E/N/D ~世界が終わった日、AIは今日も微笑んだ《双眸の夢魘》~

フタツノハカリ

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夢の底で遊ぶ蝶々結び

ep6 駆動する回路

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ソフィは苦戦していた。《4D Pocket》について、どうにも異空間とのマッチングがうまくいかないのだ。無数の次元がある中、たった一つの次元を選択し、正確に結びつける。これが途方もなく難しかった。毎回なぜか、アクセスしようとする次元とは別の空間につながってしまう。
「は~、疲れた。」
大きく、深呼吸をし、体を伸ばす。少し休憩がてら、ソフィは窓の外を眺めた。今日は土曜日。学校が休みなので、アキラに相談ができない。この謎の事象について何かアドバイスが欲しいところだが、それも叶わない。気まぐれに、学校の課題で提出しなければならない、各個人のスキルを磨くための課題に取り掛かることにした。
外では雨が降っており、雨音が心地よく、ソフィは集中して課題に取り組んだ。その時、閃光が目の前を走った。少し経つと「ピシャー!」と轟音を奏でる。地球は約500年前に太陽の直射日光に耐えられなくなり、都市覆うようにバリケードをはるようになったらしい。なので気候や温度は基本的にAIに管理されているはずだった。
「空が光るって...。不思議。」
素直な感想をこぼす。
雷だと理解するには時間は掛からない。学校の古典に載っていた。雨は髪の毛が広がるので鬱陶しくなる。どうやらかなり伸び、「もうそろそろ切ろうかな」なんて思っていたころ、もう一度、閃光が走る。
一つの線から複数の線へ。もしかして...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の週の月曜日、ソフィは朝早くから天体空間科の研究室に出向いた。アキラはまだ来ていないようだった。彼は学年が一つ上なので、まだ授業中だろう。少し時間が空いたので、週末ぶっ通しで作業をしたために凝り固まった体をほぐすため、校内を歩くことにした。荷物(大きな棒を布でグルグル巻きにしたもの)は取られるのが嫌なので常に持ち歩くことにした。乙女の荷物を覗き見る不遜な輩がいないわけではない。「見えない変態」がいるのだから、おかしくはないだろう。
歩いていると、校内の訓練場で司法防衛科と生命植物科の生徒が言い争っている声が聞こえてきた。
「おまえは間違っている。AIがこう言っているのだから、俺が正しいんだ!」
「違う、あの子はそんなことで引きこもったりしない!」
どうにも訳ありそうだった。ソフィは仲裁に入ろうと二人の間に立つ。
すると、いかにも屈強で強気そうな男が、ソフィを冷たくはねのけた。
「なんだ、がり勉の出る幕じゃねぇんだよ!」
少しでしゃばり過ぎたかと思った。その態度にもう片方の女の子が何かを感じ取ったようで
「最低!」
と非難する。そんな幼稚な言葉に屈強な男の脳はさらに熱を帯び女の子を突き飛ばす。さらに次の一言を付け加える。
「弱い奴は淘汰されて然るべきだ。弱い、ギフテッドも貧弱。どうしてこの世に生まれてきたのか分からないね」
あ...無理だ。
「頭っにきた!」
ソフィは布に巻かれた棒を勢いよく取り、認証を解除するために唱える。
「Unveil(アンヴェイル)!」
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