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「ママから布、もらってきた」
マチコは、カルミンを布に包むと、針で先が解けないように何度もぬった。
「ほら、カルミンちゃんのお洋服できた。それで機嫌が直るんじゃない?」
「うん!」
ミチルはうれしくて、はね飛びたい気持ちだった。これなら、すべらずに転がっていけそうだ。
「ねえ、またひとりで、けりながら帰る気?」
と、カオルが心配そうにきいた。
「なあ、みんな。ちょっと松原の家、行ってみないか? たすけてやろう」
と、ケイスケが言った。
「坂、きつそうだけど、みんなとならいいかな」と、カズトが屈伸を始める。
「だけどケイスケとカズトだけじゃ、心配だし」と、ナオヤがニヤリとする。
「私を忘れないでよ」と、カオルが念を押す。
マチコは、そっとミチルの肩にふれた。
「それに、カルミンちゃんがちゃんと家に帰れるか、気になるんだよ。松原さん、わたしもいいよね?」
ミチルはみんなの顔を見ながら、大きくうなずいた。
家に着いたら、ハチミツ入りの紅茶、ごちそうしよう。
マチコは、カルミンを布に包むと、針で先が解けないように何度もぬった。
「ほら、カルミンちゃんのお洋服できた。それで機嫌が直るんじゃない?」
「うん!」
ミチルはうれしくて、はね飛びたい気持ちだった。これなら、すべらずに転がっていけそうだ。
「ねえ、またひとりで、けりながら帰る気?」
と、カオルが心配そうにきいた。
「なあ、みんな。ちょっと松原の家、行ってみないか? たすけてやろう」
と、ケイスケが言った。
「坂、きつそうだけど、みんなとならいいかな」と、カズトが屈伸を始める。
「だけどケイスケとカズトだけじゃ、心配だし」と、ナオヤがニヤリとする。
「私を忘れないでよ」と、カオルが念を押す。
マチコは、そっとミチルの肩にふれた。
「それに、カルミンちゃんがちゃんと家に帰れるか、気になるんだよ。松原さん、わたしもいいよね?」
ミチルはみんなの顔を見ながら、大きくうなずいた。
家に着いたら、ハチミツ入りの紅茶、ごちそうしよう。
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