ウォルヴァンシアの王兄姫~番外編集~

古都助(幸織)

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~季節イベント~

ハロウィン仕様~IFルート・アレク×幸希編~

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※WEB拍手にUPしていたものです。



 アレク
「ユキ……、ハロウィンイベント開催期間という事で、IFルート仕様なわけだが……その」

 幸希
「はい? どうかしましたか、アレクさん」

 アレク
「ユキ、すまないが、俺の横に座って貰えるだろうか? あまり……そこで立って動かれると、……スカートが」

 幸希
「え? あっ……す、すみませんっ」

 ――アレクの座るソファーに大人しく座る幸希。

 幸希
「えっと……、二人きりで過ごしてねって……言われましたけど、このお部屋で……、どう過ごしたら良いんでしょうか」

 アレク
「パーティーが始まるまでがタイムリミットらしいが、……茶と菓子もある事だし、ゆっくり話でもしよう」

 幸希
「そうですね。……アレクさんは、今回海賊の仮装なんですね。いつもはひとつに束ねてある髪を解いていますし、ふ、服も……ちょっと、海賊らしく大胆というか」

 アレク
「そういう役どころだから、しっかりとそれらしく着こなしてくれと……、衣装係のメイドに言われてな……」

 幸希
「リィーナさん、ですかね……」

 アレク
「いや、違うメイドだった。だが、俺よりもユキ。お前の方が、とても可愛らしく……その、良く似合っている」

 幸希
「小悪魔の仮装なんだそうです。ふふ、アレクさん、トリックオアトリート!! ですよ。お菓子をくれないと、悪戯させて頂きます!!」

 アレク
「……」

 幸希
「アレクさん?」

 アレク
「生憎と……菓子を持ち合わせていない。となると……、ハロウィンのルールに従う事になるが、ユキ……俺はじっとしているから、お前の好きなように悪戯して貰えるだろうか」

 幸希
「は、はい!?」

 アレク
「どういう悪戯をされるのかはわからないが、何をされても文句は言わないつもりだ。痛みにも慣れているしな。だから、好きなように……」

 幸希
(アレクさん、真面目すぎるでしょう!! 痛い悪戯って何ですか!! そして、何をされてもって、どんな覚悟なの!!)

 アレク
「ユキ……?」

 幸希
(あぁっ!! アレクさんの純粋で真面目一筋な眼差しが辛いっ。う~ん、でも、悪戯って、何をしたらいいんだろう)

 アレク
「……」

 幸希
「じゃ、じゃあ……えっと……えいっ」

 アレク
「――っ!?」

 ――覚悟を決めて、アレクの頬にキスをする幸希。

 幸希
「こ、これが、私の悪戯、です。うぅっ、は、恥ずかしい……!!」

 アレク
「……」

 幸希
「あ、アレクさん?」

 ――暫し、頬に手を当て放心するアレク(笑)

 幸希
(反応が……ないんだけど、どうしたんだろう)

 アレク
「……ユキ、今のが……悪戯、なのだろうか?」

 幸希
「は、はい。一応……。他に何も思い付かなかったので。もしかして不快でしたか?」

 アレク
「いや、お前に触れられる事を、俺が不快になど思うわけがない。……理性を崩されそうになるのは、困るが」

 幸希
「アレク……さん?」

 アレク
「……そうか」

 ――何やら閃いたように、アレクは隣に座る幸希を見下ろし真顔で口を開く。

 アレク
「今度は俺の番だ。……トリック・オア・トリート」

 幸希
「あ、はいっ。ちょっと待ってくださいね……。ん? ……あれ? お菓子が……ない?」

 アレク
「……持って来ていないのか?」

 幸希
「い、いえ、確か用意しておいたはず……あ!!」

 アレク
「ユキ?」

 幸希
「すみません。三つ子ちゃん達にあげてしまってました」

 アレク
「……」

 幸希
「ごめんなさい、アレクさん。お菓子がないので、悪戯を受けますね」

 ――暫し逡巡するアレク。

 アレク
「……ユキ、俺がどんな悪戯をするかわからないのに、少し……無防備すぎないか?」

 幸希
「え?」

 アレク
「お前を傷付けたりする気は毛頭ないが……」

 ――ギシリとソファーを軋ませ、幸希に顔を近付けるアレク。

 幸希
「アレク……さん?」

 アレク
「さっきお前が俺にしてくれた悪戯……。肌に触れるのが許される事なら……俺も、お前の肌に悪戯をしたい」

 幸希
「え!?」

 アレク
「今夜のお前は扇情的すぎて……、騎士として……、いや、男としての平常心を保つのが難しい。その上、お前から受けたキスのせいで、さらに俺を戒める鎖は意味を成さなくなっている。だから……、悪戯という形で、少しだけで良い。俺を……満たしてくれないか」

 幸希
「あ、アレクさ、ん!? ちょっと落ち着きましょう!! 目が何だか熱を帯びてますし、か、風邪とかじゃないんでしょうか!? 体温計持ってきますから、離れて……きゃあっ」

 アレク
「お前の仮装は、小悪魔だと聞いたが……、俺を堕落させるには十分だ。心も身体も……、愛しいお前に煽られ過ぎて……限界だ」

 幸希
(アレクさん、頬にキスしただけで、なんでこんなに暴走しているの!? ……あ!! テーブルの上にワイングラスがっ。まさか、……よ、酔ってるんじゃ!?)

 アレク
「丁度、俺の仮装している衣装は、海賊だからな……。略奪を生業とする男に相応しく、……お前を奪わせてほしい」

 幸希
(アレクさんが恥ずかしい台詞を次々と~!! これは絶対に酔ってる!! 頬もどことなく赤いし、目も熱で潤んでる!!)

 アレク
「ユキ……」

 幸希
「あ、アレクさんっ、お、お水!! お水を飲みましょう!! 悪戯はその後にでも……」

 アレク
「待てない……。今すぐに、お前の肌に俺の痕を残したい」

 幸希
「アレクさん!! それ、悪戯というより、何か行き過ぎた事をするフラグしか感じないんですけど!!」


 ――その後、誰かが差し入れたお酒のせいで色々と理性の鎖が切れてしまったアレク氏が、小悪魔仮装の王兄姫を多大に困らせてしまった事は、言うまでもない(笑)


 IFルート・アレク 完。
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