【完結】私は身代わりの王女だったけれど、冷たい王太子に愛されました。

朝日みらい

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その日の朝、宮廷の空は晴れ渡り、風も穏やかで絶好の稽古日和だった。

私はレオニードにお願いして、剣術の稽古を見てもらうことにした。

普段から気になっていたけれど、なかなか言い出せなかった剣術。

この機会に、少しでも学んでみようかな、と思ったわけだ。

「レオニード、私、剣術を習いたいの、刺客を撃退できるように」  

その一言を口にした瞬間、彼は少し驚いた顔をしてこちらを見た。

その目が、まるで「本当に?」って言いたそうだったけど、すぐに表情を引き締めて答える。  

「本気でやる気なのか?」  

「うん、もちろん!」  

私は力強くうなずいた。 

その意気込みに、レオニードは軽くため息をつき、そして珍しく微笑んだ。

「いいだろう。護身術を教えてやる。ただし、無理はするなよ。」  

そう言って、彼は素早く身の回りを整え始めた。

私は少し恥ずかしさを感じながらも、剣を手に取った。

さて、いざ始めようと思ったけれど、どうしたらいいのかまったくわからない。  

「レオニード、どうやって持つの?」
  
「お前、最初からその質問か。」  

少し呆れたように言うけれど、レオニードは手取り足取り教えてくれる。

私が剣を握ったままぎこちなく立っていると、レオニードがすぐに近づいてきて、私の手を取って修正してくれる。

「もっと力を抜け。」  

彼の手が私の手に重なると、ドキッとする。


レオニードの温かさが伝わってきて、思わず顔が熱くなる。

彼は私が気づかないうちに近くにいて、手のひらを優しく添えながら、無駄な力が入らないように導いてくれた。

「それでいい。」  

彼が微笑んだ瞬間、なんだか胸がドキドキして、気がつくと顔が赤くなっているのを感じる。

あ、やばい、どうしよう。と思っていると、レオニードが意外にもからかうように言った。  

「お前、案外恥ずかしがり屋なんだな。」  

「そ、そんなことないわよ!」 
 
「ああ、そうか?」  

にやりとした笑顔でそう言って、さらに距離が近づくから、ますますドキドキが止まらない。

「よし、じゃあ、次は振ってみろ。」
  
レオニードは私に剣を振らせる。

もちろん、最初はまったくうまくいかない。

でも、レオニードが時々教えながら、「こうだ、もっと力を抜け。」と何度も言ってくれる。  

「分かったか?」   

「ええ、分かったわ。」  

私は力を入れすぎないように気をつけながら、剣を振る。

でも、何度か振ってみるうちに、私の動きが少しずつ滑らかになってきた。

レオニードもその変化に気づいて、少し驚いた顔を見せる。  

「お前、案外才能があるのかもしれないな。」  

「ほんと?嬉しい!」  

私は思わず笑顔になった。

レオニードの言葉に、なんだか嬉しくて、もう少し頑張ろうって気になる。

「じゃあ、今度は少し早く動いてみろ。」  

レオニードがそう言って、私に動きの速さを求める。

私は一瞬迷ったけれど、彼の目が真剣なので、意を決して剣を振り下ろした。

すると、レオニードがすかさず反応して、私の剣を軽く止める。

「その速さじゃ、まだ防げないぞ。」
  
「え?」  

「お前の力はいい感じだ。でも、タイミングが早すぎる。」  

「なるほど。」  

私は少し悩んでから、もう一度剣を構えてみる。

レオニードはしばらく黙って見守っていたが、ふと、「よし、今だ。」と合図をくれる。

その瞬間、私はレオニードの目を見て、すぐに動くタイミングをつかんだ。

剣が交わる音がして、私の力を受け止めたレオニードの剣が、軽く振り払われる。

「やった、できた!」  

私は思わず声をあげる。

レオニードも少し驚いた顔をしていたけれど、すぐにその顔を少しだけほころばせる。
 
「よし、もう少しだな。」  

「うん、ありがとう、殿下。」 
 
私は息を切らしながらも笑顔で答える。

その笑顔に、レオニードがついと近づいてきて、何気なく頭を撫でてくれる。  

「よくやったな。」  

その言葉に、私は胸がときめいて、少し顔が熱くなる。

「ねえ、殿下。」  

「なんだ?」  

「私、もっと強くなりたい。」  

「うん、そうだな。お前ならきっとできる。」  

その瞬間、私はなんだか勇気をもらった気がして、ますます頑張ろうと思った。

剣を交えていると、何だか私たちの距離が少しずつ縮まっている気がする。

レオニードが私に向ける目が、少し柔らかくなったように感じるから、なんだか嬉しくてたまらない。

「また次も教えてね。」  

「もちろん。」  

彼がそう答えてくれると、私は思わず心の中で笑みをこぼした。

今日は、剣術を通じて、ちょっとだけ近くなれた気がした。
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