【完結】私は身代わりの王女だったけれど、冷たい王太子に愛されました。

朝日みらい

文字の大きさ
39 / 40

(39)

今日はついに、私たちの戴冠式の日。

朝からバタバタして、髪を整えるのも一苦労だったけど、あれ、思ったより楽しいかもしれない。

だって、レオニードも少しソワソワしてるのが、なんだか新鮮で可愛いんだもの。

「エリシア、もう少しだけ待ってくれ。」  

レオニードが鏡の前で、ちょっと焦った顔で私を見ている。

王冠を少し傾けて調整してるんだけど、その姿がまた愛おしい。  

「そんなに急がなくても大丈夫よ、レオニード。あなた、顔が真剣すぎよ。」  

私は彼の横に寄り添いながら笑った。
  
「だって…今日は俺たちの一大事だろ? ちゃんと準備しないと。」  

「あなた、そんな真面目に言わなくても。」  

笑いながら、私はレオニードの肩をポンと叩いた。  

「うん、わかってる。でも、エリシアが近くにいるだけで落ち着くんだ。」
  
彼の言葉にちょっとドキッとしたけど、顔には出さずに答える。  

「まぁ、私はお姫様だから、あなたが落ち着けるようにそばにいてあげるわよ。」  

「お姫様だなんて、君にはぴったりだな。でも、俺の王妃だぞ。」  

レオニードがそう言いながら、私を見つめるその目は真剣で、心臓がドキドキしてしまった。

あぁ、ほんと、どうしてこんなに素敵な人を好きになったんだろう…。

準備が整った頃、いよいよ私たちは大広間へ向かうことになった。

宮殿内はすでに賑わっていて、貴族たちが整然と並んでいるのが見える。

彼らの視線を感じると、少し緊張してきたけど、隣にいるレオニードの手がしっかりと握られているから、何だか安心する。

「行こう、エリシア。」  

レオニードが私に微笑みかけ、私も力強く頷いた。  

「うん、一緒に行こう。」

そして、大広間の中央に立つと、目の前には王冠を授ける司祭が待っている。

周りには国民たち、貴族たちが見守る中、私はレオニードと並んで立ち、胸が高鳴るのを感じた。  

「我が王と王妃よ、この国を導くにふさわしい者として、今、国民の前で戴冠されるべき時が来た。」  

司祭がそう言うと、私たちの王冠がゆっくりと頭に乗せられた。

その瞬間、周りから拍手が沸き起こる。

その音が響く中で、私はレオニードの顔を見上げると、彼もまた私を見ていて、微笑んだ。  

「エリシア…」  

彼の低い声が耳に届く。  

「君と一緒に国を治めることができて、僕は本当に幸せだ。」  

「私もよ。」  

私は照れながらも、真剣に答える。だって、この瞬間、レオニードと心から同じ気持ちを分かち合えていることが、すごく嬉しくて。

戴冠式が終わると、レオニードが私を引き寄せ、軽く肩に手を回してきた。
  
「さて、これからは二人で国をもっと素晴らしいものにしていこう。」 
 
「うん! でも、その前にちょっとだけ休憩してもいい?」  

私が笑いながら言うと、レオニードが首をかしげる。  

「休憩? まさか、王妃がそんなこと言うなんて。」  

「だって、今日はまだ始まったばかりでしょ? ちょっとだけ君と二人でゆっくりしたいの。」  

そう言って、私はレオニードの手を引いて、一緒に廊下を歩きながら、少しだけ静かな時間を楽しむことにした。 
 
「それじゃあ、俺も少し休憩しようかな。」  

レオニードが微笑みながら答え、二人だけの世界が広がるような気がして、胸がいっぱいになった。

王冠をかぶって、国を治めることになったけれど、私たちの関係は変わらない。

二人で支え合い、愛し合いながら、国をより良くしていく。

それが、私たちの新しいスタートなんだと思う。  

「レオニード、私、やっぱり君と一緒でよかった。」  

私はそのまま彼の肩に顔を埋めると、レオニードが嬉しそうに笑ってくれた。  

「俺もだ、エリシア。」  

そして、少し立ち止まり、お互いの目をじっと見つめ合う。  

「これからも、ずっと君を守る。」  

その言葉に、私は深く頷いた。  

「私も、ずっと君を信じてる。」 
 
そして、二人の手がしっかりと握られる。

これからの未来に、私は期待と愛で満ちている。

だって、レオニードとなら、どんな困難も乗り越えていける気がするから。
感想 0

あなたにおすすめの小説

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――

ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。 魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。 ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。 誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。

地味令嬢の私が婚約破棄された結果、なぜか最強王子に溺愛されてます

白米
恋愛
侯爵家の三女・ミレイアは、控えめで目立たない“地味令嬢”。 特に取り柄もなく、華やかな社交界ではいつも壁の花。だが幼いころに交わされた約束で、彼女は王弟・レオンハルト殿下との婚約者となっていた。 だがある日、突然の婚約破棄通告――。 「やはり君とは釣り合わない」 そう言い放ったのは、表向きには完璧な王弟殿下。そしてその横には、社交界の華と呼ばれる公爵令嬢の姿が。 悲しみも怒りも感じる間もなく、あっさりと手放されたミレイア。 しかしその瞬間を見ていたのが、王家随一の武闘派にして“最強”と噂される第一王子・ユリウスだった。 「……くだらん。お前を手放すなんて、あいつは見る目がないな」 「よければ、俺が貰ってやろうか?」 冗談かと思いきや、なぜか本気のご様子!? 次の日には「俺の婚約者として紹介する」と言われ、さらには 「笑った顔が見たい」「他の男の前で泣くな」 ――溺愛モードが止まらない!

笑い方を忘れた令嬢

Blue
恋愛
 お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』

富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間―― 目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。 そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。 一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。 選ばれる側から、選ぶ側へ。 これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。

聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!

碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった! 落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。 オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。 ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!? *カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております

幸せなお飾りの妻になります!

風見ゆうみ
恋愛
私、アイリス・ノマド男爵令嬢は、幼い頃から家族のイタズラ癖に悩まされ、少しでも早く自立しようと考えていた。 婚約者のロバート・デヴァイスと、家族と共に出席した夜会で、ロバートから突然、婚約破棄を宣言された上に、私の妹と一緒になりたいと言われてしまう。 ショックで会場を出ようとすると引き止められ、さっきの発言はいつものイタズラだと言われる。 イタズラにも程があると会場を飛び出した私の前に現れたのは、パーティーの主催者であるリアム・マオニール公爵だった。 一部始終を見ていた彼は、お飾りの妻を探しているといい、家族から逃げ出したかった私は彼の元へと嫁ぐ事になった。 屋敷の人もとても優しくて、こんなに幸せでいいの? 幸せを感じていたのも束の間、両親や妹、そして元婚約者が私に戻ってこいと言い出しはじめて――。 今更、後悔されても知らないわ! ※作者独自の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。