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楽しくない人生
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私は銀行員。受付で接客をして、定時になったら家に帰り、テレビを観ながらコンビニ弁当を食べるだけの毎日。
彼氏もいなければ、親友もいない。楽しくない人生だ。刺激的なもの。平凡な毎日をスリリングに変える何かを期待して過ごしているのだが、別にこれといって何もなく、ただ人生という限りある時間を浪費するだけだった。
ある日、いつものように仕事をしていると、何やら銀行の入口付近が騒がしくなった。見ると、マシンガンを携えた男が声を荒げることもなく静かに入ってきたのだ。
でも、私は動じなかった。どうせ玩具の銃だろうし、大人しくして金を渡せば、犯人は逃げ、警察に捕まり、そしてまたいつもの日常に戻るのだから、たいしたことではない。
すでに、警察への通報ボタンも押したことだし、あとはこの嵐が去って行くのを大人しく待っていればそれでよい。そう思っていた。
だが犯人は、客に向かって一斉乱射を始めた。客は次々と血を噴いて倒れ、ガラスの割れる音が耳をつんざき、まさに地獄絵図と呼ぶに相応しい光景が、目に飛び込んできた。女は悲鳴を上げ、男は絶句したまま身動きがとれない。
次に犯人は、私たち銀行員へと銃を向け、
「金を出せ」
と、要求した。
店長は慌てふためき、金を紙袋へと入れた。金額にして一億くらいはありそうだ。
そして、犯人は金を受け取ると、
「ありがとよ」
と呟き、また銃を乱射した。
私の周りで、次々と同僚達が倒れて行き、私以外の全員が死んだ。
すると犯人は、私に紙袋を持てと指示した。おそらく私を人質にして逃げるつもりだろう。そして、私は最後に殺されるんだ。
神様ごめんなさい。
平凡な毎日で幸せです。
楽しくない人生万歳!
だから死にたくないです。
だが犯人は、逃げもせずに、銀行の屋上へと私を連れて行った。下を見ると、数え切れない程のパトカーと警官隊で囲まれていた。
犯人は、私を楯にしたまま、金をばらまけと指示した。私が恐る恐ると金をわしづかみにし、おもいっきり屋上からばらまくと、警官隊の後方にいたやじ馬が騒ぎ出し、非常線を乗り越えて押し寄せ、パニックになっていた。
私は、また金をばらまいた。犯人が笑いながら、
「楽しいだろ?」
と言ったので、黙って頷いた。
正直、楽しかった。私が世界を動かしている。そんな気がした。
とその時、ターンという音が空に轟いたかと思えば、私の顔に血が滴り落ちてきた。
犯人はそのまま血を流し倒れ、私は悲鳴を上げながら、残った金をポケットに詰め込んでいた。
彼氏もいなければ、親友もいない。楽しくない人生だ。刺激的なもの。平凡な毎日をスリリングに変える何かを期待して過ごしているのだが、別にこれといって何もなく、ただ人生という限りある時間を浪費するだけだった。
ある日、いつものように仕事をしていると、何やら銀行の入口付近が騒がしくなった。見ると、マシンガンを携えた男が声を荒げることもなく静かに入ってきたのだ。
でも、私は動じなかった。どうせ玩具の銃だろうし、大人しくして金を渡せば、犯人は逃げ、警察に捕まり、そしてまたいつもの日常に戻るのだから、たいしたことではない。
すでに、警察への通報ボタンも押したことだし、あとはこの嵐が去って行くのを大人しく待っていればそれでよい。そう思っていた。
だが犯人は、客に向かって一斉乱射を始めた。客は次々と血を噴いて倒れ、ガラスの割れる音が耳をつんざき、まさに地獄絵図と呼ぶに相応しい光景が、目に飛び込んできた。女は悲鳴を上げ、男は絶句したまま身動きがとれない。
次に犯人は、私たち銀行員へと銃を向け、
「金を出せ」
と、要求した。
店長は慌てふためき、金を紙袋へと入れた。金額にして一億くらいはありそうだ。
そして、犯人は金を受け取ると、
「ありがとよ」
と呟き、また銃を乱射した。
私の周りで、次々と同僚達が倒れて行き、私以外の全員が死んだ。
すると犯人は、私に紙袋を持てと指示した。おそらく私を人質にして逃げるつもりだろう。そして、私は最後に殺されるんだ。
神様ごめんなさい。
平凡な毎日で幸せです。
楽しくない人生万歳!
だから死にたくないです。
だが犯人は、逃げもせずに、銀行の屋上へと私を連れて行った。下を見ると、数え切れない程のパトカーと警官隊で囲まれていた。
犯人は、私を楯にしたまま、金をばらまけと指示した。私が恐る恐ると金をわしづかみにし、おもいっきり屋上からばらまくと、警官隊の後方にいたやじ馬が騒ぎ出し、非常線を乗り越えて押し寄せ、パニックになっていた。
私は、また金をばらまいた。犯人が笑いながら、
「楽しいだろ?」
と言ったので、黙って頷いた。
正直、楽しかった。私が世界を動かしている。そんな気がした。
とその時、ターンという音が空に轟いたかと思えば、私の顔に血が滴り落ちてきた。
犯人はそのまま血を流し倒れ、私は悲鳴を上げながら、残った金をポケットに詰め込んでいた。
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