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第二章
第13話
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次男のジスタは、青白い顔で、肩をすぼめながら、言った。
「昨晩は、小作人からの徴収金を、屋敷に運んできいる最中でした。林を抜けようとした際に、背後から狙われました。秘書官様が手配してもくださった騎馬隊も全く歯が立ちませんでした。徴収金も奪われてしまい、わが家には多大な損失を出しています」
長男のライオスが、クララを直視して、眉を細めて言った。
「それで、神官長様に直々に助けをお願いしたのが事の次第です。神官長様が、皇国から依頼されたわけですが、まさか、あなたのような卒業仕立ての未経験の方とは知らず……」
長女のマリンピアが、口を挟んだ。
「神官長様も、魔獣退治にもっと本気になってほしいです! いつも貧しい乞食ばかり治療なさって忙しいのは知っていますけどね。こんな新米神官に着ていただいても、役に立ちそうもないですわ」
クララは、昨晩の飢えた子どもたちの光景を思い出した。
そして、マリンピアのシルク生地の、まばゆいばかりのドレスや、真っ赤に塗られた口紅が重なって見えた時、どうしても沸き立つ自身の感情を抑えることができなかった。
「神官長様のお力を借りなくても、新米の私で何とかします」
クララは、はっきりと言うと、メディス一族の面々を見渡した。
息子や娘たちは不満げに顔を見合わせていたが、当主のサイリスはクララに向かい合って、手を差し出した。
「クララ様、わたしはあなた様の心意気に感銘を受けましたよ。意見はありますが、我が一族は、あなた様を歓迎します」
「ありがとう、サイリス様」
クララは、握手した。
長男のライリスは、きっぱりと言った。
「私たちも、クララ様を信じています。ですが、こちらも神官庁や皇国の支援ばかりを期待するのは、今後はやめにします。一族が存亡の危機にいる中で、手をこまねいているわけにもいかないのでね」
「昨晩は、小作人からの徴収金を、屋敷に運んできいる最中でした。林を抜けようとした際に、背後から狙われました。秘書官様が手配してもくださった騎馬隊も全く歯が立ちませんでした。徴収金も奪われてしまい、わが家には多大な損失を出しています」
長男のライオスが、クララを直視して、眉を細めて言った。
「それで、神官長様に直々に助けをお願いしたのが事の次第です。神官長様が、皇国から依頼されたわけですが、まさか、あなたのような卒業仕立ての未経験の方とは知らず……」
長女のマリンピアが、口を挟んだ。
「神官長様も、魔獣退治にもっと本気になってほしいです! いつも貧しい乞食ばかり治療なさって忙しいのは知っていますけどね。こんな新米神官に着ていただいても、役に立ちそうもないですわ」
クララは、昨晩の飢えた子どもたちの光景を思い出した。
そして、マリンピアのシルク生地の、まばゆいばかりのドレスや、真っ赤に塗られた口紅が重なって見えた時、どうしても沸き立つ自身の感情を抑えることができなかった。
「神官長様のお力を借りなくても、新米の私で何とかします」
クララは、はっきりと言うと、メディス一族の面々を見渡した。
息子や娘たちは不満げに顔を見合わせていたが、当主のサイリスはクララに向かい合って、手を差し出した。
「クララ様、わたしはあなた様の心意気に感銘を受けましたよ。意見はありますが、我が一族は、あなた様を歓迎します」
「ありがとう、サイリス様」
クララは、握手した。
長男のライリスは、きっぱりと言った。
「私たちも、クララ様を信じています。ですが、こちらも神官庁や皇国の支援ばかりを期待するのは、今後はやめにします。一族が存亡の危機にいる中で、手をこまねいているわけにもいかないのでね」
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