【完結】私は身代わりの王女だったけれど、冷たい王太子に愛されました。

朝日みらい

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「ついに、やる時が来たわね。」  

私は鏡の前で自分を見つめながら呟く。

心の中ではワクワクとドキドキが交錯しているけれど、表情は冷静を装っている。

今日は、継母の罪を明るみに出すための一歩を踏み出す日だ。  

「きっと、うまくいく…よね?」  

自分に問いかけながら、もう一度鏡を見つめて、頷く。

だって、私がこれからすることは、ただの告発ではない。

私がここで立ち上がることで、王宮内での立場が大きく変わることを信じてる。

「エリシア、準備はいいか?」  

その声が背後から聞こえてきて、思わずびっくりして振り向く。  

「レオニード…」  

振り向いた先には、彼が立っていて、少し心配そうに私を見ている。

レオニードの表情に、その優しさが滲み出ているのがわかる。

あんなに冷徹だった彼が、今は私に対してこんなに心配してくれるなんて、ちょっと照れくさいけど嬉しい。

「うん、大丈夫よ。あなたがいなくても、私はできるから。」  

自信を持ってそう言うと、彼は少し驚いたような顔をしてから、ほっとしたように息をついた。  

「そうか。俺もお前を信じてる。」  

その言葉に胸が高鳴る。

私が立ち上がる理由は、レオニードにも応えたいからだ。

彼の期待に応えるためにも、今日を成功させなくちゃ。

「でも、気をつけろよ。無理はしないで。」  

レオニードが私の手を優しく握る。

その手の温かさに、少しだけ心がふわっと和む。

でも、今はまだこれからの戦いが待っているから、そんなに甘えてもいられない。

「わかってるわ。」  

私は微笑んで、レオニードの手を握り返す。  

「ありがとう。でも、私は自分の力でやるわ。」  

彼の目がほんの少しだけ柔らかくなる。

それに安心したような、少し照れくさいような、そんな表情を浮かべているのが見えた。

そんなに顔を赤くしないで欲しいんだけど。

---

王宮の大広間で、私はついに、みんなの前に立った。

私が公爵家の母から生まれた証と、継母の罪を暴くために。

息を呑むような静けさが広がり、私の心臓がドキドキと響いている。

でも、レオニードの優しい目が背中を押してくれるから、少しずつ落ち着いてきた。

「皆様、私は今、王宮で起こった一件についてお話しします。」  

声が震えるかと思ったけど、意外にも自然に出てきた。

自分でも驚くくらい、冷静に話せるようになった自分に気づく。

やっぱり、この一歩を踏み出すことで、私は変わったんだ。

「ここにいる者の中には、私の継母の手紙で扇動された者は少なくないでしょう。」  

私は、冷たく笑いながら言った。

反王族派の貴族の顔が歪むのが見える。

でも、もう怖くない。

私には証拠がある。

そして、私の後ろにはレオニードがいる。

彼を信じることで、私はどんな恐れにも立ち向かうことができる。

「まず、わたしの正式な出生証明書です。継母が私のを裏切り、反対勢力にあらぬ噂をでっち上げ私を不当に苦しめてきたこと、ここに証明します。」  

私は反乱貴族たちに向けて手を伸ばす。

貴族たちの目が、今度は恐怖に満ちているのを見逃さなかった。

「お前、何を言っているのだ!」  

反対勢力の貴族が声を荒げる。

でも、その声に動じることなく、私は証拠の手紙や書類を取り出す。

それを広間に掲げると、冷たい空気が一瞬で変わった。

周囲の顔が一気に驚きと興奮で満ちる。

「これが、継母と、わたしを陥れるために犯した皆さんの罪を証明する証拠です。」  

私は静かに言い放ち、反王制派の貴族たちを見つめた。

貴族たちは顔を歪ませ、次第に動揺し始める。  

私はゆっくりと広間の皆を見渡す。  

「わたしに協力してくれた侍女たちをはじめ、なによりレオニード殿がお力になってくださいました」  

レオニードの視線を感じながら、彼が私の隣で堂々と立っているのを見て、少しだけ安心した。

「エリシア、よくやった。」  

レオニードが低く囁く。

その言葉に、私の胸が熱くなる。

彼が私を誇りに思ってくれている。

それだけで、私はもう戦った甲斐があったと思える。

---

その後、反乱貴族たちは王宮から追放され、私の地位は急速に確立されていった。

周りの宮廷人たちも、私に対する態度が変わり、徐々に尊敬の眼差しを向けてくれるようになった。

あんなに孤独だった私が、今や王宮で認められる存在となったのだ。

「エリシア、すごいな。」  

レオニードが私を見て、嬉しそうに微笑んでくれる。  

「あなたがいてくれたから、ここまで来られたの。」  

私は照れくさく言うと、レオニードが少し眉を上げて、私を引き寄せてくれた。  

「いや、君がすごいんだよ。」  

その言葉に、私はつい顔が赤くなるけれど、心は満たされている。

「でも、今後も私たち、一緒に頑張っていこうね。」  

レオニードの顔を見上げながら、私は幸せな気持ちを胸いっぱいに感じた。
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