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第1章~追放と人魚と婚約破棄~
10 ギルドファクトリ―
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本当に貯まってしまった。しかも1週間で。
「凄いなお嬢ちゃん!」
「また記録更新か?」
「相変わらず可愛いな~」
「ウチのパーティー入ってくれよ!」
「彼女人魚族なのか」
「是非とも俺のギルドへ!」
そしてこの2~3日、どんどんティファ―ナに対する盛り上がりが凄い事になっている。
クエストを受けまくっているから基本的に何度も冒険者ギルドを訪れるのだが、毎度ティファ―ナ目的で集まっている人の群れが凄い。
また増えていないか……?
勧誘された中には結構有名なギルドもいくつかあった程だ。だがティファ―ナは全て断った。「私は海上ギルドを建てるの!」と、勧誘される度に放っていた決め台詞。言われた方は皆きょとんとしていたな。まぁ当然だよね。
「――で?どうやって建てるのギルド!」
相変わらずの可愛い笑顔でそう僕に言ってくるティファ―ナ。
顔を見たついでに視線を一瞬下にも移しておく。本当に一瞬だけね。
「そうだね……ギルドを建てるにはやっぱり専門の所に頼まないと」
「じゃあ早くそこ行こうよジル」
「あのさ、ティファ―ナ。このお金本当に使っていいの?君が頑張って稼いだものだよ」
「また同じこと言わせる気?私がそうしたいからいいの」
「分かった。それじゃあ行こうか」
こうして僕とティファ―ナはギルドを建てるべく、街の建築業者の所へ向かった。
♢♦♢
~ギルドファクトリー~
「――こんにちは!」
僕はドアを開け、店内中に聞こえる様に大きな声で挨拶をした。
「お、ジル君!久しぶりだね」
「お久しぶりです!」
この人は『ギルドファクトリー』という建築会社のトビオさん。数か月前、フレイムナイツのギルドを建てる時にお世話になった人だ。
「どうしたんだい今日は?って、もしかして隣のお嬢ちゃんは彼女か?」
「初めまして!将来妻になる予定のティファ―ナです」
「――⁉」
「い、いやいや、ちょっと待ってティファ―ナ!急にすいませんトビオさん。実は折り入ってご相談がありまして……」
話が一気にややこしくなりそうだと思った僕は、トビオさんに全てを話した。
僕がトビオさんと会うのはフレイムナイツのギルドが完成した日以来。その後から今日までの経緯をかくかくしかじか説明すると、トビオさんは僕の想定通り、想定の場所でちゃんと驚いてくれた。
あまりの出来事にまだきっと気持ちの整理がついていなさそうだが、流石大人と言うべきか……話を全て聞いたトビオさんは頷きながら理解してくれた。
「……成程なぁ。色々大変だったなジル君。でも無事でいてくれて良かったよ」
「ハハハ。今こうして話せるのが奇跡的です」
「話はよく分かった。それにしても、あんな可愛いお嬢ちゃんが1週間でそんな大金稼ぐとは恐れ入ったね。ウチは建築会社だから、当然ギルド建設の依頼となれば喜んで受けるよ」
「本当ですか⁉」
「ああ。ただ流石に海の上に建てた事がないから、時間や費用がどこまで掛かるか分からない。ひょっとしたらその大金でも難しいかもしれない……。少し時間をもらってもいいかな?最善のプランを考えてみるからさ」
「勿論です!ありがとうございます!」
街にはいくつかの建築会社があったが、僕はフレイムナイツを建てる時に全ての会社を回って、トビオさんのこのギルドファクトリーに決めた。
ギルドファクトリーより大きな会社はいくつもあったが、同じ業種の人達から話を聞いていると、よくトビオさん達の名前が出てきたんだ。トビオさんが経営するギルドファクトリーの人達は皆とても腕が良いらしい。それに、実際に会ってみるととても良い人だった。だからもう即決だったよ。
まさかこんな状況でまたトビオさんの所に来るなんて思ってもいなかったけど、僕のこんな無茶なお願いを聞いてくれるトビオさんには本当に感謝しかない。
「それじゃあまた連絡するから。それまで未来の妻とデートでもしておいで」
「そ、そんなんじゃないですって!」
他の人から改めて言われるととんでもなく恥ずかしいな。
「何恥ずかしがってるのよジル。待ってる間またクエスト受けようよ!」
「まだやるの⁉ ちょっと休めば?」
「う~ん、確かに毎日クエストばっかりよね……冒険者登録して浮かれて過ぎてたわね私。よし。じゃあトビオさんの言う通りデート行きましょうよ」
「え⁉ デート⁉」
「そうよ。そうと決まれば後1回クエスト受けてからデートに行きましょ。決定!それじゃあトビオさん、ギルドの件宜しくお願い致します!」
「了解!しっかりした奥さんもらって幸せだなジル君!」
ハハハハハ……。まぁいいや。兎に角トビオさんにギルドの事は頼めたし、少しゆっくりするか。この1週間待ってるだけで何もしていないけどね! ただ待つのだって疲れるんだよ結構。
それにティファ―ナとデートって――。
やば。
意識したら急に緊張してきた。デートっていう事は“そういう事”もアリなのかな?
いや、いかんいかん。直ぐに良からぬ妄想をしてしまう。
そういえば……デートの前にもう1回クエスト行くとか言ってたな。ホントよくやるよ。凄いよ君は。
僕はこの1週間座ってメモしていただけなのに、君は1千万以上も稼いだんだから。
自分が本当に情けなくなる。何なんだこの無能さは。
そんな事を思いながら歩いていると、あっという間にいつもの冒険者ギルドに着いた。
「凄いなお嬢ちゃん!」
「また記録更新か?」
「相変わらず可愛いな~」
「ウチのパーティー入ってくれよ!」
「彼女人魚族なのか」
「是非とも俺のギルドへ!」
そしてこの2~3日、どんどんティファ―ナに対する盛り上がりが凄い事になっている。
クエストを受けまくっているから基本的に何度も冒険者ギルドを訪れるのだが、毎度ティファ―ナ目的で集まっている人の群れが凄い。
また増えていないか……?
勧誘された中には結構有名なギルドもいくつかあった程だ。だがティファ―ナは全て断った。「私は海上ギルドを建てるの!」と、勧誘される度に放っていた決め台詞。言われた方は皆きょとんとしていたな。まぁ当然だよね。
「――で?どうやって建てるのギルド!」
相変わらずの可愛い笑顔でそう僕に言ってくるティファ―ナ。
顔を見たついでに視線を一瞬下にも移しておく。本当に一瞬だけね。
「そうだね……ギルドを建てるにはやっぱり専門の所に頼まないと」
「じゃあ早くそこ行こうよジル」
「あのさ、ティファ―ナ。このお金本当に使っていいの?君が頑張って稼いだものだよ」
「また同じこと言わせる気?私がそうしたいからいいの」
「分かった。それじゃあ行こうか」
こうして僕とティファ―ナはギルドを建てるべく、街の建築業者の所へ向かった。
♢♦♢
~ギルドファクトリー~
「――こんにちは!」
僕はドアを開け、店内中に聞こえる様に大きな声で挨拶をした。
「お、ジル君!久しぶりだね」
「お久しぶりです!」
この人は『ギルドファクトリー』という建築会社のトビオさん。数か月前、フレイムナイツのギルドを建てる時にお世話になった人だ。
「どうしたんだい今日は?って、もしかして隣のお嬢ちゃんは彼女か?」
「初めまして!将来妻になる予定のティファ―ナです」
「――⁉」
「い、いやいや、ちょっと待ってティファ―ナ!急にすいませんトビオさん。実は折り入ってご相談がありまして……」
話が一気にややこしくなりそうだと思った僕は、トビオさんに全てを話した。
僕がトビオさんと会うのはフレイムナイツのギルドが完成した日以来。その後から今日までの経緯をかくかくしかじか説明すると、トビオさんは僕の想定通り、想定の場所でちゃんと驚いてくれた。
あまりの出来事にまだきっと気持ちの整理がついていなさそうだが、流石大人と言うべきか……話を全て聞いたトビオさんは頷きながら理解してくれた。
「……成程なぁ。色々大変だったなジル君。でも無事でいてくれて良かったよ」
「ハハハ。今こうして話せるのが奇跡的です」
「話はよく分かった。それにしても、あんな可愛いお嬢ちゃんが1週間でそんな大金稼ぐとは恐れ入ったね。ウチは建築会社だから、当然ギルド建設の依頼となれば喜んで受けるよ」
「本当ですか⁉」
「ああ。ただ流石に海の上に建てた事がないから、時間や費用がどこまで掛かるか分からない。ひょっとしたらその大金でも難しいかもしれない……。少し時間をもらってもいいかな?最善のプランを考えてみるからさ」
「勿論です!ありがとうございます!」
街にはいくつかの建築会社があったが、僕はフレイムナイツを建てる時に全ての会社を回って、トビオさんのこのギルドファクトリーに決めた。
ギルドファクトリーより大きな会社はいくつもあったが、同じ業種の人達から話を聞いていると、よくトビオさん達の名前が出てきたんだ。トビオさんが経営するギルドファクトリーの人達は皆とても腕が良いらしい。それに、実際に会ってみるととても良い人だった。だからもう即決だったよ。
まさかこんな状況でまたトビオさんの所に来るなんて思ってもいなかったけど、僕のこんな無茶なお願いを聞いてくれるトビオさんには本当に感謝しかない。
「それじゃあまた連絡するから。それまで未来の妻とデートでもしておいで」
「そ、そんなんじゃないですって!」
他の人から改めて言われるととんでもなく恥ずかしいな。
「何恥ずかしがってるのよジル。待ってる間またクエスト受けようよ!」
「まだやるの⁉ ちょっと休めば?」
「う~ん、確かに毎日クエストばっかりよね……冒険者登録して浮かれて過ぎてたわね私。よし。じゃあトビオさんの言う通りデート行きましょうよ」
「え⁉ デート⁉」
「そうよ。そうと決まれば後1回クエスト受けてからデートに行きましょ。決定!それじゃあトビオさん、ギルドの件宜しくお願い致します!」
「了解!しっかりした奥さんもらって幸せだなジル君!」
ハハハハハ……。まぁいいや。兎に角トビオさんにギルドの事は頼めたし、少しゆっくりするか。この1週間待ってるだけで何もしていないけどね! ただ待つのだって疲れるんだよ結構。
それにティファ―ナとデートって――。
やば。
意識したら急に緊張してきた。デートっていう事は“そういう事”もアリなのかな?
いや、いかんいかん。直ぐに良からぬ妄想をしてしまう。
そういえば……デートの前にもう1回クエスト行くとか言ってたな。ホントよくやるよ。凄いよ君は。
僕はこの1週間座ってメモしていただけなのに、君は1千万以上も稼いだんだから。
自分が本当に情けなくなる。何なんだこの無能さは。
そんな事を思いながら歩いていると、あっという間にいつもの冒険者ギルドに着いた。
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