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ー第九章ー
≪不覚≫
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清彦と出会ったのは、今の職場だ。まだ、お互いが10代の頃だった。年も同じの同期だった事から、俺達は、直ぐに打ち解けた。しょっちゅう二人で飲みに行ってはバカやって、散々、酒と女の失敗を繰り返して来た。だから、言えるんだ。お互いの欠点を。笑いながら…。
優里ちゃんとの復縁は、ホントに嬉しかった。あの落ち込んだ清彦は、もう見たくなかったから。ホントに良かったって心から言える。何となく遠慮がちに接していた優里ちゃんとも、お陰で打ち解けて来たし、ホントは、思っちゃいけない事だって分かってるけど、あの一件が起きた事で変わった今を鑑みると、命を絶ってまで暴走した優里ちゃんの元彼に、どこか感謝している自分がいる事を否めなかった。
『なぁ、清彦?』
『何?どうした?』
『優里ちゃんと、いつ結婚すんの?』
『は?まだだよ!まだまだ当分、まだ!』
『何でだよ?別に良いじゃんか!優里ちゃんは、処女も喪失したし、もう、遮る物は何も無いんだから。』
『分かってないねぇ、拓は。そんな簡単な事じゃないんだよ!そりゃあ、頃合いを見て、またプロポーズするつもりだけど、今じゃないな。それに、俺、優里と結婚するまでエッチするつもりないから。』
『は!?マジで言ってんの!?何でだよ!?勿体ない!せっかく、向こうがオッケーって言ってんのに!何でなんだよ!』
『いやいや、別に、オッケーなんて一言も言ってないから!』
『いや、そんなんオッケーって言ってんのと同じだべ!?もう、処女解禁したんだから、やりたい放だ…!』
『おい!!』
『うおっ!何だよ!』
『お前!二度と言うなよ!いくら拓でも、今のは許されないわ!俺は、不覚にも、失わざるを得なかった優里の気持ちを考えたら、逆にエッチなんか出来ねぇよ!』
『相変わらず、真面目だなぁ、清彦は。優里ちゃんだって、そんなん求めてないかもよ?』
『良いんだよ、これで。俺は、失った優里の理想を、俺が尊重してやるんだ。でなきゃ、優里が余りにも可哀想だ。』
『清彦…。分かったよ。好きにすれば良いさ。ま、でも、俺は、あくまで、もう積極的に押し倒して行った方が良いと勧めるけどな。』
『拓…。』
清彦には、悪いが俺は知ってるんだ。優里ちゃんが、どう思っているか…。そして、ホントは、どんな子か…。
あの時、打ち明けられた不安が、まさにそれだったんだ。
『…どう思う?拓くん。』
『うーん、そうだなぁ。たぶんだけど、清彦の場合、あいつ何だかんだ言って真面目だから、優里ちゃんに気ぃ使って、何も仕掛けて来ないと思うんだよね。』
『やっぱり、そう思う?』
『そう思う。でも、優里ちゃんは、もう、良い訳なんでしょ?清彦と、ヤっても。』
『うん。だって、もう、悔しいけど失っちゃったからね。拒む理由がないもん。それに…。』
『それに?』
『こんな事言ったら、私、変態って思われちゃうかもだけど…。』
『何よ?言ってごらんて!』
『私ね、あの時…。レイプされてる時、不覚にも、ちょっと感じちゃったの…。』
『え?マジで?最初は、痛いだけじゃの?』
『うん。勿論、基本ずっと痛かったんだけど、最後の方は、ちょっと感じちゃったの。それがね、気持ち良かったの。ゴメンね!私、変なこと言ってるよね!』
『いや!そんな事ないよ!最初から、感じれるなんて、むしろ、ラッキーなんじゃないの?何も恥ずかしい事じゃないと思うよ?』
『ホントに?』
『ホントに!』
『それでね…。』
『まだ、あるの?』
『うん。…それを、きっかけに、じゃあ別の人としたら、どうなんだろうって。他の男の人は、どんなんなんだろうって。何か今までになかった変な興味が湧いてきちゃったの。』
『なるほどね。いや、良い傾向じゃないの?今までとは真逆になったんだから。じゃあ、もっと他の男と遊んじゃえば?』
『いや、それは…。ねぇ…。』
『いや、良いんじゃないの?だって、たぶんだけど、清彦は、もう結婚する気でいるはずだよ。優里ちゃんだって、もはや、そのつもりだべ?だったら、今の内しか、他の男を知る時間無いよ?』
『うーん…。』
『うーん、じゃなくて!』
『ってかさ、拓くんて、キーちゃんの親友だよね?』
『うん、親友。』
『なのに、良くそんな事、平気で言うよね。親友だったら、フツー止めるよね?』
『清彦とは、親友だけどさ、優里ちゃんとも、もはや親友な訳。俺は、清彦には、清彦の幸せを。優里ちゃんには、優里ちゃん独自の幸せを叶えて欲しい訳さ。優里ちゃんの相談は、一人の女の子として俺は、回答してるのよ。だから、俺なりのお勧めを話してるだけ。優里ちゃんが、他の男と遊んでも、清彦には、黙ってれば良いだけの話。清彦は、知らなければ良いだけの話だべ?それで、いずれ二人が一緒になって、幸せになれるなら本望じゃんか。違う?』
『なかなか凄い話を平然と言うよね。拓くんて独り身長いでしょ?』
『あら?分かっちゃいます?』
『分かっちゃいます。だって、なかなか、ふざけた事言ってるもん。そりゃあ、そんな思想を持ってる奴は、彼女なんか出来ないよ!って、そう思う。』
『やっぱす?…はい、自覚してます。』
『ねぇ、じゃあさ、拓くんはダメ?』
『何が?』
『私、拓くんと、してみたい。』
『は!?マジで言ってんの!?』
『うん。マジで言ってる。』
『だって、それは、さすがに…。ねぇ…。』
『あれ?だって、キーちゃんさえ知らなければ問題ないんじゃないの?さっき自分で、そう言ってたよね?』
『はい、言いましたね…。』
『じゃあ、私達が、黙ってれば良いだけの話だべ?』
『ゆ、優里ちゃん…。恐ろしわ…。』
まさに、不覚だった。でも、俺は、情け無くも、その誘惑に負けた。
『んじゃ、今から行こうか?キーちゃん、夜まで帰らないって言ってたし!』
『行くって、どこへ?』
『ホテルよ!ホテル!』
『ゆ、優里ちゃん、正気?』
『至って正気。』
清彦の顔が、当然、何回も何回もチラつくも、不覚にも俺は、既に欲情していた…。
優里ちゃんとの復縁は、ホントに嬉しかった。あの落ち込んだ清彦は、もう見たくなかったから。ホントに良かったって心から言える。何となく遠慮がちに接していた優里ちゃんとも、お陰で打ち解けて来たし、ホントは、思っちゃいけない事だって分かってるけど、あの一件が起きた事で変わった今を鑑みると、命を絶ってまで暴走した優里ちゃんの元彼に、どこか感謝している自分がいる事を否めなかった。
『なぁ、清彦?』
『何?どうした?』
『優里ちゃんと、いつ結婚すんの?』
『は?まだだよ!まだまだ当分、まだ!』
『何でだよ?別に良いじゃんか!優里ちゃんは、処女も喪失したし、もう、遮る物は何も無いんだから。』
『分かってないねぇ、拓は。そんな簡単な事じゃないんだよ!そりゃあ、頃合いを見て、またプロポーズするつもりだけど、今じゃないな。それに、俺、優里と結婚するまでエッチするつもりないから。』
『は!?マジで言ってんの!?何でだよ!?勿体ない!せっかく、向こうがオッケーって言ってんのに!何でなんだよ!』
『いやいや、別に、オッケーなんて一言も言ってないから!』
『いや、そんなんオッケーって言ってんのと同じだべ!?もう、処女解禁したんだから、やりたい放だ…!』
『おい!!』
『うおっ!何だよ!』
『お前!二度と言うなよ!いくら拓でも、今のは許されないわ!俺は、不覚にも、失わざるを得なかった優里の気持ちを考えたら、逆にエッチなんか出来ねぇよ!』
『相変わらず、真面目だなぁ、清彦は。優里ちゃんだって、そんなん求めてないかもよ?』
『良いんだよ、これで。俺は、失った優里の理想を、俺が尊重してやるんだ。でなきゃ、優里が余りにも可哀想だ。』
『清彦…。分かったよ。好きにすれば良いさ。ま、でも、俺は、あくまで、もう積極的に押し倒して行った方が良いと勧めるけどな。』
『拓…。』
清彦には、悪いが俺は知ってるんだ。優里ちゃんが、どう思っているか…。そして、ホントは、どんな子か…。
あの時、打ち明けられた不安が、まさにそれだったんだ。
『…どう思う?拓くん。』
『うーん、そうだなぁ。たぶんだけど、清彦の場合、あいつ何だかんだ言って真面目だから、優里ちゃんに気ぃ使って、何も仕掛けて来ないと思うんだよね。』
『やっぱり、そう思う?』
『そう思う。でも、優里ちゃんは、もう、良い訳なんでしょ?清彦と、ヤっても。』
『うん。だって、もう、悔しいけど失っちゃったからね。拒む理由がないもん。それに…。』
『それに?』
『こんな事言ったら、私、変態って思われちゃうかもだけど…。』
『何よ?言ってごらんて!』
『私ね、あの時…。レイプされてる時、不覚にも、ちょっと感じちゃったの…。』
『え?マジで?最初は、痛いだけじゃの?』
『うん。勿論、基本ずっと痛かったんだけど、最後の方は、ちょっと感じちゃったの。それがね、気持ち良かったの。ゴメンね!私、変なこと言ってるよね!』
『いや!そんな事ないよ!最初から、感じれるなんて、むしろ、ラッキーなんじゃないの?何も恥ずかしい事じゃないと思うよ?』
『ホントに?』
『ホントに!』
『それでね…。』
『まだ、あるの?』
『うん。…それを、きっかけに、じゃあ別の人としたら、どうなんだろうって。他の男の人は、どんなんなんだろうって。何か今までになかった変な興味が湧いてきちゃったの。』
『なるほどね。いや、良い傾向じゃないの?今までとは真逆になったんだから。じゃあ、もっと他の男と遊んじゃえば?』
『いや、それは…。ねぇ…。』
『いや、良いんじゃないの?だって、たぶんだけど、清彦は、もう結婚する気でいるはずだよ。優里ちゃんだって、もはや、そのつもりだべ?だったら、今の内しか、他の男を知る時間無いよ?』
『うーん…。』
『うーん、じゃなくて!』
『ってかさ、拓くんて、キーちゃんの親友だよね?』
『うん、親友。』
『なのに、良くそんな事、平気で言うよね。親友だったら、フツー止めるよね?』
『清彦とは、親友だけどさ、優里ちゃんとも、もはや親友な訳。俺は、清彦には、清彦の幸せを。優里ちゃんには、優里ちゃん独自の幸せを叶えて欲しい訳さ。優里ちゃんの相談は、一人の女の子として俺は、回答してるのよ。だから、俺なりのお勧めを話してるだけ。優里ちゃんが、他の男と遊んでも、清彦には、黙ってれば良いだけの話。清彦は、知らなければ良いだけの話だべ?それで、いずれ二人が一緒になって、幸せになれるなら本望じゃんか。違う?』
『なかなか凄い話を平然と言うよね。拓くんて独り身長いでしょ?』
『あら?分かっちゃいます?』
『分かっちゃいます。だって、なかなか、ふざけた事言ってるもん。そりゃあ、そんな思想を持ってる奴は、彼女なんか出来ないよ!って、そう思う。』
『やっぱす?…はい、自覚してます。』
『ねぇ、じゃあさ、拓くんはダメ?』
『何が?』
『私、拓くんと、してみたい。』
『は!?マジで言ってんの!?』
『うん。マジで言ってる。』
『だって、それは、さすがに…。ねぇ…。』
『あれ?だって、キーちゃんさえ知らなければ問題ないんじゃないの?さっき自分で、そう言ってたよね?』
『はい、言いましたね…。』
『じゃあ、私達が、黙ってれば良いだけの話だべ?』
『ゆ、優里ちゃん…。恐ろしわ…。』
まさに、不覚だった。でも、俺は、情け無くも、その誘惑に負けた。
『んじゃ、今から行こうか?キーちゃん、夜まで帰らないって言ってたし!』
『行くって、どこへ?』
『ホテルよ!ホテル!』
『ゆ、優里ちゃん、正気?』
『至って正気。』
清彦の顔が、当然、何回も何回もチラつくも、不覚にも俺は、既に欲情していた…。
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