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今更、日常に戻れる気がしない❼
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❼
「ちょッ!にしやん、芽衣子にナニすんのッ⁉︎」
泣いてる『芽衣子』を囲んでこちらにアヤつけてくる女子達にキョトン、とした顔で返す。
「え?私、何かした?」
言えば、またしても戸惑う雰囲気。秒で起こった出来事だった為、誰も正確に何が起こったのか把握していないのだ。
「!め、芽衣子のカオ!そのバッグ、蹴ったんでしょ⁉︎」
まあ、バッチリなちゅらるメイクに鼻血噴いてたらそう取るわな。
「え─────そうなの?誰か、私がそんな事したの、見た?」
唖然としたクラスメイトから見せたことの無い笑顔でバッグを受け取ると、先程芽衣子がやったのと同じ様に小首を傾げて見せる。
誰もそんな場面は見ていない。
非難している本人達ですら。
だから、それは『起こっていない』事なのだ。
「そんなヒドイ事、私しないよう。それにほらー誰もそんなん見てないってー。もォやめてよォ~それ、新しいイジメ?怖ッ。あ、でもコレには当たったのかもー!バッグに何か付いてるし。うーんあーそれならゴメンねー私のバッグがー」
速やかにバッグの所為にした。
「な!芽衣子、血ィ出てるんだよぉ⁉︎」
「うん、早く保健室連れて行った方がいいよ。先生には私から言っとく。任せといて!ホラ、早く早く」
「だからッ‼︎」
「─────花森サンが私の宿題写そうとしてうっかりカバンにカオがぶち当たって鼻血出ましたー!って詳しく報告なんかしないよ~?安心して」
そこまで言わせたく無かったら、サッサと行け。
笑いながら手を振る私の目が笑ってない事に漸く気が付いた様だ。視線に乗せた圧に気圧されて4人は教室を出て行った。
さてと、コレで大人しくなってくれればいいが。
…アイツらこっちをナメ切っているからなあ。相当、プライド傷付けられたって思ってそう。相当悔しいだろうなあ。
知らんけど。
授業が始まり、窓の外へ何となくしせんをむければ、外は青々とした樹々が揺れて青い空を背に平和を歌っている。
何て長閑なんだろう。
何て幸せなんだろう。
誰も今直ぐ死ななくていい。
誰も知らない所で私の力不足で命を奪われなくていい。
考える事は将来の事で。
夢で。愛で。
でも、一瞬を惜しむようなあの生き様はもう。
たとえ、あの場所に戻った処で得られるものではない。
もう、魔王と称される強大な魔は居ない。
恐らくこれから数百年は現れまい。
アイツはどう生きていくんだろう。また、根無し草の様な生き方に戻るのか。
小娘達の悪意を躱すくらいしか刺激の無い毎日に戻ってしまった私には知る由も無い。
そう、あの五年の月日で私は人一人、一生分くらいの人生を一気に駆け抜けてしまった。
血の色も知らぬ元の人生に戻りたい、とは願ったが、それでも血反吐撒き散らす思いをして身に付けたモノを手放したいとまでは思えなかった。
それをあの男に付け込まれたんだけど。
うおう、睦月さんなんちゅうオマヌケ。
「…はーじー」
小さく呟いた声は先生の声に掻き消されて繰り返す日常の隅っこに淡くそっと消えていった。
「ちょッ!にしやん、芽衣子にナニすんのッ⁉︎」
泣いてる『芽衣子』を囲んでこちらにアヤつけてくる女子達にキョトン、とした顔で返す。
「え?私、何かした?」
言えば、またしても戸惑う雰囲気。秒で起こった出来事だった為、誰も正確に何が起こったのか把握していないのだ。
「!め、芽衣子のカオ!そのバッグ、蹴ったんでしょ⁉︎」
まあ、バッチリなちゅらるメイクに鼻血噴いてたらそう取るわな。
「え─────そうなの?誰か、私がそんな事したの、見た?」
唖然としたクラスメイトから見せたことの無い笑顔でバッグを受け取ると、先程芽衣子がやったのと同じ様に小首を傾げて見せる。
誰もそんな場面は見ていない。
非難している本人達ですら。
だから、それは『起こっていない』事なのだ。
「そんなヒドイ事、私しないよう。それにほらー誰もそんなん見てないってー。もォやめてよォ~それ、新しいイジメ?怖ッ。あ、でもコレには当たったのかもー!バッグに何か付いてるし。うーんあーそれならゴメンねー私のバッグがー」
速やかにバッグの所為にした。
「な!芽衣子、血ィ出てるんだよぉ⁉︎」
「うん、早く保健室連れて行った方がいいよ。先生には私から言っとく。任せといて!ホラ、早く早く」
「だからッ‼︎」
「─────花森サンが私の宿題写そうとしてうっかりカバンにカオがぶち当たって鼻血出ましたー!って詳しく報告なんかしないよ~?安心して」
そこまで言わせたく無かったら、サッサと行け。
笑いながら手を振る私の目が笑ってない事に漸く気が付いた様だ。視線に乗せた圧に気圧されて4人は教室を出て行った。
さてと、コレで大人しくなってくれればいいが。
…アイツらこっちをナメ切っているからなあ。相当、プライド傷付けられたって思ってそう。相当悔しいだろうなあ。
知らんけど。
授業が始まり、窓の外へ何となくしせんをむければ、外は青々とした樹々が揺れて青い空を背に平和を歌っている。
何て長閑なんだろう。
何て幸せなんだろう。
誰も今直ぐ死ななくていい。
誰も知らない所で私の力不足で命を奪われなくていい。
考える事は将来の事で。
夢で。愛で。
でも、一瞬を惜しむようなあの生き様はもう。
たとえ、あの場所に戻った処で得られるものではない。
もう、魔王と称される強大な魔は居ない。
恐らくこれから数百年は現れまい。
アイツはどう生きていくんだろう。また、根無し草の様な生き方に戻るのか。
小娘達の悪意を躱すくらいしか刺激の無い毎日に戻ってしまった私には知る由も無い。
そう、あの五年の月日で私は人一人、一生分くらいの人生を一気に駆け抜けてしまった。
血の色も知らぬ元の人生に戻りたい、とは願ったが、それでも血反吐撒き散らす思いをして身に付けたモノを手放したいとまでは思えなかった。
それをあの男に付け込まれたんだけど。
うおう、睦月さんなんちゅうオマヌケ。
「…はーじー」
小さく呟いた声は先生の声に掻き消されて繰り返す日常の隅っこに淡くそっと消えていった。
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