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よく頑張ったで賞
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俺は、自分を褒めてやりたい…。
貧乏だった幼少時代から、いつか絶対、金持ちになってやるって心に誓い続けてきた。自分で起業して絶対、成功してやるんだって。わがままを黙って受け止めてくれていた和美には、感謝しきれない。
俺は、未だに夢を見る…。
もし自分が、元々金持ちの家に生まれていたらって…。大方には言えないが、おそらく起業しようとは思っていなかったと思う。それに、ここまでのハングリー精神のもとで仕事に取り組むこともなかったと思う。生まれた家が貧乏だった…。だからこそ、成り上がりたいと思ったんだ…。
俺は、運命というものを信じようと思っている。人は皆、運命に則って、それぞれの命運のもとに信じた道を進むのだ。たまたま、ここに居たから、たまたま、この道を通って来たんだ。それで良いんだ。
それが、運命だから…。
俺は、苦心の果てに結果を出した。これも結局は、こうなる運命だったんだと思うと事実、体験した苦労の数々が虚しくなるが、俺は自分を褒めてやりたいと思う。そう、俺は諦めなかったんだから…。耐え難い辛労から逃げなかったんだから…。血尿に、血便に、吐血…。真っ赤に染まる便器を、涙で洗い流した事もあった…。
ーーー。
『あなた、もう良いんじゃない。十分やってきたじゃない。ここまでして、やり遂げる事に意味なんかあるの?』
『和美…。意味は、あるさ。これで成功することが俺の夢なんだから…。俺は、夢を叶えたい、ただ、それだけだ。その途中で、もし死んだとしても俺は本望だ。だって俺は、自分の夢を追いかけ続けたんだから。』
『あなた…。』
『お父さん…。』
『文則…!寝てたんじゃないのか!?』
『お父さん…。僕は、お父さんに死んで欲しくなんかないよ。だって、お父さんが死んだら、みんな泣いちゃうよ…。先生が言ってたよ。人を泣かすようなことをしちゃいけないって。』
『文則…。』
『僕は、お父さんみたいになりたいんだ。お父さんみたいに諦めない人になりたいんだ。だから僕らを泣かせるようなことしないでね。』
『文則…。』
『あなた、明日、病院行きましょう。』
『ああ…。』
ーーー。
掴んだ栄光を胸に、成功という結果を踏み締め、今度は、ゆっくりと次の世代の担い手の行く末を見守ろう。
よくやったと褒めてやれるように。
よく頑張ったと抱きしめてやれるように。
ー完ー
貧乏だった幼少時代から、いつか絶対、金持ちになってやるって心に誓い続けてきた。自分で起業して絶対、成功してやるんだって。わがままを黙って受け止めてくれていた和美には、感謝しきれない。
俺は、未だに夢を見る…。
もし自分が、元々金持ちの家に生まれていたらって…。大方には言えないが、おそらく起業しようとは思っていなかったと思う。それに、ここまでのハングリー精神のもとで仕事に取り組むこともなかったと思う。生まれた家が貧乏だった…。だからこそ、成り上がりたいと思ったんだ…。
俺は、運命というものを信じようと思っている。人は皆、運命に則って、それぞれの命運のもとに信じた道を進むのだ。たまたま、ここに居たから、たまたま、この道を通って来たんだ。それで良いんだ。
それが、運命だから…。
俺は、苦心の果てに結果を出した。これも結局は、こうなる運命だったんだと思うと事実、体験した苦労の数々が虚しくなるが、俺は自分を褒めてやりたいと思う。そう、俺は諦めなかったんだから…。耐え難い辛労から逃げなかったんだから…。血尿に、血便に、吐血…。真っ赤に染まる便器を、涙で洗い流した事もあった…。
ーーー。
『あなた、もう良いんじゃない。十分やってきたじゃない。ここまでして、やり遂げる事に意味なんかあるの?』
『和美…。意味は、あるさ。これで成功することが俺の夢なんだから…。俺は、夢を叶えたい、ただ、それだけだ。その途中で、もし死んだとしても俺は本望だ。だって俺は、自分の夢を追いかけ続けたんだから。』
『あなた…。』
『お父さん…。』
『文則…!寝てたんじゃないのか!?』
『お父さん…。僕は、お父さんに死んで欲しくなんかないよ。だって、お父さんが死んだら、みんな泣いちゃうよ…。先生が言ってたよ。人を泣かすようなことをしちゃいけないって。』
『文則…。』
『僕は、お父さんみたいになりたいんだ。お父さんみたいに諦めない人になりたいんだ。だから僕らを泣かせるようなことしないでね。』
『文則…。』
『あなた、明日、病院行きましょう。』
『ああ…。』
ーーー。
掴んだ栄光を胸に、成功という結果を踏み締め、今度は、ゆっくりと次の世代の担い手の行く末を見守ろう。
よくやったと褒めてやれるように。
よく頑張ったと抱きしめてやれるように。
ー完ー
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