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序章

異世界への到着

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 扉をくぐったあと、白い光に包まれ、半分寝ているような感じだった。
 しばらくして、意識を取り戻した。

 早速『精神同調』で六つに分かれた自分に連絡をとる。

「まず、それぞれが今置かれている状況を説明しよう。僕は、パッと見元の世界の身体で、特に異常はない。今草原みたいなところにいる。」
「僕は神殿みたいなところで、超絶な美形になってます。聖職者みたいな人たちがいっぱい居て跪いてます。」
「僕はどうやら転移ではなく、転生したようです。今の身体は幼児で、内装から見るとおそらく貴族の屋敷のようです。」
「僕は黒のドラゴンになりました。ロマンの塊ですね。森のようなところにいます。あたりを引きましたね。」
「あなたたちはドラゴンにになった方以外は普通でよかったんですが、僕はゴブリンですよ。
 まぁ~、魔物転生の場合、それはそれで何かを成し遂げた時達成感があって燃えるんですけど。」
 ……
「ぐすっ、うぐ…」
「なんだか泣き声が聞こえませんか?」
「六番の僕、どうしたんですか?」
「あのギャグ神が何かしたんですか?」
「ぐす、実は、僕、ミジンコになりました。」

「……」
「……」
「……」
「……」
「……」

「「「「「あいつを殺しに行こう。」」」」」

(ストォォォォォォォォプ!!!
 弁解させて。これには深淵よりもふか~い)

「「「「「応答無用!!!」」」」」

(ギィィャャャャヤヤ!!!)

「みんな、まず聞いてから殺しましょう。」
「「「「「五分でまとめろ!」」」」」

(はい!というか、六番さんも結局は私を殺すんですね。
 私はあなた方の転生種族について特に何も手出しはしてないんですよ。一番の方と神殿に転生した方には手を出したんですが、それ以外の方はノータッチです。
 そのかわり、その四名の方には種族親和力というものを一定の量を与えました。これが高ければより良い種族になれます。
 でも六番さんは転生する際にドラゴンに転生した方に転生親和力を大量に奪われました。というか、そのおかげでその方はドラゴンになれました。)

「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「………………」

「「「「六番さん、一緒にドラゴンスレイヤーになりましょう。」」」」

「やぁぁぁめぇぇぇてぇぇぇ!!
 青年さん、助けてください!」

(じゃあ、僕はこれでバイバーイ。)

「見捨てられたぁぁ!!」

「「「「さて、あなたをどうしましょうか。」」」」

「この度は誠に申し訳ありませんでしたぁぁ!!
 僕の全身全霊を六番様に捧げますので、どうか、命だけは!命だけはお赦しください。」

「うん、わかりました。そこまで言うんだったら、僕も酷なことはしないですよ。
 ただし、もし万が一なとこがあったら。」

「「「「ドラゴンステーキが食べたいな~~。」」」」

「イーーーーーーヤーーーーーー!!
 絶対に破りません!」

(こうして、ドラゴンを従えるミジンコが誕生した。ww )

「あれ、またいたんですか?」
「ささっと帰ってください。」
「やっぱり暇なんですか?」
「友だちいないんですよ、きっと。」
「ちょっと、それはみんなわかってるけど、言っちゃダメでしょ。」
「淋しかったらいつでも来てください。」

「ぐすっ、うぐ……
 うわ~~~~~~~~ん。」
 至高神様は泣きながら逃げ出した。

「いじめ過ぎちゃいましたね。」
「でも、やめる気なんてさらさらないでしょ。」
「こんな楽しいことやめられる方の精神力を尊敬します。」
「神たる者がこのくらいではどうてことないはずです。」
「なら、次はパワーアップしましょう。」
「楽しみですね。」
「「「「「そうですね。ハハハハハ。」」」」」

「さて、話を戻しますね。
 六番さん、あなたは今いる場所は?」
「よく分かりません。
 水の中だと思いますが、暗くてよく見えません。」
「ミジンコの視力ですからね。」
「すみませんでした!!」

「一つ提案があります。これから異世界で名乗る時、みんなヒグチ・ダイスケだと紛らわしいし、面白くないので、異世界用の名前を作りませんか?」
「それは良い提案です。」
「厨二病くすぐるやつにしましょう。」
「ロマンあふれるやつで。」
「かっこよさも忘れてはいけません。」
「名乗る時の恥ずかしさを考慮しますと。」
 ……………………………………………………………………
 全然決まらなかった、みんな色んな案を出してくれるのですが。
 これを足したい、こっちの方がいい、それはダメだ、と色々却下され、最後にいいのが出ても言うのが恥ずかしいとボツにされる。

「あのう、簡単に数字とかどうでしょう?
 今、私たちが一番、二番と呼び合うように。」
「えぇ、一番、二番はダサいですよ。」
「では他の言語の数字の発音を使っては?」
「それがいいです。そうしましょう。」
「僕もそれが一番無難だと思う。」
「じゃあ、一番身近なアラビア数字で。」
「「「「「それだ!!」」」」」
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