ゾンビになって復讐しようとしたら、普通に生き返った件

タカユキ

文字の大きさ
20 / 26

荒らしの前の静けさ

しおりを挟む
「えろきもスキル使えたりする? するよねーあんたがスキルなしで生きてるのありえねーし。」

見た目はギャルだけど、その性格は悪魔のよう。
長いピンクのネイルが、キラキラと鏡のように光を反射する。その人差し指を俺に向け、小馬鹿にするような笑みを浮かべると、ゾンビよりも怖く感じる。

どうしてそう感じるのか、理由は明らかだ。俺の顔を足で踏んづけて…その後に残酷に楽しむ時村の、冷酷な微笑みが忘れられない記憶として、フラッシュバックするからだ。

その記憶が、蘇り苦しめる。それはあたかも、獲物を目の前に豹変する、ライオンの様に思えた。
その凶暴な本能が、いつ俺に向けられるのか、子鹿のように一挙手一投足に敏感に反応し、警戒せずにはいられない。

それが、返って彼女に何見てんのよ、えろき? と誤解を招く。もちろんそれは、過去の発言だ。
しかし今言われている様にすら感じる。

だが、それでも時村の目がちらりと俺を捉えるたび、心臓が高鳴り、体が硬直して胸が張り詰める締め付けられる。


「使えるよ。時村さんも、使えるのか。」

俺は彼女に質問した。スキルを使えるかどうか、あけすけに話す彼女に俺は、安心感を得る…はずもない。


「あーやっぱ? 使える超凄いよ、あーしのスキル。無敵だから。でも教えてやんなーい。」

時村が楽しげに話し、ぷいっと横に向く。
顔を背けたいのはこっちだ、と怒りを覚えた。


「へー? 真美もスキル使えるんだ? 欲しいなー。2人もやらなきゃか。手が折れそう。」

朱莉ちゃんが、いきなり彼女を呼び捨てで呼んだ。恐るべしだが、気になる事を言ったな。やらなきゃ? 何をやるんだ?

「はぁ? 何こいつ、あーしの名前呼び捨てなん? 最近のガキは礼儀知らねぇな? ギャルだからって礼儀分からないって見下してんの?」

ギロリと時村が朱莉ちゃんを睨む。彼女の声には、不信感と挑発的なトーンが混ざり合っていた。ここは謝った方が良いと俺は思った。

「私スキル使える人には、呼び捨てにしてるんだ。礼儀とか、子供だから分かんないよ。政樹このお姉ちゃん怖ーい。」

朱莉ちゃんが体を寄せて、上目遣いで助けを求める。
俺はすぐに、芝居だと見抜いた。俺が時村を怖がっているのを分かった上で、言ってるんだ。

ゾンビを全く怖がらない、朱莉ちゃんがそれほど怯えるはずがない。
試されてるいるのだろうか? 何のために?

俺は時村をなだめ、代わりに謝る。くっそ…自分の気弱な性格に腹が立つ。

「こいつ、本当に子供? なんか怪しい。まぁ…あーしも大人気ないか。こんなことで怒るなんて。」
腕を組んで、言う。その行動は不貞腐れた、子供だ。果たしてどっちがガキなのか。

「朱莉ちゃんは、子供だよ。色々辛い目にあってるから、あんまりいじめないでね?」
望ちゃんが助け舟を出した。

「お姉ちゃん、ちょっとトイレ行きたい。何処か止めて。政樹も付いてきて。」
それ聞いて望ちゃんが、神楽さんに伝えた。

「あら、分かったわ。あそこの公園が良いわね。でもゾンビいるかも知れないから、都丸さんがついて行くのは正解ね。」
神楽さんの意見に同意した。

心の中で俺は、ゾンビは朱莉ちゃんが倒してくれる安心感が芽生えていた。

だが…その反面彼女には、良い知れぬ何かがあると感じていた。
ただのトイレ休憩ならいいが、もしかしたら、重要な話をするつもりではないか?

ゾンビが出てきても、朱莉ちゃんなら倒せる。
むしろ俺がいる方が邪魔なはず。
普通なら1人で行くと言う。

だが、話しだけ…だろうか? 何か計画があるんじゃないか? スキルを持っていない2人を見捨てよう。そう告げるつもりか?


彼女の真意は掴めない以上、警戒は怠れない。
絶対に何かある…まぁ…良いさ、セーブ&ロードを発動させれば済む事だ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

終焉列島:ゾンビに沈む国

ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。 最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。 会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

処理中です...