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隣人もなかなか良い人です
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二月半ばになったものの、まだ肌寒い日が続いている。
楓とのつながりは、圭吾の生活リズムをたしかに変えていた。
まず、十時すぎにのそのそ起きることをやめた。
朝の六時すぎには起床し、ジャージに厚手のダウンジャケットをはおると、徒歩十五分ほどの、近所の神社まで、軽めの散歩をする。
境内の梅の木が、ぽつぽつと枝に花を咲かせはじめていた。
それから凛子との約束通り、毎朝のアパート周りの清掃をはじめる。
最初は早起きはきつかったものだが、慣れてくると、これまでのだらだらした生活が、いかに非効率で時間を無駄にしていたか、つくづくと思い知る。
朝が早いと、頭の回転が早く、身体の調子もよいし、創作への意欲も、アイデアも湧いてくる。
「おはよう、圭吾」
圭吾が二階で箒をはいていると、ベージュのスーツ姿の凛子が、一階の玄関から出てきて声をかけた。
昨日、夕食に誘われて、その後、身体を交えた。
凛子の肌が艶めいているのは、昨日のセックスの残り火がまだ消えてないせいだろう。
「凛子様、おはようございます。お仕事、いってらっしゃい」
凛子は赤い車に乗り込むと、颯爽と走り出していく。
圭吾が階下から見送っていると、201号室のドアが開いたので、あわてて脇にしりぞく。
表札には、林田とある。
パジャマ姿の隣人が、眼鏡ごしに眠そうな顔で、サンダルを突っかけている。
片手には、市指定の黄色のゴミ袋を持っていた。
「林田さん、ご、ごめんなさい。ぶつかりました?」
女性は驚いた目を瞬せながら、圭吾に会釈した。
楓とのつながりは、圭吾の生活リズムをたしかに変えていた。
まず、十時すぎにのそのそ起きることをやめた。
朝の六時すぎには起床し、ジャージに厚手のダウンジャケットをはおると、徒歩十五分ほどの、近所の神社まで、軽めの散歩をする。
境内の梅の木が、ぽつぽつと枝に花を咲かせはじめていた。
それから凛子との約束通り、毎朝のアパート周りの清掃をはじめる。
最初は早起きはきつかったものだが、慣れてくると、これまでのだらだらした生活が、いかに非効率で時間を無駄にしていたか、つくづくと思い知る。
朝が早いと、頭の回転が早く、身体の調子もよいし、創作への意欲も、アイデアも湧いてくる。
「おはよう、圭吾」
圭吾が二階で箒をはいていると、ベージュのスーツ姿の凛子が、一階の玄関から出てきて声をかけた。
昨日、夕食に誘われて、その後、身体を交えた。
凛子の肌が艶めいているのは、昨日のセックスの残り火がまだ消えてないせいだろう。
「凛子様、おはようございます。お仕事、いってらっしゃい」
凛子は赤い車に乗り込むと、颯爽と走り出していく。
圭吾が階下から見送っていると、201号室のドアが開いたので、あわてて脇にしりぞく。
表札には、林田とある。
パジャマ姿の隣人が、眼鏡ごしに眠そうな顔で、サンダルを突っかけている。
片手には、市指定の黄色のゴミ袋を持っていた。
「林田さん、ご、ごめんなさい。ぶつかりました?」
女性は驚いた目を瞬せながら、圭吾に会釈した。
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