【完結】婚約破棄され下級メイドになり、獣人王子(猫)の世話係に抜擢されました。

朝日みらい

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(18)王子の真剣な申し出 

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二人は庭の端にある静かなベンチに腰を下ろしました。日が沈み、空がだんだんとオレンジ色に染まる中で、王子はしばらく黙っていました。

アメリアは少し緊張したように彼を見つめながら、静かな風の音を聞いていました。その沈黙が心地よくもあり、少し不安でもありましたが、突然王子が口を開きました。

「アメリア…私は、君と結婚したい。」 

アメリアは思わず目を丸くしました。

突然の告白に、あまりにびっくりして声も出ませんでした。王子はいつもの冷静で落ち着いた顔をしていましたが、目の奥には真剣さが溢れています。

アメリアが驚いているのを見て、彼は少し照れくさそうに笑いました。

「え?結婚?」

アメリアは声が震えないように、ちょっと自分を落ち着けました。

「殿下、突然すぎて、驚きましたわ。」

王子は少し照れたように顔を赤らめながら、深く息をつきました。

「君が僕にとって、ただの家族の一員というわけではない。君の優しさ、強さ、そして何よりその笑顔が、僕を幸せにするんだ。だから、君を僕の妻として迎えたい。」

「でも…」アメリアはその言葉を受け入れるのが少し怖かった。彼女は少し目を伏せながら、続けました。「私、結婚なんて、私がふさわしい妻になるなんて思えませんわ。だって、私はただの…」

「何を言っているんだ?」

王子はすぐに反応し、アメリアの顔を覗き込みました。

「君はずっと、ふさわしい妻だよ。何度も言っただろう、君だけが僕にとって特別だって。」

彼の言葉には、力強い決意が込められていました。その言葉を聞いて、アメリアは心が温かくなるのを感じました。

「でも、殿下…」

アメリアは少し俯きながら言葉を続けました。

「私が王宮で働いている間、何度も不名誉な噂を立てられて…。こんな私が、殿下に申し訳なくて…」

「そのことはもう忘れろ。」

王子は肩をすくめて軽く笑いました。

「君が僕を幸せにしてくれるんだ。それが何より大事だよ。君は、もう僕にとって…ただの令嬢じゃない。君の名前は、僕の名前に加わるべきだ。」

その言葉に、アメリアは顔を赤くして、思わず目をそらしました。彼の目が、彼女を真剣に見つめていたからです。

その瞬間、王子は何かを思い出したように、ふっとにっこりと微笑みました。

「あ、それから一つだけ頼みがある。」

「何でしょう?」

アメリアは首をかしげました。王子の微笑みに、少しドキドキしながら待ちました。

「君が僕の妻になってくれたら、毎晩僕の寝室に来て、僕を起こしてくれるか?」

王子はいたずらっぽく言いました。

「最近、満月の夜、寝過ごしてしまうことが多くてね。もし君が隣にいれば、きっと一緒に起きてくれるだろう?」 

アメリアはその冗談に思わず吹き出してしまいました。

「それは…私がやりたくないことをお願いしているみたいですわね。」

彼女は王子をからかうように言いましたが、心の中では嬉しさが込み上げてきました。

「いや、だって君が寝ているとき、僕が寝過ごしたら可哀想じゃないか。」

王子は少し顔を赤らめながら、真面目な顔で続けました。

「だから、君がそばにいてくれれば安心だ。」

「なんですか、それは…」

アメリアは顔を覆いながら、笑いを堪えるのが精一杯でした。

「本当に殿下らしいお話ですわ。」

王子の顔が赤くなったのを見て、アメリアは更に笑ってしまいました。

「君と一緒にいると、どんな些細なことでも幸せに感じるんだ。」

王子はアメリアの手を優しく取って、真剣な目で彼女を見つめました。

「だからお願いだ、僕の妻になってくれ。」

アメリアはその目に、どこか震えるような温かさを感じ、心が決まった瞬間を迎えました。

彼女は顔を赤らめながら、深く息をつき、王子を見つめ返しました。

「殿下…私、あなたと一緒にいたいですわ。」

その言葉に、王子は嬉しそうに微笑みました。

「僕も、君と一緒にいたい。これからずっと、君を大切にするよ。」

アメリアはその言葉を胸に、王子と共に歩み始めました。彼の手のぬくもりを感じながら、二人は静かな夜の中、未来を誓い合うように歩き続けました。
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