【完結】私は身代わりの王女だったけれど、冷たい王太子に愛されました。

朝日みらい

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「ねえ、レオニード。あの村、ちょっと行ってみない?」  

私は書類の山を片付けながら、レオニードに声をかけた。

彼がふと手を止めて、私を見つめる。
  
「お前、またどこか行きたいのか?」
  
「だって、国民たちともっと交流したいんだもん。最近、ずっと宮廷の中で仕事ばっかりだし、外の様子を見に行かないと。」  

「お前、本当に忙しいのに、また無理しようとしてるな。」  

「無理じゃないってば。ちょっとだけ行くだけだから。」  

私はレオニードの顔を見つめると、彼が少し困ったようにため息をついた。
  
「仕方ないな…。でも、無理しないで、体調が悪くなったらすぐ言えよ。」  

「うん、わかってる。ありがとう。」
  
私が微笑むと、レオニードも少し照れたように口元を引き締めて、うなずいてくれる。


村に到着すると、すぐに温かい雰囲気が広がっていた。

空気が澄んでいて、自然の香りが心地よい。

村人たちが見守る中、私たちはゆっくりと歩きながら話をしたり、笑顔で手を振ったり。

レオニードも、私が少し前に進むと必ず後ろから守るように歩いてくれる。

その優しさが嬉しくて、私はつい顔を見上げてしまう。  

「どうしてそんなにいつも私を守ろうとするの?」  

「お前が無茶しないようにだよ。あ、でも無理しすぎると俺が倒れるから、気をつけろよ。」  

「はいはい、わかってますよ。」  

レオニードの言葉に笑いながら、私は村の広場に向かって歩いていく。

「エリシア様、レオニード様、お越しいただきありがとうございます!」 
 
村の長老が迎えてくれた。

彼の目が、私たちにとって何よりの歓迎の証だ。  

「こちらこそ、ありがとうございます。今日は少し村の皆さんとお話しをしたいと思って。」  

私はにっこり笑って、村の人々に話しかける。自然とみんなが笑顔になって、私を温かく迎えてくれる。
  
「お前がそうやって接してくれると、みんな安心するんだろうな。」  

レオニードが少し呟くように言った。私は彼に軽く微笑みかける。  

「うん、私も楽しいよ。」  

私たちが村の広場で話をしていると、子供たちが集まってきた。

無邪気な笑顔で駆け寄ってきて、私の手を取る。  

「エリシア様、一緒に遊ぼう!」 
 
「もちろん!」  

私はそのまま子供たちと一緒に、広場で少しだけ遊んだり、お菓子を分けてあげたりした。

子供たちの顔が輝いていて、それだけで心が温かくなる。

その後、村の人々と一緒に食事をしたり、歌を歌ったりして過ごした。

レオニードも、最初は少し遠慮していたけれど、だんだんと和やかな雰囲気に溶け込んでいく。  

「こうやって、みんなで楽しく過ごせるのっていいよね。」  

私はレオニードにそう言いながら、温かいスープを飲み干す。  

「うん、お前があまりにも嬉しそうにしてるから、つい俺も幸せになってくる。」  

レオニードがにやっと笑うと、私は顔が赤くなってしまう。  

「や、やめてよ…恥ずかしいじゃない。」  

「恥ずかしがることなんてないだろ。」  

「そうかもしれないけど…」  

私は少し顔を背けると、レオニードがふっと私の手を握ってきた。

その温かさが、私の胸をドキドキさせる。  

「どこに行っても、お前が笑っていると俺も嬉しいよ。」  

「レオニード…」  

私は彼の目を見つめる。

その目には、何も言わなくても伝わる温かさがあった。  

「ありがとう。」  

「お前の笑顔が一番だからな。」  

そんな風に言われると、胸がいっぱいになって、私はつい頬を赤くしてしまう。

村を後にして宮廷に戻る道中、私は心から幸せを感じていた。

国民たちとこうして触れ合うことで、少しずつだけど、確実に国全体が温かくなっているような気がした。  

「エリシア、また行きたいのか?」  

「うん。もっともっと、いろんな場所に行って、みんなと交流したいなって思ってる。」  

「だったら、俺も一緒に行くから、どこでも連れて行けよ。」  

レオニードの言葉に、私は顔を赤くして答える。  

「うん、ありがとう…本当に。」  

「それにしても、俺はお前に引っ張られるのがちょっと楽しくなってきた。」  

「え?」  

「だって、いつもお前の笑顔が見れるんだもんな。」  

「こ、こっちは恥ずかしくて言えないよ!」  

私は顔を赤くしながら反応するけれど、レオニードは楽しそうに笑っている。

二人で歩く道、互いに支え合いながら、少しずつ変わり始めた王国の姿が浮かんでくる。

私たちの優しさが広がって、国全体を包み込んでいく。

こうして、少しずつ、でも確実に、私たちは理想の国を作っていくんだと感じていた。
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