今更、日常に戻れる気がしない

葉室ゆうか

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今更、普通の女の子って草生える①

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と、いう訳で麻由里たんの傍を騎馬戦の要領で組まれた神輿で駆け抜けてみました~。



おお、予想以上に驚いてる驚いてる。

「ヒャッホーウ、遠藤たん~。おっはよう~ゥうりゃ止まって!ドップラー効果起こってる遠ざかっているからー‼︎センパイ達ィ」




ずざざざざ────────────‼︎




「ありゃ~、ごめんごめん。つか、たっつーって呼んでって言ってんじゃんよう」
「あ、オレもオレも!センパイよか柴たんの方が!むしろ、コウスケとー」
「えー……むっきー呼ばわりもセンパイ愛称呼びもカンベン……」
「ナニィ~酷いじゃん‼︎オレら、並々ならぬ絆で結ばれた仲なのにィ」


せーの、で和気藹々の面々が声を揃える。







その時の彼等の顔を見たのだろう。麻由里たんの表情が凍った。

「何で何で何で何でェええええええ──────────ッ⁉︎」
「ハハ、そうだねいだろうねー」



「アンタが、アンタがアンタがあァ!」
「ウンウン、かー」



ニヤリとやな笑いを浮かべて、ポン、と神輿から降りる。

「言ったじゃ~ん、次は、って」

腕を組んで、軽く小首を傾げて不思議なモノを見る様に彼女に当たった。
何も命じなくても伸びていく『センパイ達』の手、手、手、手。


微笑みすら浮かべながら、怯える暴れる彼女を捕まえて担ぎ上げる。


「やっ!やめてえ、ごめんごめんなさいごめんなさい許して許ッ、イヤっ、触らないでッ‼︎いやあ──────っ⁉︎」
「イヤ、ってソレ、お前睦月ちゃんに言えるスジじゃねえだろ」
「ま、聞かねえけどな?オレら、精神からしー」
「何本か生で突っ込まれてヤリ捨てられるぐらい、オレらが味わった体験に比べたら天国だからなぁ。ダイジョブダイジョブーギャハハハハハー‼︎」


うわー、泣き過ぎて鼻水まで出てるぅ。ドン引きィ。

「センパイ達~すいませんがあ、もうそろそろ認識阻害の術が解けてしまうので、遠藤たんをとっとと持ってってくれますか~?」
「わあ、ごめんよーご主人様~ゴミは纏めてゴミ籠だよねー」
「ま、程々に。後、後味悪いんで、どんな手段を使っても死なせないで下さいねー」
「分かった~。SNS使って死後拡散すんぞーとかいいかな?」「いんじゃね」

バイバイと軽く手を振り、魂消る叫びを上げ続ける彼女を見送って術が解ける。
途端に喧騒が戻って来て、行き交う制服やスーツの人に自分が紛れて行く。
一瞬、あらぬ方向を見遣って、スッと人波に身を任せて歩み去る。

今日も元気に学校だ。
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