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第三章『魔獣』~希望を喰らう負の残影~
皇宮にて、ひとときの休息を
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「アレクさん、おにぎり作るのお上手ですね」
「俺の母親が、無類の米好きでな……。よく実家で弟達に握ったものだ」
器用に綺麗な三角の形に握りこんでいくアレクさんを意外な思いと共に見つめた私は、自分の手の中で出来上がったおにぎりをお皿の上に乗せた。
異世界エリュセードは、基本的に西洋風の食事が多いのだけど、お米もちゃんとあったりする。
表側に存在する国のひとつに、日本風の和食などを主食としている場所があるらしく、その国からお米や和の食材が世界に流通し始めたのだとか……。
ガデルフォーン皇国でもお米は需要があるようで、私達は大量のほかほかなお米を相手に、皇宮内にある厨房の一角でおにぎり作りに精を出していた。
今回の事で怪我を負った人達や、国内に起きる異変に備えて慌ただしく働き続けている人達、彼らに差し入れる為の夜食。
怪我をした人達が集まっている大広間の方では、まだ治療が必要な人達もいて、私も治療に携われればと最初はお手伝いをしていたのだけど……。
ルイヴェルさんから分けて貰っていた魔力が途中で切れてしまった為、夜食作りのお手伝いにまわる事になったのだった。
「……レイル君と、カインさんの方は」
「すまない……。料理の類はした事がなくて」
「何でこんなに難しいのか、わけわかんねぇ……」
お米を手の中でぐぐっと三角の形に握ろうと奮闘している二人の方に視線を向けると、……ぐちゃぐちゃと形にさえなりはしないおにぎりの無残な姿があった。
レイル君は生まれた時からの王族育ちだし、出来ないのは、まぁ、仕方がないとは思う。
だけど、カインさんは……、皇宮での食事は滅多にとらない生活をしていたと聞いているし、少しぐらいは出来るかな、と思ったのだけど。
「外で買って食うのがいつもの事だったんだよ。それ以外は、山の中で食えそうな動物を仕留めて、適当に調理したり」
「お米は相手にした事がないって事ですね」
「まぁな。……てか、お前の方は美味そうに出来てるな」
ひょいっと羨ましそうな顔をして、カインさんが私の前にあるお皿を覗き込んでくる。
昔から、お母さんのお手伝いで色々していたし、おにぎりは初歩の初歩というか、何度もやっていれば、普通は上達するものだ。
苦笑を零しながら、「別の方を手伝った方がいいかもしれませんね」と提案してみたけれど、カインさんとレイル君が厨房内で調理を行っている人達を見回すと、小さく首を振った。
「「無理だ……」」
「レイル殿下、とりあえず俺達が握った物と、出来上がっている食事の方を、医務室にお願いできますか? ついでに、……そこの役立たずも一緒にお願いします」
追加のおにぎりをお皿に載せたアレクさんが、レイル君に医務室で休んでいるルイヴェルさん達への差し入れを頼むと、その視線に冷たい気配を纏わせてカインさんの方をちら見した。
「あ、アレクさん……。い、一応、カインさんも一生懸命やってくれていますし、そこまで言うのは、ちょっと」
「ユキ、……さりげにつまみ食いよろしく、お前の手作りを食っている奴を気遣う必要はない」
「え? ……あああ!! カインさん、何やってるんですかっ!!」
指摘を受けて横を見てみれば、私のお皿からおにぎりをぱくっと口に頬張っているカインさんの姿があった。
「仕方ねぇだろ……。んぐんぐ。俺だって腹が減ってんだよ」
ぺろりと自分の親指の内側を舐めたカインさんがひと息吐いていると、アレクさんが瞬時にその背後に移動して、――ゴンッ!!
「痛ぇええええ!!」
「いい加減にしないと……斬るぞ」
アレクさんの右腕の肘がカインさんの頭に渾身の一撃をお見舞いしてしまった……。
「ちょっとぐらい良いだろうが!! 減るもんじゃねぇんだし!!」
「減ってるだろうが!! 食うならレイル殿下の作った形の破滅的な物の方を食え!!」
「……は、破滅、的。はは……そ、そうだな」
「レイル君っ、だ、誰だって最初は上手くいかないものだから!! 何度かやったら綺麗に作れるようになるから、そんな落ち込まないで~!!」
ふっと自嘲めいた苦笑を零したレイル君の瞳が……物凄く遠い所を見ている。
初歩の初歩ともいえる、最初の関門、おにぎり……。
一見して簡単そうには見えるけれど、決してその通りではない。
おにぎりを侮るなかれ……、と、一生懸命レイル君の肩を揺さぶって励ますけれど、おにぎりの載ったお皿と、人数分の食事をワゴンに載せる為か、レイル君は深い哀愁の気配と共にゆっくりと持ち場を離れて行った。
(多分、ガデルディウスの神殿で、カインさんが私を呼び戻す為に頬を叩いたのが原因なんだろうけど……)
アレクさんは、カインさんに対してどうにも感情を荒げやすいというか……。
段々、物言いや仕打ちにも遠慮がなくなってきている気がして仕方がない。
今だって、ぎゃんぎゃんとカインさんと口喧嘩を……あ、竜手と剣が出てる。
(私の事を抜きにしても……、元から相性が悪いんだろうなぁ)
まったく真逆の性格をしている二人だけど、言葉を交わさない時でも威嚇しあっているような時がある。
まぁ、カインさんが相手だと、私も感情を荒げてしまう事があるし……、仕方がないの、かな。
「大体、お前はユキに対して遠慮がなさすぎるんだ!! 少しは気遣う事が出来ないのか!!」
「うるせぇよ!! テメェみたいに尽くしまくれば良いもんでもないだろうが!!」
「尊重して何が悪い!! ユキを大切にしたいと思うのは俺の信念みたいなものだ!!」
「それが忠犬まっしぐらって言ってんだろうが!! テメェみたいにユキを姫扱いしてたんじゃ、男としていつまでも意識されねえよ!! この番犬保護者野郎!!」
「――っ!!」
厨房の人達に頭を下げながら二人の喧嘩を止めようとした瞬間、アレクさんがその動きを止めた。
その右手はカインさんの胸ぐらを掴んでいるのだけど、……その手元が緩んだ。
俯いてしまった表情の中身は見えないけれど、私は嫌な予感がして傍へと駆け寄った。
「アレクさん……?」
苦しそうに呻く小さな音が零れ出たかと思うと、カインさんを乱暴に突き放したアレクさんが、身に着けていたエプロンを引き剥がした。
「すまない……、ユキ。少しの間、傍を離れる」
「え……、ど、どこに行くんですかっ」
その声が、どうにも……辛そうな響きを含んでいる気がして、私は無意識にアレクさんの腕を掴んでいた。
「頭を冷やしてくる……」
私の方を振り向きもせずにそう呟いたアレクさんが……、厨房の入り口の向こうに消えてしまう。
カインさんとの口喧嘩なんて、いつもの事なのに……何だか、気配が違っていたような。
「地雷踏んじまったか……。ま、ザマァーミロって感じだけどな」
「カインさん……」
その手を水場で洗ったカインさんが、お塩を手につけて、ほかほかのお米と格闘し始める。
私の方は見ずに、淡々と……白い部分だけを見つめながら、呟く。
「俺とアイツの決定的な違い、わかるか?」
「え……、違い、ですか?」
「アイツは、クソ真面目な上、忠犬すぎんだよ。お前だってすぐ近くで過ごしてきたんだから、わかんだろ?」
「それは……、確かに」
アレクさんは、私の為になる事をしようと、一心に尽くしてくれている。
私を傷つける全ての存在から、全身全霊をもって、守ろうとしてくれている事……。
「あれは、テメェからもお前を守りてぇって思いが強い。けど、……その分、抑え込んでるモンが酷すぎて、逆効果になるって、自覚もしてる」
それは、アレクさん自身も言っていた事だ……。
私に対して、想いが募れば募るほどに、自分を抑えきれなくなると……。
自分自身が、私にとっての危険な存在になる事を……恐れていた。
保護者のように思われている事が、カインさんとは違う扱いをされる事が……辛い、と。
だけど、アレクさんはカインさんとは違って、物腰が穏やかで人の気分を害するような振る舞いをする人じゃない。
そんな、『良い人』のアレクさんに、私が感情を荒げる機会は当然訪れるはずもなく……。
「地雷がわかりやすすぎんだよ」
「カインさん……」
「クソ真面目なのをやめちまえば、すげぇ楽になれるのによ」
「自分の性格って……、やめようと思って、すぐに治せるものでもないと思うんですが。アレクさんは、私に迷惑をかける事を、困らせる事に、すごく……、辛さを抱えていて」
「だから、それをやめちまわないと、意味ねぇだろうが」
「え……」
歪な形のおにぎりをお皿に載せると、カインさんがその場にどかっと座り込んだ。
ぎろりと私に向けてきたのは、遠慮の一切ない……呆れているような視線。
「お前とあの野郎の間で、どう話がついてるかは知らねぇが、惚れた女から焦らされ続けてるわけだからな。俺みたいに思った事を逐一ぶつけられる気質ならまだいいが、番犬野郎の場合は、……これから自分がどう見られるのかが不安で堪んねぇって顔に書いてあんだよ」
「で、でも、……アレクさんとは、ちゃんとお話をしました。これから先、私に迷惑をかけてしまう事もあるかもしれないけれど、私の答えが出るまで……、待ってくれる、って」
「あぁ、俺もあの野郎も待つってのは変わらねぇよ。けどな、番犬野郎の場合は、別の部分を気にしてんだろ、あれは」
「自分が、保護者のように見られている……、という部分ですか?」
「お前にとって、番犬野郎は『守ってくれる騎士』ってポジションだろ?」
確かに、それは変わらないけれど……、決して保護者としてしか見ていないわけじゃない。
アレクさんに告白をされた時、私は確かにこの心を揺れるのを感じた。
自分の事を一心に想ってくれるアレクさんの真摯な気持ちに、揺れ動いた心……。
だけど、アレクさんとは違う存在であるカインさんからの告白を受けた時も、それは同じで……。
普通の女の子だったら、もっと早くに大切な人を決められる事だろう。
私のように、どうしていいかわからず、迷ってばかりなんて……優柔不断すぎる。
「気にしないようにしても、気にしちまうのがクソ真面目の特徴だ。そんな暇があったら、口説きまくればいいのにな?」
「カイン皇子、人には生まれ持った性質がある。ユキもアレクも、根が真面目で悩みやすいんだ。仕方がないとしか言えないぞ」
その時、ワゴンに食事を載せて戻ってきたレイル君が、床から立つようにとカインさんを促した。
「私が……、早く決める事が出来れば、アレクさんを悩ませることも……、ないんですよね」
「決められねぇもんは仕方がねぇだろ。適当に選んで本気になれる訳でもねぇしな」
「ユキのせいではないと思う。それに、狼王族は……『成熟期』を迎えてから恋愛をする方が普通なんだ。ユキは向こうの世界で成人を迎えていると言っても、まだ二十歳だろう?」
「う、うん……」
医務室にいる人達の人数分を持ってきたお皿に載せてワゴンに移すと、レイル君は歩きながら話そうと提案してきた。
私はそれに頷くと、手を洗ってカインさんと一緒にその後を追う。
――ゴロゴロゴロ……。
「人間で言えば、十代半ばで成人の時を迎えて大人になる。けれど、狼王族……というか、寿命の長い種族に関しては別だ。人とは違い、二十歳の時を迎えてもまだ『少女期』、『少年期』でしかない。つまり、子供の年齢にしか見られない、という事だな」
「『少女期』……、そういえば、向こうで生活をしていた時は、周りの女の子達と違って、自分の外見が幼いなと思う事があったけど」
「人の外見年齢で言えば、今のユキは十代半ばほどだ。同じ年頃の狼王族達からすれば、もう少し幼くてもいいくらいなんだが、異世界との混血だからな。何かしら影響があるのかもしれない」
「じゃあ、私はまだ……、子供、って事なのかな?」
ちょっとだけショックだった。
自分では大人の仲間入りをしたと思っていただけに……。
あぁ、でも、ルイヴェルさんには時々言われていたっけ。
まだまだお子様だと……。あれ、自分が年上だからじゃなくて、本当に子供年齢を相手にしているって意味だったんだ。
しゅんと項垂れる様子を見せた私に、レイル君が苦笑を零す。
「そう落ち込む事はない。あと十年もすれば、『成熟期』が訪れる。そうすれば、身体も変化して、立派な大人の仲間入りだからな」
「変化……」
「そして、『少女期』、『少年期』の頃というのは、非常に不安定とも言える。特に、異性に対する反応や、心の在り方が面倒なんだ。『成熟期』を迎えた者と違い、相手を見定める為の感情が不安定になり、自分に対して向けられた好意を全て意識してしまう傾向が強い」
「お前が俺と番犬野郎のどっちもまだ選べねぇのはその為だな。まぁ、『成熟期』を迎えてなくても、徐々に見定めていく事は出来るわけだが、お前……、俺と番犬野郎に告白された時、どんな感じだったんだよ?」
告白された時……。
とても優柔不断な事だとは思うけれど、どちらも一時は強く意識してしまう程に胸を高鳴らせてしまったというか……、暫くしてからは落ち着いたけれど。
そう伝えると、「やっぱりな」と二つの反応が返ってきた。
「強い感情に振り回されて、一時的には相手を意識する。だが、徐々にそれが落ち着き始めて、相手を見定める期間に入っていくんだ。『成熟期』に近ければ近いほどに結論が出るのは早くなるが……、ユキの場合は、『少女期』である事と、混血である事で、少々先が読めない」
「だから俺達は、何度も待つって言ったんだよ。ま、最初は番犬野郎と仲が良かったし、もう定まっちまってるかとは心配したけどな」
「短気なカイン皇子が『待つ』という事自体、ある意味不思議な事だからな。『成熟期』を迎えていれば、きっと凄まじい猛攻の嵐だったんじゃないか?」
「まぁな。大人の女になってれば、遠慮する必要もねぇだろ」
「そ、そうだったんですか……」
遠慮して頂いてありがとうございますと言うべきなのだろうか。
でも、何はともあれ、自分が優柔不断すぎるのではなく、『少女期』故の事なのだと知って、少しだけほっとした。
「で、番犬野郎もそれはわかってるはずなんだが、『保護者』って立場に、すげぇ怯えがあるみてぇなんだよなぁ。あれ、頭では納得してても、心の方で納得してないタイプだろ。前にユキの部屋であれだけ心情吐きまくってやがったくせに、女々しいぜ」
「アレクさんは女々しくなんて……」
「関係性的に、仕方がないんだがな……。それでも、アレクは……、一日も早く、ユキから異性として見られたいと願っているんだろう」
「贅沢な奴……。俺よりも先にユキと出会っておいて、俺よりも近くにいやがるくせに」
「カイン皇子とアレク、お互いに羨ましがってばかりだな」
「ふん……。ああいうクソ真面目なウジウジ野郎と見てると、腹が立つんだよ」
私の答えが出るまで待つという気持ちと、異性としての想いを願うアレクさん……。どうすれば、その不安や焦りを取り除いてあげられるのか……。
廊下の途中で足を止めた私を、二人が振り返る。
「ユキ……?」
「どうした? 腹でも痛くなったか?」
「……待たせてしまうって、凄く……、勝手な立場、ですよね」
答えが出るまで、私はアレクさんとカインさんの想いを縛り付けてしまう。
『少女期』でなければ、もっと早くに……二人の想いを自由にさせてあげられたかもしれないのに。
だけど、それはもう何度も二人から気にするなと言われた事で……。
まだ出ない答えをすぐに掴む事は出来ない。……それなら。
「レイル君、医務室に食事を届け終わったら、ちょっとだけ……、同行をお願い出来るかな?」
私は胸元で右手を握り締め、今自分に出来る事をしようと心に決めた。
「俺の母親が、無類の米好きでな……。よく実家で弟達に握ったものだ」
器用に綺麗な三角の形に握りこんでいくアレクさんを意外な思いと共に見つめた私は、自分の手の中で出来上がったおにぎりをお皿の上に乗せた。
異世界エリュセードは、基本的に西洋風の食事が多いのだけど、お米もちゃんとあったりする。
表側に存在する国のひとつに、日本風の和食などを主食としている場所があるらしく、その国からお米や和の食材が世界に流通し始めたのだとか……。
ガデルフォーン皇国でもお米は需要があるようで、私達は大量のほかほかなお米を相手に、皇宮内にある厨房の一角でおにぎり作りに精を出していた。
今回の事で怪我を負った人達や、国内に起きる異変に備えて慌ただしく働き続けている人達、彼らに差し入れる為の夜食。
怪我をした人達が集まっている大広間の方では、まだ治療が必要な人達もいて、私も治療に携われればと最初はお手伝いをしていたのだけど……。
ルイヴェルさんから分けて貰っていた魔力が途中で切れてしまった為、夜食作りのお手伝いにまわる事になったのだった。
「……レイル君と、カインさんの方は」
「すまない……。料理の類はした事がなくて」
「何でこんなに難しいのか、わけわかんねぇ……」
お米を手の中でぐぐっと三角の形に握ろうと奮闘している二人の方に視線を向けると、……ぐちゃぐちゃと形にさえなりはしないおにぎりの無残な姿があった。
レイル君は生まれた時からの王族育ちだし、出来ないのは、まぁ、仕方がないとは思う。
だけど、カインさんは……、皇宮での食事は滅多にとらない生活をしていたと聞いているし、少しぐらいは出来るかな、と思ったのだけど。
「外で買って食うのがいつもの事だったんだよ。それ以外は、山の中で食えそうな動物を仕留めて、適当に調理したり」
「お米は相手にした事がないって事ですね」
「まぁな。……てか、お前の方は美味そうに出来てるな」
ひょいっと羨ましそうな顔をして、カインさんが私の前にあるお皿を覗き込んでくる。
昔から、お母さんのお手伝いで色々していたし、おにぎりは初歩の初歩というか、何度もやっていれば、普通は上達するものだ。
苦笑を零しながら、「別の方を手伝った方がいいかもしれませんね」と提案してみたけれど、カインさんとレイル君が厨房内で調理を行っている人達を見回すと、小さく首を振った。
「「無理だ……」」
「レイル殿下、とりあえず俺達が握った物と、出来上がっている食事の方を、医務室にお願いできますか? ついでに、……そこの役立たずも一緒にお願いします」
追加のおにぎりをお皿に載せたアレクさんが、レイル君に医務室で休んでいるルイヴェルさん達への差し入れを頼むと、その視線に冷たい気配を纏わせてカインさんの方をちら見した。
「あ、アレクさん……。い、一応、カインさんも一生懸命やってくれていますし、そこまで言うのは、ちょっと」
「ユキ、……さりげにつまみ食いよろしく、お前の手作りを食っている奴を気遣う必要はない」
「え? ……あああ!! カインさん、何やってるんですかっ!!」
指摘を受けて横を見てみれば、私のお皿からおにぎりをぱくっと口に頬張っているカインさんの姿があった。
「仕方ねぇだろ……。んぐんぐ。俺だって腹が減ってんだよ」
ぺろりと自分の親指の内側を舐めたカインさんがひと息吐いていると、アレクさんが瞬時にその背後に移動して、――ゴンッ!!
「痛ぇええええ!!」
「いい加減にしないと……斬るぞ」
アレクさんの右腕の肘がカインさんの頭に渾身の一撃をお見舞いしてしまった……。
「ちょっとぐらい良いだろうが!! 減るもんじゃねぇんだし!!」
「減ってるだろうが!! 食うならレイル殿下の作った形の破滅的な物の方を食え!!」
「……は、破滅、的。はは……そ、そうだな」
「レイル君っ、だ、誰だって最初は上手くいかないものだから!! 何度かやったら綺麗に作れるようになるから、そんな落ち込まないで~!!」
ふっと自嘲めいた苦笑を零したレイル君の瞳が……物凄く遠い所を見ている。
初歩の初歩ともいえる、最初の関門、おにぎり……。
一見して簡単そうには見えるけれど、決してその通りではない。
おにぎりを侮るなかれ……、と、一生懸命レイル君の肩を揺さぶって励ますけれど、おにぎりの載ったお皿と、人数分の食事をワゴンに載せる為か、レイル君は深い哀愁の気配と共にゆっくりと持ち場を離れて行った。
(多分、ガデルディウスの神殿で、カインさんが私を呼び戻す為に頬を叩いたのが原因なんだろうけど……)
アレクさんは、カインさんに対してどうにも感情を荒げやすいというか……。
段々、物言いや仕打ちにも遠慮がなくなってきている気がして仕方がない。
今だって、ぎゃんぎゃんとカインさんと口喧嘩を……あ、竜手と剣が出てる。
(私の事を抜きにしても……、元から相性が悪いんだろうなぁ)
まったく真逆の性格をしている二人だけど、言葉を交わさない時でも威嚇しあっているような時がある。
まぁ、カインさんが相手だと、私も感情を荒げてしまう事があるし……、仕方がないの、かな。
「大体、お前はユキに対して遠慮がなさすぎるんだ!! 少しは気遣う事が出来ないのか!!」
「うるせぇよ!! テメェみたいに尽くしまくれば良いもんでもないだろうが!!」
「尊重して何が悪い!! ユキを大切にしたいと思うのは俺の信念みたいなものだ!!」
「それが忠犬まっしぐらって言ってんだろうが!! テメェみたいにユキを姫扱いしてたんじゃ、男としていつまでも意識されねえよ!! この番犬保護者野郎!!」
「――っ!!」
厨房の人達に頭を下げながら二人の喧嘩を止めようとした瞬間、アレクさんがその動きを止めた。
その右手はカインさんの胸ぐらを掴んでいるのだけど、……その手元が緩んだ。
俯いてしまった表情の中身は見えないけれど、私は嫌な予感がして傍へと駆け寄った。
「アレクさん……?」
苦しそうに呻く小さな音が零れ出たかと思うと、カインさんを乱暴に突き放したアレクさんが、身に着けていたエプロンを引き剥がした。
「すまない……、ユキ。少しの間、傍を離れる」
「え……、ど、どこに行くんですかっ」
その声が、どうにも……辛そうな響きを含んでいる気がして、私は無意識にアレクさんの腕を掴んでいた。
「頭を冷やしてくる……」
私の方を振り向きもせずにそう呟いたアレクさんが……、厨房の入り口の向こうに消えてしまう。
カインさんとの口喧嘩なんて、いつもの事なのに……何だか、気配が違っていたような。
「地雷踏んじまったか……。ま、ザマァーミロって感じだけどな」
「カインさん……」
その手を水場で洗ったカインさんが、お塩を手につけて、ほかほかのお米と格闘し始める。
私の方は見ずに、淡々と……白い部分だけを見つめながら、呟く。
「俺とアイツの決定的な違い、わかるか?」
「え……、違い、ですか?」
「アイツは、クソ真面目な上、忠犬すぎんだよ。お前だってすぐ近くで過ごしてきたんだから、わかんだろ?」
「それは……、確かに」
アレクさんは、私の為になる事をしようと、一心に尽くしてくれている。
私を傷つける全ての存在から、全身全霊をもって、守ろうとしてくれている事……。
「あれは、テメェからもお前を守りてぇって思いが強い。けど、……その分、抑え込んでるモンが酷すぎて、逆効果になるって、自覚もしてる」
それは、アレクさん自身も言っていた事だ……。
私に対して、想いが募れば募るほどに、自分を抑えきれなくなると……。
自分自身が、私にとっての危険な存在になる事を……恐れていた。
保護者のように思われている事が、カインさんとは違う扱いをされる事が……辛い、と。
だけど、アレクさんはカインさんとは違って、物腰が穏やかで人の気分を害するような振る舞いをする人じゃない。
そんな、『良い人』のアレクさんに、私が感情を荒げる機会は当然訪れるはずもなく……。
「地雷がわかりやすすぎんだよ」
「カインさん……」
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「だから、それをやめちまわないと、意味ねぇだろうが」
「え……」
歪な形のおにぎりをお皿に載せると、カインさんがその場にどかっと座り込んだ。
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「お前とあの野郎の間で、どう話がついてるかは知らねぇが、惚れた女から焦らされ続けてるわけだからな。俺みたいに思った事を逐一ぶつけられる気質ならまだいいが、番犬野郎の場合は、……これから自分がどう見られるのかが不安で堪んねぇって顔に書いてあんだよ」
「で、でも、……アレクさんとは、ちゃんとお話をしました。これから先、私に迷惑をかけてしまう事もあるかもしれないけれど、私の答えが出るまで……、待ってくれる、って」
「あぁ、俺もあの野郎も待つってのは変わらねぇよ。けどな、番犬野郎の場合は、別の部分を気にしてんだろ、あれは」
「自分が、保護者のように見られている……、という部分ですか?」
「お前にとって、番犬野郎は『守ってくれる騎士』ってポジションだろ?」
確かに、それは変わらないけれど……、決して保護者としてしか見ていないわけじゃない。
アレクさんに告白をされた時、私は確かにこの心を揺れるのを感じた。
自分の事を一心に想ってくれるアレクさんの真摯な気持ちに、揺れ動いた心……。
だけど、アレクさんとは違う存在であるカインさんからの告白を受けた時も、それは同じで……。
普通の女の子だったら、もっと早くに大切な人を決められる事だろう。
私のように、どうしていいかわからず、迷ってばかりなんて……優柔不断すぎる。
「気にしないようにしても、気にしちまうのがクソ真面目の特徴だ。そんな暇があったら、口説きまくればいいのにな?」
「カイン皇子、人には生まれ持った性質がある。ユキもアレクも、根が真面目で悩みやすいんだ。仕方がないとしか言えないぞ」
その時、ワゴンに食事を載せて戻ってきたレイル君が、床から立つようにとカインさんを促した。
「私が……、早く決める事が出来れば、アレクさんを悩ませることも……、ないんですよね」
「決められねぇもんは仕方がねぇだろ。適当に選んで本気になれる訳でもねぇしな」
「ユキのせいではないと思う。それに、狼王族は……『成熟期』を迎えてから恋愛をする方が普通なんだ。ユキは向こうの世界で成人を迎えていると言っても、まだ二十歳だろう?」
「う、うん……」
医務室にいる人達の人数分を持ってきたお皿に載せてワゴンに移すと、レイル君は歩きながら話そうと提案してきた。
私はそれに頷くと、手を洗ってカインさんと一緒にその後を追う。
――ゴロゴロゴロ……。
「人間で言えば、十代半ばで成人の時を迎えて大人になる。けれど、狼王族……というか、寿命の長い種族に関しては別だ。人とは違い、二十歳の時を迎えてもまだ『少女期』、『少年期』でしかない。つまり、子供の年齢にしか見られない、という事だな」
「『少女期』……、そういえば、向こうで生活をしていた時は、周りの女の子達と違って、自分の外見が幼いなと思う事があったけど」
「人の外見年齢で言えば、今のユキは十代半ばほどだ。同じ年頃の狼王族達からすれば、もう少し幼くてもいいくらいなんだが、異世界との混血だからな。何かしら影響があるのかもしれない」
「じゃあ、私はまだ……、子供、って事なのかな?」
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自分では大人の仲間入りをしたと思っていただけに……。
あぁ、でも、ルイヴェルさんには時々言われていたっけ。
まだまだお子様だと……。あれ、自分が年上だからじゃなくて、本当に子供年齢を相手にしているって意味だったんだ。
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「そう落ち込む事はない。あと十年もすれば、『成熟期』が訪れる。そうすれば、身体も変化して、立派な大人の仲間入りだからな」
「変化……」
「そして、『少女期』、『少年期』の頃というのは、非常に不安定とも言える。特に、異性に対する反応や、心の在り方が面倒なんだ。『成熟期』を迎えた者と違い、相手を見定める為の感情が不安定になり、自分に対して向けられた好意を全て意識してしまう傾向が強い」
「お前が俺と番犬野郎のどっちもまだ選べねぇのはその為だな。まぁ、『成熟期』を迎えてなくても、徐々に見定めていく事は出来るわけだが、お前……、俺と番犬野郎に告白された時、どんな感じだったんだよ?」
告白された時……。
とても優柔不断な事だとは思うけれど、どちらも一時は強く意識してしまう程に胸を高鳴らせてしまったというか……、暫くしてからは落ち着いたけれど。
そう伝えると、「やっぱりな」と二つの反応が返ってきた。
「強い感情に振り回されて、一時的には相手を意識する。だが、徐々にそれが落ち着き始めて、相手を見定める期間に入っていくんだ。『成熟期』に近ければ近いほどに結論が出るのは早くなるが……、ユキの場合は、『少女期』である事と、混血である事で、少々先が読めない」
「だから俺達は、何度も待つって言ったんだよ。ま、最初は番犬野郎と仲が良かったし、もう定まっちまってるかとは心配したけどな」
「短気なカイン皇子が『待つ』という事自体、ある意味不思議な事だからな。『成熟期』を迎えていれば、きっと凄まじい猛攻の嵐だったんじゃないか?」
「まぁな。大人の女になってれば、遠慮する必要もねぇだろ」
「そ、そうだったんですか……」
遠慮して頂いてありがとうございますと言うべきなのだろうか。
でも、何はともあれ、自分が優柔不断すぎるのではなく、『少女期』故の事なのだと知って、少しだけほっとした。
「で、番犬野郎もそれはわかってるはずなんだが、『保護者』って立場に、すげぇ怯えがあるみてぇなんだよなぁ。あれ、頭では納得してても、心の方で納得してないタイプだろ。前にユキの部屋であれだけ心情吐きまくってやがったくせに、女々しいぜ」
「アレクさんは女々しくなんて……」
「関係性的に、仕方がないんだがな……。それでも、アレクは……、一日も早く、ユキから異性として見られたいと願っているんだろう」
「贅沢な奴……。俺よりも先にユキと出会っておいて、俺よりも近くにいやがるくせに」
「カイン皇子とアレク、お互いに羨ましがってばかりだな」
「ふん……。ああいうクソ真面目なウジウジ野郎と見てると、腹が立つんだよ」
私の答えが出るまで待つという気持ちと、異性としての想いを願うアレクさん……。どうすれば、その不安や焦りを取り除いてあげられるのか……。
廊下の途中で足を止めた私を、二人が振り返る。
「ユキ……?」
「どうした? 腹でも痛くなったか?」
「……待たせてしまうって、凄く……、勝手な立場、ですよね」
答えが出るまで、私はアレクさんとカインさんの想いを縛り付けてしまう。
『少女期』でなければ、もっと早くに……二人の想いを自由にさせてあげられたかもしれないのに。
だけど、それはもう何度も二人から気にするなと言われた事で……。
まだ出ない答えをすぐに掴む事は出来ない。……それなら。
「レイル君、医務室に食事を届け終わったら、ちょっとだけ……、同行をお願い出来るかな?」
私は胸元で右手を握り締め、今自分に出来る事をしようと心に決めた。
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