呪われた勇者~呪いのスキル『引寄せ』を授かった俺は、災いを引寄せると一族を追放。だが気が付けば災いどころか最強スキルばかり引寄せて最強に~

きょろ

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第3章~モンスター討伐会~

3-3 グリムリーパーと剣姫を引寄せた

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♢♦♢

「あれ、また何かスキルが増えてるぞ」

 モンスター討伐会も終わりの時間が迫ってきた頃、何気なくブロンズの腕輪に目をやるとそこには新たなに『感知』というスキルが追加されていた。

「今度は感知か。ひょっとして魔力やモンスターを感知してくれるスキルかな? だとしたら今の僕にとってはかなりの当たりスキル」

 物は試しだと、僕は早速『感知』スキルを発動してみた。
 すると、自分を中心に周囲3㎞までの魔力が感知出来た。

「おお……やっぱりそうだ! これは便利だぞ」

 森一帯からは多くの参加者達やモンスターの魔力を的確に感知出来る。対象の魔力の強さや性別。モンスターも種類まで分かる。

「うわぁ、皆頑張ってるな。僕も急がないと。ってそう言えば、まだ『神速』のスキルも使った事がないよね。これは何だろう」

 討伐会の真っ最中にも関わらず、新たなスキルの追加でふとそんな事が気になってしまった。こっちの『神速』スキルも物は試しと発動させると、次の瞬間目にも留まらぬ速さで動く事が出来た。

「これも凄いな! 神速自分の動きを速めてくれるスキルなんだ。どうしてもっと早く気付いて使わなかったんだよ僕は」

 これならもっと早く移動してもっと早くモンスターを倒せるじゃないか。

 新たな発見に俄然やる気が出て来た僕は、『感知』と『神速』を同時に発動させて再び森の中を駆け回る。

 当たり前だけど、モンスターの位置が手に取る様に分かる挙句に動きも速くなった事で今までとは比にならない速さでモンスターを討伐する事に成功中。

「これは早い。モンスター討伐会専門と言っても過言ではない程マッチしたスキルだ。この調子で残りも一気に……!」

 そう思った刹那、城の城壁付近から凄まじい魔力を感知した。

「こ、この魔力は……グリムリーパー⁉」

 何でAランクのグリムリーパーなんて危険なモンスターがここに⁉ ってヤバいぞ。そこは一般の観覧者達も集まっている場所だ。早くグリムリーパーを倒さないと皆が……!

 予想だにしていなかった状況に焦りが生まれつつも、僕は『神速』スキルを使って一直線にグリムリーパーの元へ向かう。神速スキルのお陰で直ぐに城壁が見え、その前に巨大な鎌を持っているグリムリーパーの姿を捉える事が出来た。

「いた。皆も逃げようとしているみたいだから何とかアイツを止めないと……ん?」

 僕はグリムリーパーの魔力ばかりに気を取られていたが、良く見るとそこにはエスぺランズ商会の責任者でもあるエミリさんの姿があった。

「え、ヤバいぞ」

 グリムリーパーを視界に捉えたのも束の間、奴は持っていた巨大な鎌を振り上げると、そのまま一切の躊躇なくエミリさんに向かって振り下ろそうとしていた。

「くッ……間に合え……!」

 『神速』スキルを使ってもギリギリ。
 僕は一心不乱に突っ込み、グリムリーパーが振り下ろした鎌とエミリさんの間に間一髪割り込んだ。

 「危ない!」

 ――ガキィィィィン!
 グリムリーパーの強烈な攻撃を何とか受け止めた僕。見た感じエミリさんも無事そうだ。

「ふう、間に合って良かったぁ。大丈夫ですか?」
「ジーク……レオハルト」

 エミリさんは僕が突如現れた事に驚いているのか、目を見開いてじっとこちらを見ていた。

 何だろう。今何か言った様だけど気にせいかな?

『ウヴぁァァ!』
「ッ⁉」

 間一髪エミリさんを守れたかと思いきや、容赦ないグリムリーパーは言葉にならない呻き声を発しながら再び巨大な鎌を振り上げた。そして鎌に黒い瘴気を集めると、奴は勢いよくを鎌を振って黒い瘴気を斬撃として飛ばしてきたのだった。

「エミリさん下がって!」

 僕は『無効』スキルを発動させてそのまま黒い瘴気を斬り払い、立て続けにグリムリーパーの体を一刀両断。しかし、実体のないグリムリーパーは霧の如く体を揺らめかせると、何事も無かったかの様にまた元の姿に戻った。

『ヴぃオオ』
「ダメか。なら『必中』スキルで核を狙うしかない」

 まだ皆は避難している最中。絶対にここを通しちゃいけない。

「ありがとうございますジークさん。私も戦います」
「え、僕の事知ってるんですか? と言うかダメですよエミリさん。無理はせずに休んでいて下さい。僕がやりますから」
「そんな事を言っても、相手はAランクのグリムリーパーよ。1人なんて無謀にも程があるわ」
『ギァヴヴ!』

 僕とエミリさんの会話を阻む様に、グリムリーパーは巨大な鎌を振り上げながらこっちに向かってきた。

 あの体に攻撃が効かないなら狙うは鎌か骸骨の頭部。恐らく核は頭部だろう。僕は『必中』と『神速』のスキルを同時に発動させて思い切り剣を振り抜いた。

 ――バキィン!
『グャぁガガァァ……!」
「よし。狙い通り」

 核を破壊した確かな手応えと共にグリムリーパーを見ると、奴は一際大きな呻き声を挙げるなりそのまま消える様に消滅していってしまった。

「「おおぉぉぉぉぉぉッ!!」」
「わッ⁉」

 グリムリーパーを倒した瞬間、突如城壁の方から凄い歓声が響き思わず驚く。何だろうと思い反射的にそちらに視線を移すと、城壁の向こう側で避難していた観覧者達が砕かれた壁の穴からこちらを見ていた。

 どうやら僕がグリムリーパーと戦っていたのを何時からか見ていたんだろう。

「ありがとう少年!」
「グリムリーパーを倒すなんて凄いわ!」
「あの子は確か先日Aランクに上がったレオハルト家の子じゃないか?」
「誰でもいいじゃないか! 兎に角君のお陰で助かったよ。ありがとう!」

 思いがけない歓声とお礼を受けた僕は、少し恥ずかしながらも一先ず皆に頭を下げた。良かった。何とかグリムリーパーを倒せて。でも本当に皆大丈夫なんだろうか。僕が来る前に既に被害が出ているんじゃ……。

「まさかあのグリムリーパーを1人で倒すなんて驚いた。流石私のヒー……勇者一族のジーク・レオハルトね。ありがとう」
「お礼なんてとんでもないです。それよりエミリさんは怪我とかしていないですか? 他の皆は?」
「大丈夫よ。ジークさんのお陰で被害が出る前に止められたわ。私もちょっと体を強く打っただけで大した事ないから」
「そうですか。なら安心しました! そう言えば何で僕の事知っているんですか?」

 何気なくそう尋ねると、エミリさんは何故か少し顔を赤らめて一瞬言葉に詰まっている様に見えたが、「主催者として討伐会の参加者は全員把握しているだけですよ」と僕に言った。

 凄いな。
 これだけ大勢の参加者達を覚えているなんて。
 流石は王国でも随一の大商会、エスぺランズの最高責任者だ。僕とそれ程変わらない歳なのに本当に凄いな。

 僕は改めてエミリさんという人の凄さを実感しながら、予想外のハプニングを乗り越えて無事にモンスター討伐会を終えたのだった――。
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