【魔力商人】の僕は異世界を商売繫盛で成り上がる~追放で海に捨てられた為、海上ギルド建てたら実力も売上も波に乗って異世界最強に~

きょろ

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第4章~賢者と聖女と新たな門出~

47 ロセリーヌという人物

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 「……おーい。ねぇ、ジルってば。またぼ~っとしてない? ジルー」
 「――え……?」

 ティファ―ナに呼び掛けられた僕は一瞬戸惑った。

 いけない。こんな神聖な大聖堂の……しかも何も知らない初対面の人の胸に、思わず“目を奪われて”しまった! なんて下種な人間なんだ僕は。エロい事しか考えられないのか全く。それにしても、あの胸に乗った一片の花びらが凄く気になる。あんな所に舞い散るかね普通。

「あ……」

 そんな事を思っていた矢先、優しく吹いた風によってその花びらが地面へと落ちていった。

 ん~。それはそれで何か寂しい気もするけど、これでスッキリ話を続けられそうだ。

「紹介が遅れましたね。私は『ロセリーヌ』と申します。ここブロッサム大聖堂で聖女をしております」

 顔と胸だけじゃない。
 表情や言葉や佇まい、全てが上品だ。その上優しくてどこか芯の強さも感じられる。最初にとんでもなく失礼な事を言った気もするが、それすらも優しく包み込んでくれそうな寛大さも感じる。

「ダメだよロセリーヌ! ああいう人達はしっかり言わないと分からないんだから」

 ティファ―ナよ。君は本当に凄い。良くこの流れで会話を続けたね。それもまるで友達かの如く。

「え、ええ。確かにそうよね。ティファ―ナちゃんの言う通りだわ」
「そうそう。で、ロセリーヌは何でイジメられていたの?」

 またどストレートな質問を。

「私がいけないのよ。聖女として大した才能も能力もないのに、“シスター”に任命されてしまったから」

 僕とティファ―ナがいまいち状況を把握出来ていないと分かったロセリーヌさんは、関係ない僕達に話す理由など微塵もないのに、いつの間にか優しく語ってくれた。

 さっきも言ったが、ロセリーヌさんはここブロッサム大聖堂の聖女だ。年齢は19歳らしい。ディオルドとバレンより1つ上だね。ロセリーヌさんによると、今ブロッサム大聖堂には“シスター”がいないとの事。このブロッサム大聖堂でいうシスターとは、言ってしまえばここの全責任者といったとても凄い存在らしい。

 シスターになる為には聖女としての能力は勿論、人間性、品格、慈愛や奉仕……聖女の事はよく分からないが、兎に角、選ばれた者のみなる事が出来るんだとか。僕達に1番近い感覚で言うと、パーティのリーダーやギルドのマスターだと思う。

 でもきっとそれよりずっと大変だし、本当に人の事を想えないと聖女になんてなれない。そんな人達の中の更にトップとも言うべきなのがシスターなのだから、選ばれると言うのは相当凄い事だ。

 だけど、これがどうやら今回のイジメとも取れる原因になっているそうで、前シスターが歳を召されてその座を降りる事になり、その前シスターが次のシスターに任命したのがロセリーヌさんだと言う。だがロセリーヌさんは、さっきの3人を含めた約9割の人達に反対され嫌がらせ受けているらしい。

 華やかな外観からは想像も出来ない程禍々しい話だなコレは。

 ブロッサム大聖堂には全部で聖女が100人以上。聖堂の大きさや聖女の人数は世界でもトップクラスだそう。それだけの人数で9割以上って、言っちゃ悪いけどほぼ嫌われてるんじゃ……と思ったけど、そんな事は言えない。それだけ人がいれば少なからず意見が割れるとは思うけど、コレに至っては結論が出てしまっている。

 何故そんなに反対されているんだ? 他の誰でもない、前シスターが任命した人しょ? こんな素敵な人なのに……。見た目とかは関係なく勿論中身がね。初めて会ったけど、ロセリーヌさんがシスターに選ばれたのも充分頷けるよ僕は。

 でも男と違って、女の人の世界の方がそういう闘いは大変なんだろうな。ティファ―ナとは真逆で、ロセリーヌさんは謙虚で奥ゆかしい。でもそれが尚更気に入らない人は気に入らないんだろうな。こればかりは男の僕では分からない。

 いや、男女関係なくロセリーヌさんは絶対いい人だぞ。いるよね、この人絶対いい人だって直ぐに分かる人。ロセリーヌさんはまさにそれ。

 にも関わらず9割が反対って……もしかして裏表の性格が異常にヤバい人なのか? って、そんな人だったら前シスターも次に任命しないだろ。

「――何かごめんなさい。見ず知らずのティファ―ナちゃんとジル君にこんな話をしてしまって……」
「そんな事無いですよ。僕達の方こそ、部外者なのに首を突っ込んでしまってすいません。ご迷惑お掛けしました」
「酷い大聖堂ね。外はこんなに綺麗なのに中身が最低だわ」

 それは僕も全く同意見だけど。

「フフフ。初対面の私の事で、そこまで真剣に怒ってくれたのはティファーナちゃんぐらいよ。ありがとう」
「やっぱり納得いかないわ。拳でケリを着けに行きましょう!」
「おいおいおい! どうしたんだよティファ―ナ⁉ 確かにムカつくのは分かるけど、何で今日はそんなに攻撃的なんだよ」
「異世海に住んでる魚人族でもあるのよね。ああいう弱い者イジメする人達って。私の友達も昔イジメられていた事があってね、どうしても我慢出来ないのよ私。だからロセリーヌ! ここで白黒はっきりさせに行こう!」

 ティファ―ナは腕をぐるんぐるん回しやる気十分。今すぐにでも先陣を切りそうだ。

「だからダメだって!」

 こんな観光名所で暴れたら大事件になるぞ。それこそロセリーヌさんに迷惑が掛かる。

「じゃあ他に解決策あるの? ジル」

 そんなに僕を睨まれても。
 確かにロセリーヌさんの力にはなりたいけど、こんなの一体どうすれば……。

「あの~、ロセリーヌさん。もし差し支えなければ教えて頂きたいんですけど――」
 
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