私やっと目が覚めました。恋は盲目と言うけど冷静になると自分に呆れています……

さくらもち

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目が覚めました

「はぁ……」
レイリーンはその日のお客が話していた内容が頭から離れなかった。
若くして公爵位を継いだ領主の居る領都の一角で小さいながらそれなりに評判のいいカフェを経営していて、モテモテの彼氏がいて順風満帆と本人は今日まで思っていたのだが、とあるお客の会話が耳に入りようやく自分の立場を自覚する事になるとは思わなかったのだ。

レイリーンは元々隣領の領主で伯爵家の娘なのだが、実家との反りが合わず(端的に言えば後妻の継母と異母弟妹)16歳の成人のデビュタント直後に家出をしてこの都で小さいながらもカフェを開いたのだ。
反りが会わないと言えど貴族家の令嬢としての品格を維持する名目で宝飾類はあったのでそれを換金して得たお金でカフェを開く事が出来たのは良かったのだが、箱入りな令嬢がちょっと甘い言葉を囁いて優しくしてくれたチャラ男のラルフに恋してしまったと勘違いするのはよくある話なのかもしれない。

「はぁぁぁぁ……」
閉店後の片付けを放棄して客席で何度目かのため息をつくが、なにも状況は変わらない。

恋人だと思っていた男には実は本命の相手(まだ振り向いて貰えてないらしい)がいて、私を含め数人の遊び相手に貢がせて居るという話を彼の悪友達とその彼女と思わしき人達がお客として来店し面白おかしく笑いながら話していたのを耳にしてしまった。

なんとか閉店まで無心で働いたが閉店後戸締りだけなんとか行い今に至る。

違和感はあったけど、恋に恋する乙女状態だった私は素敵な男性との交流に夢中になっており違和感は気付かないふりをしていたのかもしれない。
「ごめんよ、俺はモテるからレイと付き合ってるのがバレたら君に迷惑がかかる。それは嫌だから俺たちの関係は今は内緒にしていて欲しい。」
そう言われ確かにモテモテの彼と付き合ってるなんてバレたら女性をターゲットにしているこのカフェの売上も落ちるかもしれないという思いもあり騙されていたのだ。

デートは主に閉店後の店で料理を振舞ったりするくらいで外で会うことは1度もなかったという事にさえ今更気付いたくらい。
そのくせさりげなく「アレが欲しいけど無駄遣い出来ないし我慢だよな。」とかぬかして私は彼が喜ぶならとせっせと貢いでしまっていた。

都合よく使われていた事実を知り冷静になって考えると間抜けすぎる自分に情けなくなるがここで目が覚めたからにはこのままではダメだと思い至った頃には夜が更けるどころか朝になっていた。



「は?もう一度言ってくれないかい?」
翌日寝不足のまま店を開けなんとか乗り切った後のこの話は正直にいうとかなりキツイ。
「だからもうラルフとは会うのを辞めたいの。」
正直まだ恋心は微かに残ってる気がするけど初めての恋にはっちゃけていた名残だと思う自分もいるのでハッキリ別れ?を告げる。
「どうしたんだ?急にそんな事を言い出すなんて、体調でも悪いのか?」
貢いで貰える相手を無くしたくないからなのかいつも以上に優しいラルフにちょっぴり騙されそうになるが、昨日のお客が言っていたことがほぼ間違いないと言うことを調べた今は騙される訳にはいかない。

「モテる貴方と一緒にいるのが辛くなったの。」
他に女がいるでしょ?とはなんとなく怖くて聞きたくなかったから不安になるからもう無理って事にしたんだけども、なかなか納得してくれないのよね。
そりゃ貢いでくれる都合の良い女が居なくなったら困るだろうから彼も引き止めて来るのかなとは今なら分かるけど。
「そ、それは本当に申し訳ないけどそんな事でもう会わないなんて言わないでおくれよ。」
そんな必死のラルフを見ているうちにほのかに残っていると思っていた恋心が霧散していく気がする。
「じゃあ一緒に外でデートして恋人だってみんなに紹介してくれるの??」
もうラルフと付き合う気はないけれど、以前重たい女は苦手と言っていた事をふと思い出したので聞いてみた。
「それは君のためにもやめておこうってなったじゃないか。」
まだ丸め込めると思っているのかしら。
「もうそういうのに疲れたの、それにこのお店ももう少し営業時間を減らそうと思ってるから貴方を喜ばせることも出来なくなるし。」
ようは金づるでは無くなるわよってアピールをすると
「はぁ、じゃあ街ですれ違っても声を掛けないでくれ、それから俺たちが付き合っていたことも言いふらさないで欲しい。」
「それはお互い様ね、もしも嫌がらせでこのお店の評判を落とすことをするようならばわたしも何を言うか分からないけれども。」
忘れかけていた貴族令嬢の腹の探り合いの感覚をふと思い出したしてしまう。
こういう不誠実な男はこちらが分からないと思って嫌がらせしてきそうだわと今更ながら恋をして盲目だったのだなと自分が情けなくなるわ。

「ふん……」
図星だったのかなんなのかは分からないけれども何も言わずに店を出ていくのをホッとする気持ちで見送った事が今の私の気持ちなのかもしてれない。
その後我に返り慌てて戸締りをし片付けもそこそこに倒れ込むようにベッドに入りそのまま寝てしまった。

翌日は定休日だったので久しぶりに寝坊をしてのんびり過ごすことに、
「はぁぁぁ、なんであんなのに惚れちゃってたんだろう。」
冷静になると恋に恋する状態だった自分に自己嫌悪をするがやっぱり幸せな家庭に憧れはずーっとあったのでより盲目になったのだろうと自分を納得させることにした。

「なんにせよ、あんなのは忘れて今後のことよねー」
あれだけ言ったし周りの目を気にするやつだから今まで色んな人にバレずに貢がせていたんだろうから(友人がバカすぎてわたし的には助かったけど)
当面はこのカフェを生きがいとしてがんばろう!

それでもっといい男を捕まえてやるんだから!!


この後店は人を雇って任せられるくらいには繁盛し、私は新しい恋に出会えたのはまた別のお話!

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
書いていて支離滅裂( ̄▽ ̄;)
設定したけど上手く主人公を活かしきれませんでした。
設定した意味ないかも……
せっかく書いたので駄作ですがupします(*^^*)
続きが気になる方がいたら設定を活かして?書くかもです(笑)
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