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ミウの策略
しおりを挟む「どうしたのよ、うるさいわね?」
強張った表情でカノンが言った。
「いや、こいつがさー悪戯しやがってよ。見ろよこれ。」
「あら? あらあらあら、ベットが~よほどお楽しみでしたのね?」
口に手を当ててレイナが目を細めて、笑みを浮かべた。
俺はそれを聞いて、一瞬固まった。確かに状況的にそう考えるのは…自然だけれど、俺は何もしてない。
「違うー!」
必死に喉から大声を出して否定する。
「うわっ不潔、こいつらやった?」
両手を挙げならが、カノンが頬を赤らめた。
両手を額に当てて、泣きそうになる。
しかし、俺はふと気がついた。
「ちょっと待ってくれよ、ドア鍵かかってなかった?」
そう言えばミウどうやって入ったんだ?
俺は鍵を掛けて、開けた覚えがない。
いつの間にか部屋に入ってたんだ。眠気でそれに気が付かないとは。
「かかってないわよ?」
ミウが閉めなかったんだ。つまり2人が来るのも…予想してた。
嵌められたんだ!
こいつこれも計算のうちか、なんて狡猾な悪戯だ!
「やりましたよ? 何がとは言わないですけど。」
ミウが目を手で隠して恥ずかしそうにクネクネ動く。
実際ミウがドアを叩いたこともない…俺が部屋に招き入れた覚えもないんだ。
って事はミウが盗賊スキルで部屋に勝手に入ったってことになる。とんでも奴だった!
「やってねーよ!」
苛立ちを募らせて言った。芝居してんじゃないよ、まったく!
「本当?」
カノンがミウに言ったが、俺を訝しんで視線を俺から外さなかった。
「やりました! い、た、ず、ら!」
「そっちかい!」
俺は吹き出して、ミウを睨む。
まったく、なんで俺がビビらないといけない訳よ?
「どったの、ダーリン? 責任取らなきゃ駄目だよぉ~。」
ミウが上目遣いで凝視して背中をさする。
「やっぱりぃ! あんた達、不純!」
カノンが俺とミウを交互に指で指して、大きく口を開いた。
「ちがーうぅ!」
首をふるふると横に振って、俺は天に仰いだ。
おい、本当に誤解されるから辞めろ。
「どー言う誤解かなぁ? アキラお•し•え•て?」
おーい! 泣くぞ俺?
俺が居た堪れない気持ちになり、カノンに視線を向けると、何かに気が付いた様に、頷いた。
「あーミウに揶揄われてるのね!」
カノンが鋭く言い、俺は頷く。
「駄目ですよ、ミウ。いくら手を出さない情け無い男の子でも、揶揄っては駄目。」
レイナが正しいけど、微妙に間違ってることを口にした。
「ちょっと待って、その気が有ればミウから襲いそうじゃない? だからアキラは手を出さなかったのよ!」
「なるほど受け身という訳ですか。」
レイナが手を合わせて音を鳴らした。
「2人して何言ってんだよ。手を出すとか出さないとか。
付き合ってもいないんだぞ?
俺たちは。」
それに…まだみんなには伝えてないが、そう言った感情は、不老の紋章を得てからなくなっていったんだ。
その通りですぅ。2人とも、変態ですぅ。
「あはは、ミウそれは言い過ぎ。」
俺はミウをポンと叩き礼を言った。
「ちょっと待ってよ、元はあんたのせいじゃない! なんで1人だけ善人ぶってるのよ?」
カノンが眉間に皺寄せて非難する。
「知らないです、私が襲うとか完全にやばい発言ですぅ。
反省しなさいですぅ!」
「はぁ~まったく、そんなに言い訳ばっかり言うと、友達無くすわよ?」
始まった…2人の口喧嘩が。俺は呆れつつ、成り行きを見守った。
「孤独が悪いみたいに言いますね。
それ違うと思うのです。友達がいない人が落ちこぼれかと言われれば違います。」
「真の友達は、自分が困ってる時に手を差し伸べてくれる人です。
そんな友達は、言い訳程度でいなくなりません。」
ミウが手を掲げて、声を高くして言う。
カノンが何も言えないでいた。
言い訳ではなく、人生観や友情観を表してるって見方も出来るからこれには彼女も沈黙してしまうだろうな。
そこにレイナが反論した。
「違うのよ、カノンが言いたいのは言い訳ばかりすることで友達が嫌な思いするから、減らしなさいってこと。」
「私はミウの言い訳とか、哲学的な物言い好きだから、変わらないでほしいんだけどね。」
レイナがウインクして、微笑む。
レイナの指摘はかなり的を得てる。
しかも言い方が優しいから、ミウもこれには反論しずらいだろうと俺は考えた。
「うん、レイナ~しゅきぃー。」
ミウがレイナに抱きついて言った。
実際ミウが自己中と言い訳、悪戯辞めて真人間になったとしたら、かなりみんなから人気者になるだろう。
ただ、それで良い人だけじゃなくて、悪い人も友達になり、利用されて結局傷つく羽目になりそう。
俺もミウには変わらないで欲しいと伝えた。
「ふふ、アキラはどれだけ私のこと好きなんだか、分かりましたぁ。これからも悪戯しまぁす。」
勘弁してくれー。俺は心で呟いた。
「ありがとう、レイナが代わりに言ってくれてスッキリしたわ。ミウのせいでお腹空いたからアキラ、デートしましょう。」
俺の手を掴み、ゴブリン退治の前に食事に行こうと誘われた。
「ベーだ!」
ミウに向けてカノンが舌を出して言った。
「やりますねぇ!」
ミウがカノンを褒める。
女子達今日、積極的過ぎない?
ミウは分かる。泥棒したこと許したし、強盗に捕まってこの前、助けたしな。
カノンに好かれる様なことしたかな?
きっとミウにあれだ、対抗心燃やしたんだな。
だしにされたかな?
「そうだ、ミウ宿屋のシーツ乾かしとけよ。
水に濡らして迷惑かけたんだからな。」
俺はベッドを指差して叱る。
「ふふ、ご心配なく~さすがにそこは弁えてます。私のスキルで具現化させた物被せて濡らしたので、それ退ければ良いだけです。
「へーちょっとは成長したか。」
「ほら、アキラ行くよ~。」
カノンに急かされた。
「はい、はい。」
「返事は一回で良いの! 子供なんだから!」
うへぇ、カノンに叱られてしまった。
俺はカノンと昼飯を済ました後、ゴブリン退治に行く前に村長に挨拶しに向かった。
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