【魔力商人】の僕は異世界を商売繫盛で成り上がる~追放で海に捨てられた為、海上ギルド建てたら実力も売上も波に乗って異世界最強に~

きょろ

文字の大きさ
23 / 70
第2章~試験と赤髪と海上ギルド~

21 類は友を呼ぶ

しおりを挟む
「どうした?」
「あ、いえ。思い出したんですよ。あの赤髪の子を」
「初日の対人組手で圧倒的な実力を見せつけた子だよな?でも何故かそれ以降の試験ではパッとしていないが」
「それもそうなのですが、私は去年も試験の担当をしていたんです。その時にもいたんですよあの子。
でも、今までは決まって午前に筆記試験で午後に実技試験でしたよね。
去年もその実技試験の1つで、確か凄い記録を打ち出したにも関わらず、その後の実技が今回の様に振るわず、しかも筆記の成績が壊滅的に悪かったせいで落ちたかと......」
「筆記が評価に響くなんて聞いた事ないぞ。あれは試験と言っても、自分の職種や得意不得意を記す程度の超簡単なアンケートだぞ。それをどうやったら合否に響かせる事が出来るんだ」

 ディオルドさん。あなた強いのか弱いのかどっちなんですか。試験官さんが色んな意味で驚いてるのも無理ないぞ。そんな筆記試験落ちる方が凄い。そもそもそれ試験なのか? ただ自分の事を書くだけの自己紹介じゃないかそんなもの。過去や経緯を、聞けば聞く程謎が深まるばかりの人だ。

「しかも毎年、入団試験を担当した騎士団員達の中で、彼の事が噂になっていたんです。
騎士団の入団は15歳から。彼は今年で4度目ですが、その初年度に、これまでの入団試験の歴代記録を“最年少で更新”したんですよ!
でも、何故かその後急に姿が見えなくなってそのまま不合格になっちゃったんです」

 それはまたどういう事なんだ?

「そしてその次の年も、そのまた次の年も、どれか1つの実技試験では必ず歴代の記録を破ってるんですよね」
「それだけの実力があって何故受かってないんだ?」
「そこか私も分からないんですが……」

 試験官さんが言葉を詰まらせていると、その会話が聞こえたのであろうゴーキンさんが、これまた分かりやすく説明をしてくれた。

「その答えも俺が教えてやろうか!アンタ達試験官の言う通り、最初の年にコイツは最年少記録とやらを更新した。まぁそんな記録なんぞ強さに関係ないがな。コイツはその記録を打ち出した代わりに、魔力の使い過ぎで案の定酔いに襲われ、その日は便器が友達だったな!

その次の年は使いどころを考え、試験の最後に魔力を使い切ったが、筆記と実技が終わった後にまさか面接があるとは知らず、結界面接が出来なくて不合格。
そして満を持したその次の年、例年なら午前筆記、午後実技となっていた予定が急遽入れ替わった。
その年だけは面接が最初にあり、後は筆記と実技だけ。例え入れ替わったとしても全く問題はないけどな普通は。

だが、コイツは普通じゃない上に話を聞いていなかったから、面接を終えた後の午前の実技で終わりだと勘違いし、最後に力を使い切った。そして勿論午後の筆記は壊滅。何とかその場にはいたものの、何も書けず、挙句に用紙には汚物が付いていたと言う。
ダ~~ハッハッハッハッ!!あ~腹痛ぇ!これ以上笑わせないでくれぇ。頼むから」
 
 話を聞いていた皆は呆れすぎて誰も返す言葉が出なかった。ただ、試験管さんだけはそういう事かと妙に納得した表情だった。長年解けなかった謎が分かりスッキリしたのだろう。

「テメェだってずっと不合格だろうが筋肉馬鹿!」
「お前と一緒にするな!俺は毎年しっかり成績を残している。ただ面接をする奴らと相性が悪いだけだ!」
「毎年“面接で”不合格って事は、テメェのその態度に問題があるって事だ!それが分からないから永遠に不合格者なんだよお前は!」
「万年ゲロ野郎が何を言う!」
「人間不適合者に言われる筋合いはねぇ!」

 いつの間にかディオルドさんとゴーキンが口で対決していた。
 困ったな。どっちもアホ過ぎてどうしたら良いのか分からないぞ。

「2人共面白いね!私が試験官だったら合格にしちゃう」

 おいおい、ティファ―ナ。何故そこで君が割って入る。何にでも参戦するんじゃないよ全く。まぁそのお陰でディオルドさんとゴーキンの口論が止まったけど。この2人もちょっと変わってるけど、僕が出会った中ではティファ―ナが断トツ優勝。

「おお。話が分かる子じゃねぇか」
「って、お前クレイに攻撃されたとこ大丈夫なのか?」
「大丈夫!最近ちょっと強くなったから」
「確かにそこそこ強いみたいだけどな」

 類は友を呼ぶ。
 おっと、失礼な事を言ってしまった。

 しかしそう思えるくらいナチュラルに馴染んだねティファ―ナ。ディオルドさんとゴーキンさんも当たり前の様の会話を続けるのはどうかと……あ、そうだ。僕は今大変な事を思い出してしまった。思い出したと言うより、そもそも“こっち”がメイン。

 忘れていて御免なさい。
 
 僕は、恐る恐るクレイを見た―。
 するとどうだろう。

 彼は何時からか言葉も発せず、明後日の方向を向いたままぼ~っとしていた。あれはどういう感情なのだろう? 馬鹿馬鹿しくてやる気が無くなったのか、あるいは呆れすぎて茫然としているのか。

 答えはきっと両方。だってあまりおふざけが過ぎる。僕がクレイの立場だったら、自分が真剣になればなる程恥ずかしくなるよ。ほら。その証拠に、クレイの周りの風はさっきよりも強く吹き荒れてるし、魔力もどんどん上昇してる。早く気付いてくれよ皆!

「だからさ、そうしてみなって!」
「ホントかよそれ」
「お嬢ちゃんがたまたまそうなっただけだろ?」
「確かにそうだけど、ダメ元で」
「結構いい加減だな」

 何そんな日常の1コマみたいに会話して盛り上がってるのさ。そういうのが余計にクレイを挑発してるんだってば。早くしないとまたとんでもないッ……「もういい。死ね――」


 ほらね!!

しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~

巫叶月良成
ファンタジー
政治家の娘として生まれ、父から様々なことを学んだ少女が異世界の悪徳政治をぶった切る!? //////////////////////////////////////////////////// 悪役令嬢に転生させられた琴音は政治家の娘。 しかしテンプレも何もわからないまま放り出された悪役令嬢の世界で、しかもすでに婚約破棄から令嬢が暗殺された後のお話。 琴音は前世の父親の教えをもとに、口先と策謀で相手を騙し、男を篭絡しながら自分を陥れた相手に復讐し、歪んだ王国の政治ゲームを支配しようという一大謀略劇! ※魔法とかゲーム的要素はありません。恋愛要素、バトル要素も薄め……? ※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。 ※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。 隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

処理中です...