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大家のことをもっとよく知りたいのです
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圭吾は、また凛子のグラスにボトルを傾けた。
それから自分のグラスに注ぎながら、
「旦那様が亡くなって、お一人でがんばってきたなんて、大変だったでしょう」
と、いかにもよき理解者であるふりをした。
すると、凛子は何度も相づちをうちながら、
「そうなの。不動産業者とか信じられないから、自分で国家資格を取って、御茶ノ水にお店を開業したのよ」と言った。
圭吾が三年前、まだ御茶ノ水駅近くの予備校で講師をしていた頃のことだ。
凛子の経営する小さな不動産屋「マッチングハウス」に立ち寄ったのが、二人の出会いだった。
凛子はすぐに、この御茶ノ水から電車一本で通勤も楽で、通勤時間も三十分ほどの時間で済むというこの物件を熱心に勧めてきて、その熱意にほだされて契約を結んだのだった。
すらっと身体のラインが浮き立つ上着とパンツを着ていた凛子は、いかにもできるビジネスウーマンだった。
そして今、目の前にいる、リラックスして下着の肩紐が片方ずり落ちている凛子は、そんな外向きの顔とは違った大人の女の色気を醸し出している。
「なぜ、ぼくにこのアパートを勧めてくれたんです?」
「もちろん、都内の有名C大学を卒業していて学歴だってあるし。大手の御茶ノ水予備校の社員なら家賃も大丈夫そうかなと思ったけど」
凛子は、圭吾に顔を近づけて、続けた。
「でも、それだけじゃないの」
「えっ、どこを見込んだんです?」
「あなた、わたしの胸を見て、すぐにズボンの下が膨らんでいて、でかいわ、かわいいなって思った。純情な息子だなって」
「そこですか」と、思わず、圭吾は目を瞬かせた。
凛子はさも愉快そうに笑い出した。
「そうよ。わたし、あなたのそこが大好きなの」
それから自分のグラスに注ぎながら、
「旦那様が亡くなって、お一人でがんばってきたなんて、大変だったでしょう」
と、いかにもよき理解者であるふりをした。
すると、凛子は何度も相づちをうちながら、
「そうなの。不動産業者とか信じられないから、自分で国家資格を取って、御茶ノ水にお店を開業したのよ」と言った。
圭吾が三年前、まだ御茶ノ水駅近くの予備校で講師をしていた頃のことだ。
凛子の経営する小さな不動産屋「マッチングハウス」に立ち寄ったのが、二人の出会いだった。
凛子はすぐに、この御茶ノ水から電車一本で通勤も楽で、通勤時間も三十分ほどの時間で済むというこの物件を熱心に勧めてきて、その熱意にほだされて契約を結んだのだった。
すらっと身体のラインが浮き立つ上着とパンツを着ていた凛子は、いかにもできるビジネスウーマンだった。
そして今、目の前にいる、リラックスして下着の肩紐が片方ずり落ちている凛子は、そんな外向きの顔とは違った大人の女の色気を醸し出している。
「なぜ、ぼくにこのアパートを勧めてくれたんです?」
「もちろん、都内の有名C大学を卒業していて学歴だってあるし。大手の御茶ノ水予備校の社員なら家賃も大丈夫そうかなと思ったけど」
凛子は、圭吾に顔を近づけて、続けた。
「でも、それだけじゃないの」
「えっ、どこを見込んだんです?」
「あなた、わたしの胸を見て、すぐにズボンの下が膨らんでいて、でかいわ、かわいいなって思った。純情な息子だなって」
「そこですか」と、思わず、圭吾は目を瞬かせた。
凛子はさも愉快そうに笑い出した。
「そうよ。わたし、あなたのそこが大好きなの」
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