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あたしは、ぎゅっと奥歯をかみしめると、はーっと思い切り息をすった。
「ああ、みじめなあたしなんか、消えちゃえ!」
パシャン。皿がぶち当たってくだけた。
「よし、次っ」
「パパはなんで、いなくなるんだっ。ふざけんなっー」
「よし、まだ次っ!」
「ママは朝弱すぎ、しっかりしろー!」
「まだまだ、次っ!」
ぎわよく、なぎさ先生が手渡す。まるで、うすでお餅をついている感じだ。あたしがついて、先生がねるみたい。けっこう、リズミカルだ。
だんだん、ひたいから汗の粒が垂れて、あごの先からおちていく。ハァハァ、肩で荒い息をはいていると、
「これで、もう終わりかい!」
と、なぎさ先生が顔を赤らめてどなった。
「ハクちゃんの抱えてるものって、それくらいちっぽけ? 名前も自分でつけられないなんて、なさけない!」
「な、なにっ」
あたしはなぎさ先生をにらみつけると、
「先生なんか、大きらいだっ!」
と投げつけた。そして、すぐつかみ上げて、
「パパなんか、大きらいだっ。ママも大嫌いだっ」
と交互に叫び続けた。パリン、パリンと軽くはじけ飛ぶ。あたしは顔を真っ赤にしながら、これでもか、これでもか、と投げ続けた。
声もガラガラ、腕もパンパン、頭もクラクラしてきた。もう、何も考えられない。パリン、パリンという音だけしか耳に入らない。 パリン、パリン。 ああ、何か軽すぎるんだ、この音。パリン、パリン。何かムカついてくる。
あたしはなぎさ先生からの皿をうけとらずに、棚の上にかけだした。
「あっ、ハクちゃん、ダメ」
止めようとするミノワさんの声なんか無視して、花びんの口をがに股で抱え持った。ずっしり重い。
「パリン、パリン。軽すぎるんだ。あたしは、これより、もっともっと」
砲丸投げみたいに体を半回転させながら、
「つらいんだっー!」
って叫んだ。火山の手前で花びんはごろごろ転がってから、わきの壁に当たってバリンとくだけた。
「ああ、みじめなあたしなんか、消えちゃえ!」
パシャン。皿がぶち当たってくだけた。
「よし、次っ」
「パパはなんで、いなくなるんだっ。ふざけんなっー」
「よし、まだ次っ!」
「ママは朝弱すぎ、しっかりしろー!」
「まだまだ、次っ!」
ぎわよく、なぎさ先生が手渡す。まるで、うすでお餅をついている感じだ。あたしがついて、先生がねるみたい。けっこう、リズミカルだ。
だんだん、ひたいから汗の粒が垂れて、あごの先からおちていく。ハァハァ、肩で荒い息をはいていると、
「これで、もう終わりかい!」
と、なぎさ先生が顔を赤らめてどなった。
「ハクちゃんの抱えてるものって、それくらいちっぽけ? 名前も自分でつけられないなんて、なさけない!」
「な、なにっ」
あたしはなぎさ先生をにらみつけると、
「先生なんか、大きらいだっ!」
と投げつけた。そして、すぐつかみ上げて、
「パパなんか、大きらいだっ。ママも大嫌いだっ」
と交互に叫び続けた。パリン、パリンと軽くはじけ飛ぶ。あたしは顔を真っ赤にしながら、これでもか、これでもか、と投げ続けた。
声もガラガラ、腕もパンパン、頭もクラクラしてきた。もう、何も考えられない。パリン、パリンという音だけしか耳に入らない。 パリン、パリン。 ああ、何か軽すぎるんだ、この音。パリン、パリン。何かムカついてくる。
あたしはなぎさ先生からの皿をうけとらずに、棚の上にかけだした。
「あっ、ハクちゃん、ダメ」
止めようとするミノワさんの声なんか無視して、花びんの口をがに股で抱え持った。ずっしり重い。
「パリン、パリン。軽すぎるんだ。あたしは、これより、もっともっと」
砲丸投げみたいに体を半回転させながら、
「つらいんだっー!」
って叫んだ。火山の手前で花びんはごろごろ転がってから、わきの壁に当たってバリンとくだけた。
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