ウォルヴァンシアの王兄姫~淡き蕾は愛しき人の想いと共に花ひらく~

古都助(幸織)

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第二章『恋蕾』~黒竜と銀狼・その想いの名は~

深夜の添い寝人

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 ――Side 幸希

 瞼の裏に届く、淡く優しい光の気配……。
 揺り籠の中で眠る赤ん坊のように、心地良い闇に沈んでいた私は、その気配と共に目を覚ました。
 ぼんやりと……、夢と現実の狭間で彷徨う視線が、左手に感じている温もりへと向かう。
 
「アレク……、さん?」

 目を瞬き、自分の左手をしっかりと握り締めて眠るその人の姿を見つめる。
 長く綺麗なクセのないサラサラの銀髪を、普段とは違い、自由にその背に流している騎士様。
 どうして……、アレクさんが?
 それに、よく見てみれば、ここはウォルヴァンシア王宮にある私の部屋だ。
 カインさんと一緒にあの洞窟の奥にいたはずなのに、どうして……。
 脳裏に蘇ったのは、触れる寸前だったカインさんの温もり。
 紡がれた愛の告白と、その先を求めてきたあの瞬間。
意識を失ってしまった私には、この唇にあの人の温もりが重なったのかどうかを知る術(すべ)はない。だけど……、今はそれよりも。

「アレクさん、アレクさんっ。起きてください、風邪を引いてしまいますよ」

 私の左手を強く握り締め、ベッドに突っ伏して眠っているアレクさんの肩を揺らす。
いつからここにいるのかはわからないけれど、多分、意識を失っていた私を傍で看病してくれていたのだろう。どれだけの時間が経ったのかはわからないけれど、とりあえず、早く起こしてあげないと。
 何度か声をかけて揺さぶっていると、アレクさんの瞼が静かに開いた。
 意識の定まらないぼや~っとした蒼の視線が、ゆっくりと傍にいる私に向かう。

「ユキ……」

「アレクさん、私の事、看病してくれていたんですよね? ありがとうございます。だけど、そんな所で毛布も掛けずに寝ていたら、身体に毒ですよ」

 事の経緯はまた後日聞くとして、早くアレクさんを自分の部屋に戻してあげないと。
 騎士団寮に戻るように促す私に、アレクさんは寝ぼけた様子でベッドの上に乗りあがると、予告もなく私をその腕に掻き抱いた。

「あ、アレクさん!?」

「ユキ……、ユキ……、傍に、……俺から、離れないでくれ」

「えっ!? あ、あのっ」

 切ない響きを帯びてはいるけれど、何だろう……。
 アレクさんの力は思った程入っておらず、その声音もどこか弱々しく頼りない。
 これはきっと……、間違いなく。

「アレクさん……、寝惚けてますね?」

 ポンポンと、アレクさんの逞しい背中を叩いてみると、返事はないままにその重みが倒れこんできた。私の首筋の横に顔を埋め、完全に力を失ってしまった騎士様は、すぐに穏やかな寝息を零し始める。以前にも……、そう、銀狼姿のアレクさんが、初めて私に人の姿を見せた時と、状況が似ているかもしれない。
 多分アレクさんには……、寝惚け癖がある。寝息を零しながら私の首筋に擦り寄ったり、私の名前を寝言で呼びながら甘えてくる今のこの人は、どこからどう見ても無防備状態。
 いつもこうなのか、それとも私の前でだけこんな姿を見せるのか……、謎だ。

「アレクさ~ん……、お、重い、ですっ」

「ん……、ユキ」

 そしてまさかの、私の上でもふもふの銀狼姿に変化!!
 ひ、人の姿の時よりも、重みが増している気がするのは気のせい!?
 完全に飼い主に懐いて心地良い睡眠に身を委ねている狼さんにしか見えないこの状況!!
 このままでは押し潰されて死んでしまうっ、そう危機感を覚えた私は、狼姿のアレクさんを横にどうにか押し退け、ごろんと転がした。

「はぁ、はぁ……、お、重かった」

 起き上がった私は、横に転がしたアレクさんを見下ろしながら、ほっと胸を撫で下ろした。
 うぅ……と、低い呻き声が微かに聞こえたかと思うと、その前足が何かを求めて動き始める。
 こうしてみると可愛いんだけど……。
何もない時なら思う存分アレクさんの毛並みを撫でさせて貰う。
だけど、今のアレクさんはぐっとその顔を顰め、苦しそうにしているから何だか心配だ。
 
『ユキ……、その竜は、駄目……、だ』

 ……確実に私絡みの悪夢を見ている。
 竜というのは、勿論カインさんの事だろう。アレクさんの夢の中で、私は一体どんな目に遭っているのやら。その夢の中を覗く事は出来ないけれど、今の私に出来る事は……。

「アレクさん」

 その太い前足を両手の中に包み込み、アレクさんの顔を見ながら身体を横たえる。
 この異世界に来て、悪夢に苛まれていた私を救ってくれた心優しい人……。
 ウォルヴァンシア王国が誇る騎士団の副騎士団長様で、誰からも尊敬される頼もしい騎士様。
 王宮でも城下でもその評判は高く、弱さとは無縁の人。
 
(だけど……、何だか私のせいで、申し訳ない事になってる気がする)

 左手でその大きな頭を撫でながら、私は心の中で謝る。
 私の存在ひとつで、アレクさんがどんどん脆い部分を抱き始めているような気がして仕方がない。
 恋をすれば人は臆病な面や醜い面を抱くと知ってはいるけれど、アレクさんの場合はその影響が特に強い。

「アレクさん、私を好きになってくれて、本当にありがとうございます。……だけど、そのせいであまり苦しんだりしないでください。私、ちゃんと考えますから……、アレクさんとカインさんの想い、ちゃんとこの心に受け止めました。だから」

 夢の中でまで、自分を苦しめたりなんてしないでほしい。
 二人からの告白を受け止めた今、これからは私の番。
 私が、アレクさんとカインさんが伝えてくれた想いに、一生懸命考えて応える番。
 すぐに答えを出すのは難しいけれど、頑張って考えないと……。
 私はベッドを静かに抜け出すと、少し外の風に当たりたくて、庭へと足を延ばした。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「姫ちゃん……、迷惑かけて本当ごめんな」

「ユキ姫様、今すぐにお助けいたしますので」

 翌朝、力強い腕の温もりに囚われてしまっていた私を救出に来てくれたのは、ルディーさんとロゼリアさんだった。
 夜中に外の風に当たって部屋に戻ったものの、ベッドで眠っているアレクさんと休むわけにはいかず、私はテーブルに突っ伏して眠る事にした。
 それなのに、……何故か人の姿に戻っていたアレクさんにしっかりと抱き締められた状態で起床。
 一体何故!? 頭の中を大パニックにしながら早三十分ほど。
 私はアレクさんの腕の中から動けずに、ずっとこのままの状態で完全に固まってしまっていた。
 多分、夜中にまた目が覚めて、寝惚けた状態のまま私をベッドに運んだ可能性が高い。

「こらっ、アレク~!! もう起きる時間だぞ!!」

「んっ……、もう、朝か」

「副団長、陛下のお怒りが落ちる前に現状を把握なさってください」

 まだ眠そうに欠伸を漏らしたアレクさんが、ぼんやりと腕の中にいる私を見下ろす。
 ……、……、……。
 微妙な沈黙の後、アレクさんはカッと目を見開いてベッドから飛び起きた。
 自分が何をしていたのか、真っ赤になりながら恥じらっている私を見た瞬間に、自分の顔を片手で覆いながら音にならない微かな呻き声を零すのが聞こえた。

「すまない……。俺は、確かに寝台の外にいたはずなのに、何故ユキを」

「簡単だろ。お前、たまに寝惚けて天然極まりない事やらかす時があるからなぁ」

「同感です。自覚ありで事に及ばれたのなら、今すぐに部下として断罪させて頂きたいところですが、今回の件はどう考えても、副団長の寝起きの悪さのせいでしょう」

 逃げるようにベッドから下りたアレクさんが、絨毯の上に座り込んで頭を下げてくる。
 異世界なのに正座や土下座の知識があるのは、和を基としたお国がこの世界のどこかにあるからだそうだ。私は毛布を手繰り寄せ、アレクさんに抱き締められていた時の温もりが残した余韻を感じながら、気にしないでほしいと笑みを浮かべてみせる。
 アレクさんは寝惚けていただけ。自分の意思で私をベッドの中で抱き締めて眠ったわけじゃない。
 だから、今回の事はセーフ、セーフなのだ。

「アレクさん、顔を上げてください。確かに吃驚しましたし、恥ずかしかったのは本当ですけど、怒ってはいませんよ。ね?」

「いや……、俺の欲でお前を穢すような真似をした事は事実だ。一体どう詫びればいいのか」

「欲って、お前なぁ……。寝惚けてたんだから、素直に謝ってそれで終わりにしたらいいじゃねーかよ」

「副団長、あまりご自身の罪を引き摺りすぎて殻に籠られるのは、ユキ姫様の御心を踏みつけるのと同義。どうか顔をお上げください」

 心根の真面目過ぎる人だから……、そうやって自分を責めてしまう気持ちはわかる。
 だけど、別に傷つけられたわけでも、わざと一緒に眠る事を強要されたわけでもない。
 アレクさんの心を落ち着けようと、リラックス効果のあるお茶を淹れに行ったロゼリアさんを見送り、私はベッドの外に下りた。
 この世の絶望全てを背負ったかのように項垂れているアレクさんの肩に手を置き、一刻も早くその落ち込んだ心を浮上させようと言葉をかける。

「大丈夫ですよ。わざとじゃないんですから、怒ったりしませんよ」

 自分よりも年上で、体格の良い成人男性の背中を擦りながら励ますという行為に、最近少しずつ慣れてきた気がする。アレクさんは真面目だから、悩みやすく責任を感じやすい人なのだ。
 無自覚でやった事とはいえ、私に不埒な真似をしてしまったと罪悪感を覚えているのだろう。
 自覚ありで、色々と積極的な猛攻をしてくるどこぞの誰かさんに比べれば、何も悪くなんてないのに。

「アレク……、いい加減その重苦しい態度改めねーと、姫ちゃんに嫌われるぞ~」

「る、ルディーさんっ、私がアレクさんを嫌う事なんか絶対にありませんって!!」

「だけどよ……、実際問題、一々落ち込んだり責任感じて重くなる男って、姫ちゃんも嫌だろ? 扱いが面倒っつーか」

 嫌とは思わないけれど、目の前で悲痛な顔をして項垂れているアレクさんを見ていると……、何故か、その頭とお尻に、可愛らしい狼耳と尻尾をふさふさと生やしているような幻影が見えて、別の意味で色々と困ってしまう。それに、アレクさんが悲しいと、見ている私も辛いのだ。
 
「と、とにかく!! 私はもう気にしてませんから、アレクさんも元気を出してください!!」

「ユキ……、だが」

「これ以上は駄目です。私はアレクさんと楽しくお話をしたいんです。だから、ね?」

 ルディーさんと一緒にアレクさんを促してテーブルへと連れて行くと、ロゼリアさんが人数分のお茶を並べ終えたところだった。
 リラックス用のお茶を淹れてくれると言っていたけれど、私が前に飲んだ物とは違い、少し強い甘さを鼻に感じる匂いに思える。

「ロゼリアさん、これは何の茶葉を使っているんですか? まだ飲んだ事のないお茶だと思うんですけど」

「これはラシャナという茶葉を使っております。緊張の緩和などにも効果がありますが、他にも、疲労回復、そして、不安定になっている精神の安定にも使えるのです」

 手に取ったティーカップの中には、ほど良い温度で淹れられた紫色のお茶が佇んでいる。
 一口含んでみると、その甘味の強そうな香りを裏切って、仄かな甘さが舌へと馴染んできた。
 喉を通って体内に沁み込んでいくと、胸の辺りが徐々に優しい熱に抱かれるように心が落ち着いていく気がする。その場の全員が静寂に身を任せ、和やかな気持ちでお茶を楽しんでいると、私は自分が何故知らない間に自分の部屋に戻っていたのかという疑問を思い出した。
 告白の直後に気絶だなんて……、カインさんもきっと吃驚したはずだ。
 アレクさんにも迷惑をかけてしまったみたいだし、詳しい事を聞いて、改めて謝罪を。
 と、そう思ってロゼリアさんに尋ねてみたら、まさかの答えが返ってきた。

「み、三日……?」

「はい。ユキ姫様とカイン皇子が出掛けられてから、一度はルイヴェル殿がカイン皇子と連絡をつけられたものの……、その最中に妨害らしき介入があり、すぐにスウォルシア山へと向かいました」

「ぼう……、がい、ですか」

「何が原因で妨害が入ったのかは、いまだ不明です。ですが……、私達が山に入り探索の手を尽くしても、ユキ姫様とカイン皇子のお姿は見つからなかったのです」

 それは、あの山の中にある、滝の裏の洞窟を見つけられなかった、そういう事なのだろうか。
 だけど、ロゼリアさん達のような優秀な人達があの入口を見つけられないはずが……。
 不安と共に眉を顰める私に、今度はルディーさんが説明をしてくれた。

「姫ちゃんの疑問はわかってるぜ。あの滝の裏の洞窟の事だろ?」

「はい」

「あの洞窟の存在は、俺達騎士団の奴らなら誰でも知ってる……。訓練で使う事もある山だし、俺達以外にも知ってる奴は多い。けどなぁ……」

 ぐいっとお茶を喉奥に流し込んだルディーさんが、ふぅ……と、疲労の息を吐いて口を開いた。
 カインさんとの連絡が途切れた事を訝しんだルイヴェルさんがルディーさん達と一緒にスウォルシア山に向かった時、真っ先に滝の裏に向かったらしい。
 けれど、不思議な事に……。

「滝の裏の洞窟に続く入口が……、綺麗さっぱり消えちまってたんだよ」

「消えていた……? どうして」

「それも原因不明。ただ、そこに在るはずのモンが消えちまったわけだからな……。俺達騎士団は山の捜索と、周辺地域の捜索に人手を分けて、消えた入口に関してはルイヴェルに任せたんだ」

 けれど、魔術の才に恵まれたルイヴェルさんにも、消えた入口の謎は解けず、あらゆる方法を試しても、土壁の奥に私達の気配を感じ取る事は出来なかったそうだ。
 
「まぁ、それで諦めるルイヴェルでもねーからな。姫ちゃんと皇子さんの行方を掴む為に、三日間ぶっ通しの徹夜で消えた入口と張り合ってたんだが……」

「ルイは負けず嫌いだからな。王宮と山を転移の術で行ったり来たりを繰り返し、ユキを見つけ出そうと必死になっていたんだが、結果はあの通り……」

「カイン皇子がユキ姫様を抱えて、ガウレイ族の者と大量のパルフィム達と共に飛び出して来られたその瞬間、何もなかったはずの土壁に入口が現れた、と……、団員達が言っておりました」
 
 そして、三日もの時が流れていた事を知ったカインさん達は、それは絶対におかしい! と、ずっと洞窟の中で意識を保っていた事と併せて、ルイヴェルさん達に訴えたらしい。
 洞窟の外と、中……、互いの自覚する時間の流れが異なっていた不可解な点。
 あったはずの入り口が消えた事といい、一体何が起こっていたというのだろう。
 スウォルシア山の調査は今後も続ける事になっているらしく、いずれは原因も究明されるだろうという話だった。

「ま、姫ちゃんと皇子さんが無事だったから良かったようなもんだけど……、本当に何だったんだろうな、あれ……」

「ルイヴェル殿の話によれば、洞窟の内部を調査したところ、何がしかの残滓を感じ取られたとの事……。詳しい事は調査を進めなくてはわからないそうですが、あの方ならば、時期に結果を出してくださる事でしょう」

 何かの残滓……。
 ロゼリアさんが言うには、中の様子に異変はなかったけれど、見えない部分……、つまり、魔力や洞窟内に漂う力の類に異変がないか調べてみた結果、僅かに掴む事の出来た手がかりのような存在。それが、洞窟の入口や時間軸の異変に関与している可能性が高いらしい。
 
「ですので、ユキ姫様は何もお気になさらずに、いつも通りの日常をお過ごしくださいませ」

「はい。ありがとうございます。それと……、今回は皆さんに沢山のご心配をおかけしてしまって、本当にすみませんでした」

「ユキ、お前が謝る必要はない。全部……、あの竜のせいだからな」

「アレク……、お前、皇子さんのせいにすんのは可哀想だろ~。今回の事は予想不可能な異常事態だったんだし、皇子さんも被害者だ」

 アレクさんの頭を、その隣に座っていたルディーさんが軽く小突いて叱った。
 今回の事は、誰にも予想出来なかった突然の事。だから、カインさんのせいにするのは良くないぞ、と。ロゼリアさんにも「その通りです。狭量な言動はおやめください」と窘められている。
 私もそう思う。今回の事はカインさんには一切の責任はなく、事故のようなものに遭ったのだと考えるべきだ。そう賛同していると、アレクさんの表情に寂しそうな気配が浮かんでしまった。

「だが……、あんな人気(ひとけ)のない暗い洞窟の中にユキを連れ込むなど、許してはおけない」

「カインさんは、洞窟の奥にあった秘密の場所を見せてくれただけなんですよ。だから、悪い風に思わないであげてください。お願いします」

「ユキ……。俺は」

「はいは~い!! その話はここまで!! とにかく、あの山での一件は暫くこっちに任せといてくれ。何かわかったら姫ちゃんにも教えるからさ」

 私がカインさんの味方をするような発言をした事で、アレクさんがまだ何か言おうとしたその時、お茶を飲み終えたルディーさんが勢いよく席から立ち上がりながら声を上げた。
 アレクさんの首根っこを掴み、「俺はまだ……」と、この部屋に留まろうとするのを許さず、席から引き摺り落として強引に連行して行く。
 
「あ、あのっ」

「ユキ姫様、お気になさらずに。副団長はまだ早朝の訓練をこなしておられませんので、団長がお相手をなさるそうです」

「え、そ、早朝のお訓練、ですか?」

「はい。ですから、どうぞお茶の続きを」

 浮きかけた腰を再び椅子に戻し、優雅にお茶の続きを楽しんでいるロゼリアさんの爽やかな笑みに少々慄きつつ、私は遠くなっていく足音を扉の外に聞きながら、飲みかけのティーカップに口をつけるのだった。
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