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アーナスター編
境界のフェアリー I
しおりを挟む告白したけど、冗談だよねって流された。
好きで好きで、考えると苦しくなるくらいに大好きで、なんで私じゃ駄目なんだろうって泣いた次の日、登校したら皆が半笑いでこっちを見てきた。
友達だと思ってた子たちも私から離れて笑っている。次の休み時間には、今まで話したこともない地味な生徒が近寄ってきて、わざわざ噂話を教えてくれた。
大好きな人が、私を気持ち悪いって言ってたって。
その日は部活にも行きたくなくて、逃げるように早めに学校の門を出る。そして近道に、いつもは暗くて通らない、公園横の森に踏み込んだ。
古びた教会の中に、光る動物が見えた気がして中を覗いたら、すごい力で引っ張られた。
赤いマントの人達と、灰色のマントの人達。
その人たちのミーティングに参加させられて、いろいろ質問されて、光る動物の話をして、彼らの仕事の手伝いをさせられる。
あの動物は、調べてみるといろいろな燃料に使えるって皆は喜んでた。
それから偉そうな貴族のおじさんとか出てきて、暴動とかに巻き込まれて、それが落ち着いてから王子様だって人が私に会いに来た。
告白してやったのに人の悪口言いふらしたあの男なんか、どうでもよくなる超イケメン。
王子様見てて思った。こっちを笑った奴ら、クラスのお前らの方がヤバイよね。アプリで加工した顔、まさか本物の顔だと思ってないよね? 王子様の前で、その顔出せんの? 現実さらせなくない? 恥ずかしくて。
あんな奴ら居なくなってよかった。
見た目も性格もすごく良い王子様。
私達は恋をして、そして結ばれるはずだったのに、王子には望まない婚約者が既にいた。
黒髪、青いつり目のリリアナ・ダナー。
何かにつけて私達の邪魔をして、王子様に会いに行ってもあの女との約束が優先される。
次第に会えなくなって、婚約破棄させないと、もう何一つ協力しないって赤マントに言ったら、そうしたら、ようやく話をしたみたいで、王命で婚約は破棄された。
あー良かったって思ったのに、今度は王子が私の前に全く現れなくなった。しかも婚約破棄したことで、心を病んだって周りが噂してる。
なにそれ、冗談でしょう?
きっと、まだあの女が連絡してきてて、彼の心を迷わせてる。あの女がいる限り、王子は心を病んだまま。
こんなに私と王子を苦しめて、あの女を消してって、不幸にしないと、呪ってやるって頭にきて叫んでやった。
境会で叫んだはずなのに、気付いたら近所の近道の森の中にいた。
探しても探しても、あの古い教会は見つけられなかった。時間は全然そのままで、学校帰りのあの日、フラれた後に戻ってきた。
次の日の登校で、まだクラスで笑ってる奴がいたけど、あんな経験した後で、幼稚な学校の奴らなんか気にもならなかった。卒業してその後、社会人になってからゲーム会社に就職して、乙女ゲーム企画部を強く希望した。
合法的にあの女を殺す方法を思い付いたから。
夢見てたみたいに無かった事になった王子様との時間。でも絶対に夢じゃない。
あの女に似たリリーが、無様に男たちに振られ、不幸になって苦しみ、何度も何度も何度も何度も、殺されるゲームストーリーを創った。
売れたら売れた分だけ、あの女は見ず知らずの購入者たちに殺される。
ざまーみろ。
少しだけすっきりした。
今は会社の同僚と結婚して、子供も三人産んで、虐待もしないで良いママしてる。
でもこれだけは言えるのは、あの時あの女が邪魔しなければ、王子様は私と結婚して、私は王妃になっていたってこと。
私の恋は邪魔された。あの女に、周囲に、国に、全てに。
それを一生、死んでも絶対に許さない。
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