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文才のない、無職です
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いつの間にか、はらはらと曇り空から冷たい粉雪が舞い落ちはじめた。
彼は、神田駅から自宅の最寄り駅T駅の改札に戻った。
駅前のバスターミナルから、下校した高校生たちが階段を下りてきている。
駅前のバスに乗ろうと、ロータリーを横切ろうとした時だった。
横から勢いよく、赤いセダンがエンジン音をぶんぶんと唸らせながら走り込んできた。
危ないと思った瞬間、圭吾の腰に何者かの腕が回り、横倒しになる。
うっすら目を開けると、目の前に女子高生が圭吾と並んで路上に倒れていた。
ふんわりと紺色の吊りスカートがめくれあがり、桃色のレースのパンティがのぞいている。
スレンダーな脚がもつれ、肩まで伸ばした豊かな長髪が、目鼻立ちの整った鼻先にまで垂れている。
彼女が、近隣では名高い誠心女学院の生徒であることは、予備校の講師経験からすぐに察しがついた。
女学院は、交通の便がよくない、郊外の緑豊かな郊外の高台にあるため、T駅から学院の専用バスで通学している。
偏差値が高いことだけでなく、お嬢様学校で学費も高く、それなりの経済的にゆとりのある家庭でないと入学は厳しい。
そんな若い少女を、これほど間近に接したのは、予備校時代以来だった。
(まるで女神みたいだ)
思わず圭吾が吸い付くように直視していると、突然、少女の上半身が跳ね起き、切れ長の瞳がこちらをのぞきこんできた。
彼は、神田駅から自宅の最寄り駅T駅の改札に戻った。
駅前のバスターミナルから、下校した高校生たちが階段を下りてきている。
駅前のバスに乗ろうと、ロータリーを横切ろうとした時だった。
横から勢いよく、赤いセダンがエンジン音をぶんぶんと唸らせながら走り込んできた。
危ないと思った瞬間、圭吾の腰に何者かの腕が回り、横倒しになる。
うっすら目を開けると、目の前に女子高生が圭吾と並んで路上に倒れていた。
ふんわりと紺色の吊りスカートがめくれあがり、桃色のレースのパンティがのぞいている。
スレンダーな脚がもつれ、肩まで伸ばした豊かな長髪が、目鼻立ちの整った鼻先にまで垂れている。
彼女が、近隣では名高い誠心女学院の生徒であることは、予備校の講師経験からすぐに察しがついた。
女学院は、交通の便がよくない、郊外の緑豊かな郊外の高台にあるため、T駅から学院の専用バスで通学している。
偏差値が高いことだけでなく、お嬢様学校で学費も高く、それなりの経済的にゆとりのある家庭でないと入学は厳しい。
そんな若い少女を、これほど間近に接したのは、予備校時代以来だった。
(まるで女神みたいだ)
思わず圭吾が吸い付くように直視していると、突然、少女の上半身が跳ね起き、切れ長の瞳がこちらをのぞきこんできた。
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