
「うん!」
「ああ!」
俺も最後の力を振り絞り再度ドラゴンソウルを使用する。
俺達3人が戦闘態勢に入りアビスに攻撃を仕掛けようとしたまさにその刹那、突如頭の中から声が響いてきた。
<全員よく聞きな――>
「イヴ……?」
響いてきたのはイヴの声。しかも俺だけでなくエミリア、フーリン、ハク、そしてカルにまで同じ事が起こっている様だ。
<これは私の“念話”だ。私らにしか聞こえていない>
「あら、まさかやる気だけ出して怖気づいたかしら」
反射的に動きを止めてしまった俺達を見て、アビスが一瞬訝しい表情を浮かべながら冗談っぽくそう言った。
<念話がバレたら最後だ。奴にバレない様に兎に角攻撃を仕掛けな>
イヴに言われるがまま、俺達は全員でアイコンタクトを取ると一斉にアビス目掛けて攻撃を仕掛けた。
「うらッ!」
「はッ!」
「また馬鹿の一つ覚えみたいな攻撃ね。それじゃあ私は倒せないわよ」
<いいかい? 森羅万象、この世に存在するものには必ず“急所”がある。ラグナレクの核の様にねぇ。それは私ら3神柱も同じであり、奴もまた然りなのさ。
私がアンタ達にエネルギーの流れを会得させたのはこの時の為。全員で連携して僅か一瞬でいいからアビスの隙を生み出し核を狙うんだ。私が完璧なタイミングでアンタ達をそこへ導いてやるから、それまで死に物狂いで攻撃し続けな――!>
イヴの念話をしかと受け止めた俺達は全員自然と頷くとと共に、そこから息つく間もなく怒涛の連続攻撃を展開した。
俺が剣を振るってはフーリンが槍を突き、エミリアが後方から防御と攻撃を的確に魔法でサポート。更にカルが拳と蹴りを交えてハクの剣も振るわれる。四方八方から繰り出す連続攻撃。だが無数の神器を同時に出現させるアビスの強力な魔法によって中々決定的なダメージを与えられずにいた。
――ズガガガガガガガ!
俺達の絶え間ない攻撃がことごとくアビスの神器によって防がれては攻撃を放ってくる。繰り出しては躱し繰り出しては躱しの連続。その間も念話でイヴから的確な指示が入っている。
そして。
終わりが来ないのではないかと錯覚さえしてしまうこの激しい攻防に、遂に“その瞬間”が訪れる――。
23
あなたにおすすめの小説
【状態異常耐性】を手に入れたがパーティーを追い出されたEランク冒険者、危険度SSアルラウネ(美少女)と出会う。そして幸せになる。
シトラス=ライス
ファンタジー
万年Eランクで弓使いの冒険者【クルス】には目標があった。
十数年かけてため込んだ魔力を使って課題魔法を獲得し、冒険者ランクを上げたかったのだ。
そんな大事な魔力を、心優しいクルスは仲間の危機を救うべく"状態異常耐性"として使ってしまう。
おかげで辛くも勝利を収めたが、リーダーの魔法剣士はあろうことか、命の恩人である彼を、嫉妬が原因でパーティーから追放してしまう。
夢も、魔力も、そしてパーティーで唯一慕ってくれていた“魔法使いの後輩の少女”とも引き離され、何もかもをも失ったクルス。
彼は失意を酩酊でごまかし、死を覚悟して禁断の樹海へ足を踏み入れる。そしてそこで彼を待ち受けていたのは、
「獲物、来ましたね……?」
下半身はグロテスクな植物だが、上半身は女神のように美しい危険度SSの魔物:【アルラウネ】
アルラウネとの出会いと、手にした"状態異常耐性"の力が、Eランク冒険者クルスを新しい人生へ導いて行く。
*前作DSS(*パーティーを追い出されたDランク冒険者、声を失ったSSランク魔法使い(美少女)を拾う。そして癒される)と設定を共有する作品です。単体でも十分楽しめますが、前作をご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。
また三章より、前作キャラクターが多数登場いたします!
【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる