【魔力商人】の僕は異世界を商売繫盛で成り上がる~追放で海に捨てられた為、海上ギルド建てたら実力も売上も波に乗って異世界最強に~

きょろ

文字の大きさ
62 / 70
第5章~創造とエデンと2つの力

60 歴史は繰り返す②

しおりを挟む
古くから語り継がれるこの神話が何処まで真実かは分からぬが、逆を言えば世界を揺るがす力が確実に2つは存在し、それによって世界大魔戦が3度も起きているという真実がある。

それと同時に、この3度の世界大魔戦はアダムスの力とイブリアの力が決まって“対立”しているのだ。長年の歴史からアダムスの力を“バース”と呼び、またイブリアの力を“ロスト”と呼んでいる。初めてアダムスとイブリアの力の実を口にした者達以降、その力は人の命と共にずっと生まれ変わりを続けているそうだ……。

誰が力を手にするのかは全く分からない。だがこの力は不思議な事に、互いを引き寄せ合っているとも言われている。
3度の世界大魔戦の中でも第一次は比較にならない程大規模であり、死者や被害が最大級であった。常に血と狂気に満ちた争いは凄まじく冷酷非道。長い歴史の中で最も最悪な戦争とされている。

当時、第一次世界大魔戦のきっかけとなるバースの力を受け継いだ者が、バースの力とロストの力……そしてそれによって生まれてしまう脅威や争いを2度と生ませない為に、その者は命懸けでこの2つの力をまとめ抑えようとした。

しかし結果は失敗――。

見事ロストの力を持った者に勝ち2つの力を手にした彼は、後に神の魔力と語られる凄まじい魔力を手にした。
それは余りに常人離れした驚異的な力であり神秘的な力であった……。まさに神と語られるに相応しい力であったと言われている。
それこそ神が如く、“何でも出来る”と思える感覚の魔力であったらしい。

そしてその者は直感で感じ取った……。何でも出来るとさえ思えるこの力を以てしても、“この力自体を消滅させる”事は不可能であると――。

だからこそ彼は、バースとロストの力を少しでも弱らせようと2つの力を限りなく封じ込め、また2つに分断させた。それが彼に出来た最善策であったそうだ。
それから約1000年後に第二次、そこから更に500年後に第三次世界大魔戦が起きる事となったが、彼が力を抑制した事により少しだけ争いの規模や被害が小さく済んだ。

第一次とそれ以降で最も違う点はやはりバースとロストの力。彼によって2つの力は“一定条件”の枷を付けられた。

力を受け継いだ者の9割はそもそも己の真実の力に気付かない。気付いたとしても、強大な力を完璧に使いこなす事が極めて困難だ。だが100%安全という事は決してない。その証拠が第二次と第三次である。

せめてもの救いが、第二次でも第三次でも、2つの力が最大限まで覚醒されていなかった事。それこそが第一次を収めた彼の最後の策。

肝心なバースとロストの力を完全に引き出す一定条件と言うのが……受け継いだ者が先ずその力に気付き覚醒させるという事。そして力を1人で発揮出来ない様にする為、受け継いだ者が自分以外の“対象者9人”を覚醒させなければならないという事。

自分を含めた10人が揃って初めて、受け継いだ者に真の力が解放されると言われているのだ――。

第二次と第三次の規模が幾分か小さくなった要因はそこ。第二次でも第三次でも、それぞれバース軍とロスト軍に力を解放すると言われる対象者が全員は揃っていなかったそうだ。
明確な数は明らかとなっていないが、どちらの大魔戦でも両軍とも2~6人程だったらしい。

対象者となる9人の条件こそ一切情報が分からないらしく、年齢、性別、職種、種族、魔力、強さ、冒険者ランクに身長、体重まで、対象者には何の共通点もない全くのランダムだそうだ。

だがたった1つだけ、何の共通点もない対象者達に唯一あった共通点が……“紋章”――。

それだけが分かっている。
その紋章は不思議な光と共に体に浮かび上がり、対象者の力を何倍も増幅させると言われている。


どうだ……?
長くてややこしい、加えて大昔から語り継がれている神話みたいな話だからまるでピンとこないと思うが、それでも“今の自分”に少なからず似た部分があり、思い当たる節が0ではないのでは?……ジルよ――」






 言葉が出ない。


 話の規模が大きすぎて、まるで理解が追いつかない……。


 いや……イェルメスさんの話は、今まで読んだどの書物よりも分かりやすかった。


 自分が思っていた以上のスケールの大きさに、僕自身が全然受け入れられていないんだ……。


 まさか僕の力がそんなに強大なものだったなんて、とてもじゃないけど信じられません。


「ハッハッハッハッ! 確かに君の力は今の話にとてもよく似ているが、まだ確定した訳じゃない。気負い過ぎるでない」
「ハハハ……。そ、そうですよねぇ。まさか僕の力がそんな凄いものなんてッ……「いや、私の見解では十中八九バースの力だ――」
「なッ……⁉⁉」

 終わった。

 話の途中から物凄く嫌な感じがしていたけれど、パッと脳裏を過った最悪なシナリオをたった今付き尽きられてしまった。

 嫌だ……。嘘であってくれ。頼む、お願いだ。

 もうこれ以上僕の人生に波風を立てないでくッ……「起きるぞ。“第四次世界大魔戦”――」

「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ……!!」 

 



 僕の叫びは広い海に響き渡った――。
 
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~

巫叶月良成
ファンタジー
政治家の娘として生まれ、父から様々なことを学んだ少女が異世界の悪徳政治をぶった切る!? //////////////////////////////////////////////////// 悪役令嬢に転生させられた琴音は政治家の娘。 しかしテンプレも何もわからないまま放り出された悪役令嬢の世界で、しかもすでに婚約破棄から令嬢が暗殺された後のお話。 琴音は前世の父親の教えをもとに、口先と策謀で相手を騙し、男を篭絡しながら自分を陥れた相手に復讐し、歪んだ王国の政治ゲームを支配しようという一大謀略劇! ※魔法とかゲーム的要素はありません。恋愛要素、バトル要素も薄め……? ※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。 ※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。 隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

どうやら悪役令嬢のようですが、興味が無いので錬金術師を目指します(旧:公爵令嬢ですが錬金術師を兼業します)

水神瑠架
ファンタジー
――悪役令嬢だったようですが私は今、自由に楽しく生きています! ――  乙女ゲームに酷似した世界に転生? けど私、このゲームの本筋よりも寄り道のミニゲームにはまっていたんですけど? 基本的に攻略者達の顔もうろ覚えなんですけど?! けど転生してしまったら仕方無いですよね。攻略者を助けるなんて面倒い事するような性格でも無いし好きに生きてもいいですよね? 運が良いのか悪いのか好きな事出来そうな環境に産まれたようですしヒロイン役でも無いようですので。という事で私、顔もうろ覚えのキャラの救済よりも好きな事をして生きて行きます! ……極めろ【錬金術師】! 目指せ【錬金術マスター】! ★★  乙女ゲームの本筋の恋愛じゃない所にはまっていた女性の前世が蘇った公爵令嬢が自分がゲームの中での悪役令嬢だという事も知らず大好きな【錬金術】を極めるため邁進します。流石に途中で気づきますし、相手役も出てきますが、しばらく出てこないと思います。好きに生きた結果攻略者達の悲惨なフラグを折ったりするかも? 基本的に主人公は「攻略者の救済<自分が自由に生きる事」ですので薄情に見える事もあるかもしれません。そんな主人公が生きる世界をとくと御覧あれ! ★★  この話の中での【錬金術】は学問というよりも何かを「創作」する事の出来る手段の意味合いが大きいです。ですので本来の錬金術の学術的な論理は出てきません。この世界での独自の力が【錬金術】となります。

処理中です...