エルフに転生した俺は、クズ野郎をぶっ飛ばす!

タカユキ

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パーティ結成、故郷からの旅立ち

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「待ちなさい、私あなたを守る義務があるの。あなたが村から出てくなら、私も村を出る。」

スビアが…おいおい…何を言い出すんだこの子は。守る義務って、そんなのないよ?


「えっ、なんなんですか…村長の娘までついてくるんですか? すみません、パーティ4人までなので、受け付けません。」

レニスが手で制した。


「なら、あなたが降りなさい。」

スビアが言い返した。周りの雰囲気が緊張感に包まれた。俺はキョロキョロとみんなの顔を交互に見るしかなかった。

「はい? 私戦士なんですけど? 魔法使いは、もう結構です。お引き取りを。」

レニスが何言ってんのと、呆れるように言う。

「戦士ならティミがやるでしょ? 魔法使いは、何人いてもいいけど、戦士は一人で充分よね?降りなさい。」


「ティミは、魔法使いです。戦士は私にしか出来ないです。状態異常魔法効かない、私にしか出来ないです。それに…なんでついてくるんですか? 村長の手伝いでもしてれば、良くないですか?」

確かにレニスの言い分は、かなり説得力ある。戦士で状態異常が効かない。それはかなりのアドバンテージ…しかしそれは、この村にとっても必要な人材だよな。

この村もレニスがいなくなったら、戦力的に大変だろう。

「…反論しようがないわね。分かった。」

スビアが引き下がった。
確かに反論するのは難しいだろう。

「でしょ? さようなら。」

レニスが冷たく言い放った。

「なら、ティミあなたが降りなさい。」

矛先がティミに向けられた。俺はティミを見る。驚きの表情を浮かべていた。

「えっ? 僕?」
ティミが自分に指を指して言う。

「そう、あなた。魔法なら、私の方が攻撃力高い。回避能力はあなたが上でも、パーティには、圧倒的な火力が必要。つまり降りるなのは、あ・な・た。」

確かにスビアの攻撃力は、魔族をも一撃で倒すほどの高火力だ。目の前で2回も見れば嫌でもわかる。

ティミの攻撃力も引けは取らないけど、やはり多少は下がる。ティミは、弓で何発も打てるけど、隙が結構あるし、その弓を使う時間差があり、スビアはそれがない。速攻で撃てる。


「…僕は家事手伝いをする。戦いだけがパーティの役目じゃないだろ? ご飯を作ったり、掃除が僕には出来る。村長の娘で、甘やかされて育った君には無理だ。」

なるほど、その視点は、なかった。ティミの反論にスビアが苦虫を噛み潰したような表情をする。

「確かに…ムカつくけど、反論のしようがないわね。分かった。」

「それじゃ、またね。」
ティミがふぅーと息を吐いて、安心した表情でスビアにお別れの言葉を言った。

「なら、マギあなたが降りなさい。それで私と2人でパーティ組む。他の仲間は、後で見つけましょう。」

スビアがまたとんでもないことを言って、周りを驚かせた。
まるで駆け落ちの提案だな。

「いや、無理だよ。母さんと別れる事になるじゃん。あのさ、みんなに聞きたいんだけど、そもそもパーティ5人じゃ駄目なん?」

俺は疑問を口にした。あれ? でも良いってなったら、スビアがついてくる事認めてるよね俺? いつの間にか。それってスビアの戦略だったのか?

「マギ、5人でも良いですけど、それだと戦士の私の負担が、かなり大きいです。ここはスビアを涙を飲んで、切り捨てましょう。」

レニスが頬を掻きながらいう。
レニスって賢いよな。そこまで考えてるんだと、俺は感心した。

「フフ、もう限界。息子を取り合う女の子たち。微笑ましくて、お姉さんキュンとしちゃう。」

母さんがそう言うと、女の子2人は、頬を赤らめた。

「別に6人でパーティ組めば良いじゃん? もう1人戦士入れたら、文句なしでしょ?」

母さんが続けて言い提案した。

「うーん、それは敵が1人だと6人パーティだといじめみたいに…なりませんか? 私いくら敵でも、情けと正義感を捨てちゃ駄目だと思うんです。いくら殺し合いでも、マギみたいに優しい人にそう言う事して欲しくないんです。好きな人には、やっぱり純粋でいて欲しいのです。」

レニスが腕を組んで、悩ましげに言う。

「ふふ、さすがねー、レニス。でも別にそれはすぐ解決出来るよ? 敵が1人なら、こっちも全員でかからず、戦う人数と見張りで分ければいいし。」

「そうですね。それなら。あと1人の戦士入れれば解決ですね…あっ…いた。私を負かして。武闘大会で優勝した人がいます。その人勧誘しましょう!」

思い出したようにレニスがパチと手を叩いて言う。

「決まったわね。問題なし。6人パーティ組めばいいってことで、早速出発!」

スビアが仕切るように言った。

これから修行もしながら、魔族達とも戦う。困難が待ち構えてる。けど、みんながいれば乗り越えられるだろう。

それほど頼りになる仲間だった。
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