【完結】孤高の皇帝は冷酷なはずなのに、王妃には甘過ぎです。

朝日みらい

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(50)「二人だけの秘密」

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城の中庭で、カイゼルはアリシアを迎えに行くつもりだった。

けれど、ちょうどその時、アリシアは庭の小道を歩きながら、何かに夢中で考えていた。

「アリシア、こっちだよ。」

カイゼルは手を振って彼女に声をかけたが、アリシアはすっかり気づかずに歩いている。

カイゼルは一歩近づいて、彼女の肩に軽く手を触れた。

「あれ、どうしたんだ?」

アリシアはふと顔を上げ、びっくりしたように目を大きくした。

「あ、カイゼル様!すみません、ちょっと考え事をしていて。」

「考え事?こんな素敵な天気なのに?」

カイゼルはにっこりと微笑み、アリシアの手を取った。

「なら、考え事は後回しにして、俺と一緒に散歩しよう。」

「うーん…」

アリシアは少し迷いながらも、彼の手を取って歩き出した。

「じゃあ、ちょっとだけ。カイゼル様と一緒なら、どこでも嬉しいです。」

「本当に?」

カイゼルはわざと不意にアリシアの顔をじっと見つめた。

「じゃあ…これからはもっと、俺と一緒にいろんなことをしてくれるよな?」

アリシアは顔を赤くし、慌てて視線を逸らす。

「それは…もちろんです!でも、急にそんなこと言われると、ちょっとドキドキします。」

カイゼルはその反応に満足げに笑った。

「じゃあ、これからもドキドキさせてやるよ。」

アリシアは思わず口を開けて、「い、いけません!」と言いかけたが、すぐにその言葉を呑み込んだ。

「でも、カイゼル様って本当に意地悪ですね。」

「意地悪?」

カイゼルはアリシアの顔をじっと見つめ、顔を近づけた。

「それって、俺がもっとお前をドキドキさせるべきだってことだよな?」

アリシアはすっかり顔を赤くし、どう答えていいかわからなくなった。

「も、もっとって…それは…」

カイゼルはそのままアリシアの手を引いて、二人きりで静かな庭の奥へと歩みを進めた。

「でも、こうして一緒にいるだけで、俺はすごく幸せだ。」

「私もです。」

アリシアはその言葉にほっとして、少し力を抜いた。

「カイゼル様といると、なんだかどんな小さな瞬間でも、大切に思えて。」

カイゼルはその言葉に微笑んで、アリシアの肩を優しく抱き寄せた。

「それなら、お前の幸せを守るために、もっともっと大切にするよ。」

「もう…カイゼル様。」

アリシアは照れながらもその温もりに身を任せて、彼の肩に頭を預けた。

「本当に、私のこと、好きなんですね。」

「好き?いや、好きじゃなくて…」

カイゼルはわざと口をすぼめて、真顔で言った。

「愛してるんだ。」

アリシアはその言葉に驚き、ふっと息を飲んだ。

「あ、愛してる…?」

「うん。」

カイゼルは少し照れたように笑いながら言った。

「こんなにドキドキさせられるのは、お前だけだからな。」

その言葉にアリシアは顔を真っ赤にし、カイゼルの胸元に顔を埋めた。

「ほんとうに…そんなこと言われると、もう…」

カイゼルはそのままアリシアの髪を優しく撫で、抱きしめながら言った。

「俺もお前にドキドキさせられる。だから、これからもずっと、こうして一緒にいたい。」

アリシアはカイゼルの胸に耳をあてながら、穏やかな笑顔を浮かべた。

「私もです。カイゼル様、私を一生守ってくれるって、約束してください。」

「もちろんだ。」

カイゼルはアリシアをさらにしっかりと抱きしめながら、誓った。

「これから先、どんな困難があっても、お前を絶対に守るから。」

その言葉に、アリシアは安心したように頷き、ふわりと微笑んだ。

「ありがとう、カイゼル様。」
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