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第1章~追放と人魚と婚約破棄~
07 1週間
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♢♦︎♢
~冒険者ギルド~
僕とティファーナが出会った日から早くも1週間が経った─―。
「これで良し……っと。お願いしまーす!」
「ありがとうございます。それでは手続きさせて頂きますね」
ティファーナは慣れた様子で、冒険者ギルドの受付の人にクエスト完了届けを出した。
「すっかり慣れたね」
「もう毎日楽しい!どんどんクエスト受けよジル!」
「楽しそうで何よりだよ」
ティファーナと出会ったあの日、プロトイズで人化したティファーナと僕は冒険者ギルドに行き、ティファーナは本当に冒険者登録をしたのだ。そしてその次の日からもう1週間連続でクエストを受けている。
冒険者のランクは1番下のFランクから上はSランクまで。個人で冒険者ランクがあることは勿論、パーティやギルドにもランクが付く様になっている。冒険者登録したばかりのティファ―ナのランクは当然Fランクだ。
ちなみに僕はこの間ようやくEランクになったとこ。ラウギリやフレイムナイツはCランクあった。
登録したばかりのティファ―ナは、当然まだランクの低いクエストしか受けられない。指定の薬草や素材集めとか下級モンスターの討伐とかね。
それでも彼女は冒険者登録出来た事が余程嬉しかったのか、登録した日から今日までの1週間、毎日楽しそうにクエストを受けていた。
それはもう見てるこっちも思わず嬉しくなってしまう程の喜びよう。クエストの受注や処理も、最初は何も分からなかったが今ではもう手慣れたものだ。その証拠に、今もこうして冒険者ギルドの受付でクエスト完了の手続きを済ませている。
大きな木製のカウンターテーブルに身を乗り出しながら待っているティファ―ナ。
そのカウンターテーブルの向こうでは、ギルドの受付の人達が色々とクエストの書類を処理している。いつもの様に受付の人が処理を済ませ、クエストの実績やランクが更新された証の紙と報酬をティファ―ナに差し出した。
「ティファ―ナ様。手続きが完了致しました。こちらが今回のクエストの実績と報酬になります。お疲れ様でした」
「ありがとう!」
いつも満面の笑みで受け取るティファ―ナに、受付の人が何人か惚れている事は間違いない。だって普通に可愛いと思うし、それ以上にやはり刺激の強いあの服装。すれ違うだけで男は皆視線を奪われる。最初のプロトイズと比べればかなり露出は抑えているが……それでもねぇ。
「はいジル!またお金貰ったから上げるね」
「だからこれはティファ―ナが稼いだお金だから受け取れないってば」
露出から話は変わるが、クエストを受け始めるようになってからというもの、ティファ―ナは報酬を全て僕に渡そうとするのだ。
冒険者登録出来た事やこうしてクエストを受けられるのはジルのお陰だから! っと、彼女なりに恩返しをしようとしてくれている。
でも、流石に報酬を丸々受け取れはしない。そもそも僕が先に命を救われているんだから、僕の方こそ恩返ししてもし切れないんだよ。
だがティファ―ナ曰く、どうやら僕が上げた魔力が物凄かったのか、あれから少しも魔力が尽きないと言う。そのお陰で1日にいくつもクエストをこなせているんだと。
「だってギルド建てるにはお金掛かるんでしょ?私もギルド建ててみたい!だからそれに使ってって言ってるの」
「確かにそうだけど……」
僕はこの1週間で2つの疑問が生まれていた。
1つは勿論この魔力について。
ずっと不思議に思っているが、何故僕はティファ―ナにあれだけの魔力を与えられたのだろう? 今まではどんなに出そうと思っても少ししか魔力を出せなかったのに。これについては未だに謎だが、1つだけ分かった事がある。
僕が与えた魔力は、ティファ―ナによるとやはり凄い魔力量で、どれだけ使っても魔力は尽きないし、今まで扱えた魔法の威力や効果や精度も格段に上がったらしい。
それと同時に気になっていたあの光る紋章の様なマークは、ティファ―ナ自身も気付いておらず、今までの事から推測すると恐らく、僕の与えた魔力に反応している……と思う。あくまで推測。
そして2つ目。これが非常に想定外――。
ティファ―ナの言う通り、ギルドを建てるとなると相当な費用が掛かる。フレイムナイツを建てた時も、そこまで大きい訳でもないのに建設費に6,000,000Gは掛かった。人生で一番高い買い物だったよ。
しかも今回はただ建てるだけでなく、自分でも頭が可笑しいと思う海の上に建てようとしているのだから尚更だ。
どんぶり勘定でも相当なお金が必要。かなり小さく建ててもざっと10,000,000Gはするだろう。それにいくらギルドを建てたからといってそこから安定した経営が出来るかは全く別の話。人に話したらきっと大笑いされるし、上手くいく保証も当然ない。むしろ行く先真っ暗だ。
でも不思議な事に、何故か上手くいく気がするんだよなぁ。裏切られて死の恐怖も経験したから開き直ってるのかな?
まぁそんな事は取り敢えず置いといて、僕が何気なく言った海上ギルドの話を、ティファ―ナもまるで自分の事の様に楽しんで協力してくれているんだ。
毎日彼女とクエストを受け続けたこの1週間は本当に幸せだった。
必要なお金を溜めるにはかなり時間が掛かると少し憂鬱にもなったけど、彼女とこんなに楽しい毎日を送れるのならばそれも悪くない。何なら全然時間が掛かっていいとさえ思っている。
いや、そう思っていた。
ん?そうなる事を望んでいた……と言うのが正しいのか?
何故急に僕が言葉を選んでいるのか疑問に思うよね。
そうなんだ。
これが2つ目の疑問。
僕はティファーナと一緒ならいくらでも時間が掛かっていいと思っていたのだけれど、そんな願いは図らずも打ち砕かれた。
「――でしょ?だからジル、はい。報酬は全部受け取ってよね。海上ギルドはジルだけじゃなくて、もう私の夢でもあるんだから。それに今回の報酬は500,000G!これで“貯まった”よね!」
……何故?
本来ならパーティを組んで、ランクの高いクエストを命がけでこなして、何か月も必死で苦労して稼ぐ程の額を、何故“たった1週間で10,000,000G”も稼いでしまったのだろう――。
余談だけど、“G”と言うのはこの異世界の通貨だよ。
って、そんな事はどうでもいいや。
~冒険者ギルド~
僕とティファーナが出会った日から早くも1週間が経った─―。
「これで良し……っと。お願いしまーす!」
「ありがとうございます。それでは手続きさせて頂きますね」
ティファーナは慣れた様子で、冒険者ギルドの受付の人にクエスト完了届けを出した。
「すっかり慣れたね」
「もう毎日楽しい!どんどんクエスト受けよジル!」
「楽しそうで何よりだよ」
ティファーナと出会ったあの日、プロトイズで人化したティファーナと僕は冒険者ギルドに行き、ティファーナは本当に冒険者登録をしたのだ。そしてその次の日からもう1週間連続でクエストを受けている。
冒険者のランクは1番下のFランクから上はSランクまで。個人で冒険者ランクがあることは勿論、パーティやギルドにもランクが付く様になっている。冒険者登録したばかりのティファ―ナのランクは当然Fランクだ。
ちなみに僕はこの間ようやくEランクになったとこ。ラウギリやフレイムナイツはCランクあった。
登録したばかりのティファ―ナは、当然まだランクの低いクエストしか受けられない。指定の薬草や素材集めとか下級モンスターの討伐とかね。
それでも彼女は冒険者登録出来た事が余程嬉しかったのか、登録した日から今日までの1週間、毎日楽しそうにクエストを受けていた。
それはもう見てるこっちも思わず嬉しくなってしまう程の喜びよう。クエストの受注や処理も、最初は何も分からなかったが今ではもう手慣れたものだ。その証拠に、今もこうして冒険者ギルドの受付でクエスト完了の手続きを済ませている。
大きな木製のカウンターテーブルに身を乗り出しながら待っているティファ―ナ。
そのカウンターテーブルの向こうでは、ギルドの受付の人達が色々とクエストの書類を処理している。いつもの様に受付の人が処理を済ませ、クエストの実績やランクが更新された証の紙と報酬をティファ―ナに差し出した。
「ティファ―ナ様。手続きが完了致しました。こちらが今回のクエストの実績と報酬になります。お疲れ様でした」
「ありがとう!」
いつも満面の笑みで受け取るティファ―ナに、受付の人が何人か惚れている事は間違いない。だって普通に可愛いと思うし、それ以上にやはり刺激の強いあの服装。すれ違うだけで男は皆視線を奪われる。最初のプロトイズと比べればかなり露出は抑えているが……それでもねぇ。
「はいジル!またお金貰ったから上げるね」
「だからこれはティファ―ナが稼いだお金だから受け取れないってば」
露出から話は変わるが、クエストを受け始めるようになってからというもの、ティファ―ナは報酬を全て僕に渡そうとするのだ。
冒険者登録出来た事やこうしてクエストを受けられるのはジルのお陰だから! っと、彼女なりに恩返しをしようとしてくれている。
でも、流石に報酬を丸々受け取れはしない。そもそも僕が先に命を救われているんだから、僕の方こそ恩返ししてもし切れないんだよ。
だがティファ―ナ曰く、どうやら僕が上げた魔力が物凄かったのか、あれから少しも魔力が尽きないと言う。そのお陰で1日にいくつもクエストをこなせているんだと。
「だってギルド建てるにはお金掛かるんでしょ?私もギルド建ててみたい!だからそれに使ってって言ってるの」
「確かにそうだけど……」
僕はこの1週間で2つの疑問が生まれていた。
1つは勿論この魔力について。
ずっと不思議に思っているが、何故僕はティファ―ナにあれだけの魔力を与えられたのだろう? 今まではどんなに出そうと思っても少ししか魔力を出せなかったのに。これについては未だに謎だが、1つだけ分かった事がある。
僕が与えた魔力は、ティファ―ナによるとやはり凄い魔力量で、どれだけ使っても魔力は尽きないし、今まで扱えた魔法の威力や効果や精度も格段に上がったらしい。
それと同時に気になっていたあの光る紋章の様なマークは、ティファ―ナ自身も気付いておらず、今までの事から推測すると恐らく、僕の与えた魔力に反応している……と思う。あくまで推測。
そして2つ目。これが非常に想定外――。
ティファ―ナの言う通り、ギルドを建てるとなると相当な費用が掛かる。フレイムナイツを建てた時も、そこまで大きい訳でもないのに建設費に6,000,000Gは掛かった。人生で一番高い買い物だったよ。
しかも今回はただ建てるだけでなく、自分でも頭が可笑しいと思う海の上に建てようとしているのだから尚更だ。
どんぶり勘定でも相当なお金が必要。かなり小さく建ててもざっと10,000,000Gはするだろう。それにいくらギルドを建てたからといってそこから安定した経営が出来るかは全く別の話。人に話したらきっと大笑いされるし、上手くいく保証も当然ない。むしろ行く先真っ暗だ。
でも不思議な事に、何故か上手くいく気がするんだよなぁ。裏切られて死の恐怖も経験したから開き直ってるのかな?
まぁそんな事は取り敢えず置いといて、僕が何気なく言った海上ギルドの話を、ティファ―ナもまるで自分の事の様に楽しんで協力してくれているんだ。
毎日彼女とクエストを受け続けたこの1週間は本当に幸せだった。
必要なお金を溜めるにはかなり時間が掛かると少し憂鬱にもなったけど、彼女とこんなに楽しい毎日を送れるのならばそれも悪くない。何なら全然時間が掛かっていいとさえ思っている。
いや、そう思っていた。
ん?そうなる事を望んでいた……と言うのが正しいのか?
何故急に僕が言葉を選んでいるのか疑問に思うよね。
そうなんだ。
これが2つ目の疑問。
僕はティファーナと一緒ならいくらでも時間が掛かっていいと思っていたのだけれど、そんな願いは図らずも打ち砕かれた。
「――でしょ?だからジル、はい。報酬は全部受け取ってよね。海上ギルドはジルだけじゃなくて、もう私の夢でもあるんだから。それに今回の報酬は500,000G!これで“貯まった”よね!」
……何故?
本来ならパーティを組んで、ランクの高いクエストを命がけでこなして、何か月も必死で苦労して稼ぐ程の額を、何故“たった1週間で10,000,000G”も稼いでしまったのだろう――。
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