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幼なじみが異世界転移して帰ってきたと言っていたのは、本当の事だったらしい 3
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「え、なっ、何……っ!?」
前髪を梳き上げて、覗いた形のいい額に唇を落とす。広人は目を見開いて顔を真っ赤にし、口をパクパクして言葉を失っている。
「可愛かったから。」
俺の言葉に、広人は益々顔を赤くした。ふはー、可愛い、リンゴみたい。ニマニマしてしまう。ダメだぞ俺の表情筋!今が一番大事なところなんだ!
俺は少し首を傾げ、眉をハの字にしつつも、勝ちを確信しながら言った。
「嫌だった?」
すると広人は目を見開いて、
「えっ、いや、べっ、別に嫌ってわけじゃなくて…。」
と、俺の表情を見てどう思ったのか、少し慌てた様子で言った。「ちょっとビックリしただけで…」と俯いてモジモジする広人。よし、今だ!
「よかった…。それなら、口にもしていい?」
言いながら頬に唇を当てる。
広人が息を呑み、体を強張らせた。視線をウロウロさせ、顔色を青くしたり白くしたりまた赤くしたりし、「えと、あ…うぅ、いや、えぇと、その…」と言葉にならない言葉を発し、目をギュッと瞑った。そして、両手をそろそろと伸ばし俺の服をキュッと掴むと、小さくコクンと頷いた。
やったーーー!!
俺はもう我慢できなくて、すぐさま広人の顎に手を掛けて上向かせ、その唇を奪った。初めは浅く、段々と深く。ガチガチに緊張していた広人も、しばらくしたら力が抜けて、俺に縋り付くように凭れ掛かってきた。はぁ、可愛い。
もうちょっといいかなと思って、俺は口付けながら広人の唇を舌で何度も撫でた。すると意図を察した広人は、戸惑った様子を見せたものの、おずおずと口を開いてくれた。俺はすかさず舌を差し込み、その口内を嬲る。舌に舌を絡めると、広人も遠慮がちだが応じてくれた。
はぁー、幸せ…。今まで我慢した甲斐があった。
時間が経つのも忘れて夢中で口付けていたら、「んんんーーーーーっ!」と唸り声を上げた広人に背中をバンバン叩かれた。おっと、やり過ぎたか。
解放された広人がゼェゼェハァハァと肩で息をしている。鼻で息しなかったんだな。可愛いな。
「大丈夫か?」
俺がしれっと訊ねると、広人は潤んだ目をキッと吊り上げて、
「ばか!やり過ぎだ!」
と叫び、プイっと俺に背を向けてドスドス歩き出した。
可愛い…。ヤバい、広人が何しても可愛く見えてしまう。語彙が足りない。可愛いしか言えない。
俺は口元をダラしなく緩めつつ広人を追いかけ、その手を取った。今度は指を絡めて、恋人つなぎにしてみた。怒るかなと思ったけれど、広人は大人しく手をつながれている。おぉ…。感動…。本当に受け入れてくれたんだ。
「ごめんね。嬉しくて夢中になっちゃった。許して。」
広人はチラッと俺の方を見て、次にフイっと視線をそらし、小さく頷いてくれた。
「ありがとう。好きだよ、広人。」
俺は広人の顔を覗き込み、もう一度キスをした。
さて、そんなこんなで晴れて俺たちは恋人同士となった。俺の予測ではもうちょっと時間がかかるかと思っていたので、これはなかなかいいペースではないだろうか。
家に帰った俺たちは、玄関のドアが閉まるや否やまた深い口付けを交わし、気分が盛り上がってしまった俺が広人をベッドに連れ込もうとしたのだが、「せめてシャワー浴びさせて!!」と抵抗されてしまったため仕方なく一緒に風呂に入って(広人は何やらわぁわぁ喚いていたが)お互いを洗い合ったり、俺がちょっと広人を触って怒られたりした(ほんとにちょっとだ。酔っ払ってるのにのぼせたら危ないからな)。
そして風呂から出て、髪も乾かないうちに俺のベッドになだれ込んで、今は次の日の朝だ。
結果から言うと、挿れてはいない。挿れてはいないが満足はしているとだけ言っておこう。
もともと広人に合わせてゆっくりペースでやっていこうと思っていたのだ。恋人になれたのが嬉しくて俺の歯止めが効かず、何だかんだ広人も許してくれたので、今お互いパンツ一丁で一緒にベッドの上に寝転んでいるわけだが、俺は全く焦っていない。
傍らの広人を見る。俺の腕枕でスヤスヤ気持ち良さそうに眠っている広人は、この世のものとは思えないほど、とんでもなく可愛い。天使かな?
この可愛い広人と、昨夜は生まれたままの姿で抱き合って、唇以外にも体中に口付けて、全身を撫で回して、硬くなったお互いのモノを擦り合わせて……。
…やめよう。
ただでさえ浮かれて抑えきれず、昨夜は盛ってしまったのだ。朝からギンギンな姿を見たら、さすがに広人も引くだろう。
はぁ、それにしても昨夜の広人はめちゃくちゃエロ可愛かったな。キスだけで目を潤ませてトロンとした顔になるし、敏感なようでどこを撫でてもピクピク震えていい反応するし、試しに乳首を吸ったり舐めたり指で捏ねくり回したりしてみたら「あぁっ、…ん、は、ぁっ…」なんて可愛い声を聞かせてくれるし、俺と広人のモノを一緒にぐちゅぐちゅ擦り上げれば「あっ、みずのぉ、ん…っ、は、みずのっ、んんっ」と何度も俺を呼んでくれるので、俺は堪らず広人の唇に噛み付いて……。
…だからやめよう。案の定、兆してきてしまったではないか。
俺が心を落ち着けるべく無心で般若心経を唱えていると、隣の広人がもぞもぞと動き出し、重そうなまぶたをゆっくり持ち上げた。そして、俺と目が合うと恥ずかしそうに頬を染め、
「おはよ…。」
と、控えめに笑った。
キューン!
可愛い!心臓が痛い!顔が熱い!
俺が朝チュンの破壊力の前に何も言えないでいると、広人が
「ふはっ!水野、顔真っ赤だぞ。」
と笑って言った。
「そんな顔初めて見たなー」と上機嫌な広人に覆いかぶさりキスをすると、たちまち広人も真っ赤になったので、ふはっと俺も笑った。
その後、「昨日は言えなかったんだけど…」と真面目で律儀な広人から、改めて「俺も水野の事が好きだ」と告白され、頑張って耐えていた俺の理性は吹き飛び、結局朝から盛ってしまったのだが、広人はまたもや受け止めてくれた。本当にできた嫁だ。
そういえば、俺も異世界に飛ばされたって話、広人にしてなかったな。
ま、いいか。
終
前髪を梳き上げて、覗いた形のいい額に唇を落とす。広人は目を見開いて顔を真っ赤にし、口をパクパクして言葉を失っている。
「可愛かったから。」
俺の言葉に、広人は益々顔を赤くした。ふはー、可愛い、リンゴみたい。ニマニマしてしまう。ダメだぞ俺の表情筋!今が一番大事なところなんだ!
俺は少し首を傾げ、眉をハの字にしつつも、勝ちを確信しながら言った。
「嫌だった?」
すると広人は目を見開いて、
「えっ、いや、べっ、別に嫌ってわけじゃなくて…。」
と、俺の表情を見てどう思ったのか、少し慌てた様子で言った。「ちょっとビックリしただけで…」と俯いてモジモジする広人。よし、今だ!
「よかった…。それなら、口にもしていい?」
言いながら頬に唇を当てる。
広人が息を呑み、体を強張らせた。視線をウロウロさせ、顔色を青くしたり白くしたりまた赤くしたりし、「えと、あ…うぅ、いや、えぇと、その…」と言葉にならない言葉を発し、目をギュッと瞑った。そして、両手をそろそろと伸ばし俺の服をキュッと掴むと、小さくコクンと頷いた。
やったーーー!!
俺はもう我慢できなくて、すぐさま広人の顎に手を掛けて上向かせ、その唇を奪った。初めは浅く、段々と深く。ガチガチに緊張していた広人も、しばらくしたら力が抜けて、俺に縋り付くように凭れ掛かってきた。はぁ、可愛い。
もうちょっといいかなと思って、俺は口付けながら広人の唇を舌で何度も撫でた。すると意図を察した広人は、戸惑った様子を見せたものの、おずおずと口を開いてくれた。俺はすかさず舌を差し込み、その口内を嬲る。舌に舌を絡めると、広人も遠慮がちだが応じてくれた。
はぁー、幸せ…。今まで我慢した甲斐があった。
時間が経つのも忘れて夢中で口付けていたら、「んんんーーーーーっ!」と唸り声を上げた広人に背中をバンバン叩かれた。おっと、やり過ぎたか。
解放された広人がゼェゼェハァハァと肩で息をしている。鼻で息しなかったんだな。可愛いな。
「大丈夫か?」
俺がしれっと訊ねると、広人は潤んだ目をキッと吊り上げて、
「ばか!やり過ぎだ!」
と叫び、プイっと俺に背を向けてドスドス歩き出した。
可愛い…。ヤバい、広人が何しても可愛く見えてしまう。語彙が足りない。可愛いしか言えない。
俺は口元をダラしなく緩めつつ広人を追いかけ、その手を取った。今度は指を絡めて、恋人つなぎにしてみた。怒るかなと思ったけれど、広人は大人しく手をつながれている。おぉ…。感動…。本当に受け入れてくれたんだ。
「ごめんね。嬉しくて夢中になっちゃった。許して。」
広人はチラッと俺の方を見て、次にフイっと視線をそらし、小さく頷いてくれた。
「ありがとう。好きだよ、広人。」
俺は広人の顔を覗き込み、もう一度キスをした。
さて、そんなこんなで晴れて俺たちは恋人同士となった。俺の予測ではもうちょっと時間がかかるかと思っていたので、これはなかなかいいペースではないだろうか。
家に帰った俺たちは、玄関のドアが閉まるや否やまた深い口付けを交わし、気分が盛り上がってしまった俺が広人をベッドに連れ込もうとしたのだが、「せめてシャワー浴びさせて!!」と抵抗されてしまったため仕方なく一緒に風呂に入って(広人は何やらわぁわぁ喚いていたが)お互いを洗い合ったり、俺がちょっと広人を触って怒られたりした(ほんとにちょっとだ。酔っ払ってるのにのぼせたら危ないからな)。
そして風呂から出て、髪も乾かないうちに俺のベッドになだれ込んで、今は次の日の朝だ。
結果から言うと、挿れてはいない。挿れてはいないが満足はしているとだけ言っておこう。
もともと広人に合わせてゆっくりペースでやっていこうと思っていたのだ。恋人になれたのが嬉しくて俺の歯止めが効かず、何だかんだ広人も許してくれたので、今お互いパンツ一丁で一緒にベッドの上に寝転んでいるわけだが、俺は全く焦っていない。
傍らの広人を見る。俺の腕枕でスヤスヤ気持ち良さそうに眠っている広人は、この世のものとは思えないほど、とんでもなく可愛い。天使かな?
この可愛い広人と、昨夜は生まれたままの姿で抱き合って、唇以外にも体中に口付けて、全身を撫で回して、硬くなったお互いのモノを擦り合わせて……。
…やめよう。
ただでさえ浮かれて抑えきれず、昨夜は盛ってしまったのだ。朝からギンギンな姿を見たら、さすがに広人も引くだろう。
はぁ、それにしても昨夜の広人はめちゃくちゃエロ可愛かったな。キスだけで目を潤ませてトロンとした顔になるし、敏感なようでどこを撫でてもピクピク震えていい反応するし、試しに乳首を吸ったり舐めたり指で捏ねくり回したりしてみたら「あぁっ、…ん、は、ぁっ…」なんて可愛い声を聞かせてくれるし、俺と広人のモノを一緒にぐちゅぐちゅ擦り上げれば「あっ、みずのぉ、ん…っ、は、みずのっ、んんっ」と何度も俺を呼んでくれるので、俺は堪らず広人の唇に噛み付いて……。
…だからやめよう。案の定、兆してきてしまったではないか。
俺が心を落ち着けるべく無心で般若心経を唱えていると、隣の広人がもぞもぞと動き出し、重そうなまぶたをゆっくり持ち上げた。そして、俺と目が合うと恥ずかしそうに頬を染め、
「おはよ…。」
と、控えめに笑った。
キューン!
可愛い!心臓が痛い!顔が熱い!
俺が朝チュンの破壊力の前に何も言えないでいると、広人が
「ふはっ!水野、顔真っ赤だぞ。」
と笑って言った。
「そんな顔初めて見たなー」と上機嫌な広人に覆いかぶさりキスをすると、たちまち広人も真っ赤になったので、ふはっと俺も笑った。
その後、「昨日は言えなかったんだけど…」と真面目で律儀な広人から、改めて「俺も水野の事が好きだ」と告白され、頑張って耐えていた俺の理性は吹き飛び、結局朝から盛ってしまったのだが、広人はまたもや受け止めてくれた。本当にできた嫁だ。
そういえば、俺も異世界に飛ばされたって話、広人にしてなかったな。
ま、いいか。
終
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